【本編完結】お菓子作りが得意なトレーナーと、無慈悲するマヤノトップガン   作:出遅れ系トレーナー

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お菓子の話を書いていたはずなんだ…


らぶらぶ☆デートするマヤノトップガン

「う~~~~ん…微妙!!!」

「どしたのトレーナーちゃん…あっ柏餅!おいしそう!」

「ああ、マヤノ。もう来てたのね。実はさ、柏餅に使おうと思って作った餡と、お餅の相性が良くなかったんだよ。微妙においしくないの」

「あ、相性…?」

「ちょっと味見してみる?」

 

 

今日はフラワーは美化委員の仕事、デジタルはいつも通りウマ娘ちゃん観察をするとかで、久しぶりにマヤノと2人きりだ。端午の節句が近いから柏餅でも作ろうかと思って用意していたんだけど、個人的には作った餡がおいしくない。試作した柏餅を切り分けてマヤノに渡す。が、返された。あっはい、食べさせてほしいのね。

 

 

「はい、あ~ん」

「あ~ん☆むぐむぐ…う~ん?マヤは普通においしいと思うけど」

「そう?な~んか物足りない気がするんだよなあ」

 

 

私的には微妙でも、マヤノにはそこそこ好評なようだ。ただし、これは試作品故にカロリーがやばいことになってるので代替品を探さなきゃならない。太る。まあ、現状求める味すら決まっていないんだけど。

 

 

「市販の砂糖使ったのが悪かったのかな。それとも小豆を煮込む時間?粒あんだから悪いのか…?」

「う~ん…マヤにはわからないけど、なにか拘りがあるの?」

「いや?単純に和菓子がそこまで得意じゃないんだよ。洋菓子はいくらでもレパートリーがあるんだけどね。地元の子どもたちには小豆が不人気だったからなあ」

「へ~そうなんだ。マヤ初耳だよ。お菓子ならなんでも得意と思ってたけど」

「今までケーキやタルトばかりだったからね、リクエスト」

 

 

小麦と果物が相性良いのと同じように、米と豆は相性良いはずなのだ。つまり、作り手が下手くそということ。ぐぬぬ。洋菓子ばかり作ってないで、もっと腕を磨いておくべきだった。

 

 

「このままじゃ埒が明かない。気分転換に出かけるか。マヤノはどうする?」

「もちろんついて行くよ!準備してくるね!」

 

 

 

─────────

 

 

 

そんなわけで夢の国にやってきたのだ。備えあれば嬉しいな。フリーパス2日分だZOY!偶には良いでしょ、遊んでも。お前お菓子しか作ってないだろって?聞こえんなあ!マヤノがウッキウキでどこから回るか考えてるけど、外泊届けは出してきたし、残ったら残ったで明日でも良いんじゃないか?

 

 

「トレーナーちゃん!あっちにネズミーが居たよ!ネズミーだよほら!」

「え?あっちってどっち?」

「んもー!そんなんじゃ回り切れないよ!ほら、早くー!」

「待ってマヤノ、ちょ、うわああっ!」

 

 

テンションの上がり切ったマヤノは、私を逆お姫様抱っこで抱えてネズミーのところへバクシン!めっちゃ見られてるんだけど!?てか力強いな。ウマ娘だったわこの子。

 

 

「ばびゅ〜ん⭐︎でもすくらんぶる〜⭐︎でもなくてでね。周りのお客さんにぶつかったりで危ないからダメだってば」

「ふっふっふ。ノンストップガールなマヤには、あれくらいの人混みは問題ないのだ!」

「そうか?そうかも。なら問題ないな」

 

 

実際にマヤノが人混みを回避してたし、そう言うなら問題ないだろう。ネズミーとの記念撮影を終えた私たちは、アトラクションを順番に回りつつお出かけを楽しんだ。問題が起きたのは夜だ。

 

 

「えっ、今日はシングルは1室しか空いてない?」

「申し訳ございません。弊社で確認を取りましたところ、担当者が入れ替わるタイミングで記載漏れがあったようで…」

 

 

マジか。当日キャンセル待ちは無理だと思っていたら、マヤノは『キャンセル出てるから行けるよ。勘だけどね⭐︎』とのことで。ダメ元で電話してみたら見事にキャンセル待ちに成功していたのだが。

 

 

「フリーパスも含めて返金のお手続きを致しますので…本当に申し訳ありません」

「どうするマヤノ。今日はダメだって。急いで帰る?」

 

 

ホテルに泊まれないなら帰るしかない。返金は可能なそうなので、急いで帰るかを尋ねると彼女はあっけらかんとして言うのだ。

 

 

「え?普通にマヤとトレーナーちゃんが一緒の部屋取れば良いじゃない」

「は?」

 

 

2部屋がダメなら、2人用に泊まれば良いじゃないbyマヤノ

 

 

革命起こされちゃいそうなこと言ってる。革命が起こされてるのは私の常識だけど。そもそも担当ウマ娘と一緒の部屋に泊まったのがバレたら懲戒免職どころの騒ぎではない。しかもマヤノは有名人だ。どこから漏れるかもわからない。そんな私の気など知らんと言わんばかりに、マヤノは担当者と話を続けていた。

 

 

「もしかしてツインなら空いてたりしない?」

「は、はい。確かにツインなら空きがございますが」

「ご飯は食べられるのかな」

「予備がありますので、可能でございます」

「じゃあ決まりだね。行こ、トレーナーちゃん」

「う、うそ〜ん」

 

 

トントン拍子でマヤノと同室が決まって、しかも後戻り出来ないところまで行ってしまった。

 

 

「らぶらぶでお泊まりなデートだよ!楽しみだね!」

 

 

まあ、マヤノが楽しそうだし、これで良いか。

 

 

 

━━━━━━━━━━

 

 

 

「というわけで夢の国のお土産の1番人気、ネズミーのクッキー缶です」

「ありがとうございます。いただきますね」

「どうも〜。直接見るのは久しぶりですねえ」

 

 

マヤノと夢の国で2日間羽を伸ばした私は、翌日フラワーたちにお土産を渡していた。夜に何も起きなかったのかって?起きるわけないじゃないですか、規約違反ですよ。マヤノが微妙な目でお土産に渡した缶を見ているが、はて…?

 

 

「どうしたマヤノ、浮かない顔して」

「お土産の話。マヤが選んでおいてアレなんだけどさ。クッキーってことはトレーナーちゃんが作った方がおいしいんじゃないのかなって」

「…あ゛っ!?」

「そうですかね?どれどれっと…あっ確かにこれは…」

「確かにトレーナーさんが作ったものと比べるとあんまりおいしくないですね。見た目はかわいいですけども。舌が肥えるって、こういうことなんだなあって思っちゃいました」

 

 

お土産は不評のようだ。ざんねん。

 

 

「お土産は失敗かー。あれ、そういえなんで夢の国に行ったんだろ。マヤノは覚えてる?」

「さあ…?」

 

 

全く思い出せない。なんで行ったんだろ。楽しかったというほんわかした記憶と、マヤノの笑顔しか残ってない。あれえ?

 

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