【本編完結】お菓子作りが得意なトレーナーと、無慈悲するマヤノトップガン 作:出遅れ系トレーナー
「というわけで、雛霰を作りました。太らないよう、食べすぎに気をつけて召し上がれ」
「やったー!やっぱり3月と言ったらこれだよね〜。ムグムグ…」
「ふわあ。おいしいですし、見た目も綺麗ですね。関東で売られてる高級和菓子に見た目がすごく似てますけど、これも自作したんですか?」
「そりゃもちのロンよ」
3月と言ったらひな祭り。ひな祭りと言ったら雛霰。用意しないわけがないだろう、ということで自作しました。総合力では銘菓には全く敵わないけど。光らないし。でも自作なら自作で味や色を調整出来る。つまりマヤノやフラワー、デジタルの好きな味や色に調整出来るのだ。ここまで好感を得られるなら銘菓に勝ったも同然!はーっはっは!
「トレーナーさんのパティシエスキルも相変わらずのようで安心しました。キッチンを併設しておいた甲斐がありましたね」
「ああ、この部屋にキッチン付けたのデジタルだったのか」
「そうですよ。トレーナーさんなら絶対使いますからね。突貫したので費用はちょっと掛かりましたけど。それはまあ、今後稼げるので今はどうでも良いです」
どうでも良くないんだが。しばらくデジタル用のスイーツは奮発しておこう。
「で、トレーナーちゃん。トレーナーちゃんの部屋のクローゼットの中に隠してあるであろうアレはどうするの?」
「…何のことかな?」
「通販の領収書が1枚落ちてたよ。おかしいね。数が合わないね?」
「あちゃー。しかも隠し場所も知ってたのか」
「トレーナーちゃん、疚しいもの隠すとき全部そこじゃん」
「えっと…何を隠してるんです?」
「雛霰の試作品。見た目の色が好みじゃないとか、味が悪いとか、あとは形かな?気に入らないやつを綺麗に袋詰めして、パッと見だと見えないようにまとめて押し込んでると思うよ」
「袋詰めしてるのもバレバレだった!?」
「えっと…クローゼットは虫が湧きそうなので止した方が…」
「あのー、フラワーさん。ツッコミどころはそこじゃないと思います」
「…あれっ?」
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「な、何ですのこれはっ…!!!!!」
「あっ、マックイーンさん…」
「うむ。これはうまいな」
食堂入口にはトレーナーちゃんが用意してしまった雛霰の試作品がこれでもかと並べられていた。食べすぎないでください!の文字が金ピカで眩しい。それをデビュー前の子や、怪我で療養中の人たちが昼食後のおやつとして摘んでいる。
「や、やっと地獄のダイエットが終わりましたというのに!これはあんまりですわ!許されませんわ!弁護士を要求しますわ!」
「ですよねー。私も大阪杯に出られなかったので、減量頑張って瘦せたところにって感じで。どう考えても1度手をつけたら最後なので必死に…必死にいいい!!!!!」
「うまい。やめられない。とまらない」
スペちゃんやマックイーンちゃんが必死に堪えてる目の前で、オグリさんは試作品をバクバク食べてる。さっき昼食のランチ特盛頼んでなかった?とか考えてたらハリセンが良い音を立てた。タマモさんが巨大なハリセンでオグリさんの後方から1発入れたらしい。
「さっきからなにやってんのや!!!!!オグリは食うのやめんかい!!!!!天皇賞に出られんくなるやんけ!!!!!」
「なんだタマか」
「なんだじゃないやろ!アンタ何考えとんねん!」
「タマ、私もちゃんと考えたんだ。そして思ったんだ。来年出れば良いと」
「なんでやねん!!!!!」
タマモさんのツッコミが冴え渡っていた。オグリさん、どう見ても食べすぎ。あれじゃ天皇賞(春)には出られないもんなあ。
「…トレーナーさん、結局ここに置いちゃったんですね」
「トレーナーちゃんだからなあ。近くの幼稚園にでも差し入れすればいいのに、コネが無いんだって」
「あたしとしてはウマ娘ちゃんの笑顔が観察しやすいので非常に助かります。1部酷いことになってますけど」
「「う゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛〜……」」
見るからにコンディションが急降下している。これは天皇賞も勝ったかな。ナイスアシストだよトレーナーちゃん。
デジタルの一人称を修正。推敲が足りてませんでした。