【本編完結】お菓子作りが得意なトレーナーと、無慈悲するマヤノトップガン   作:出遅れ系トレーナー

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阪神では花開かないニシノフラワー

『トリプルティアラを目指すウマ娘たちが集う、阪神ジュベナイルフィリーズ!天気は曇り、バ場状態は良の模様です。出走するウマ娘を見ていきましょう。1番人気はもちろんこの子、4番ニシノフラワー。メイクデビューを快勝して、そのまま阪神ジュベナイルフィリーズに殴り込みです。距離が不安視されましたが、メイクデビューでの快走が評価されて1番人気は譲らなかったようです。また聞いたところによると、彼女はシニア級でグランドスラムに王手をかけている、あのマヤノトップガンと同じチーム所属だとか。今日もその謎のトレーナーの策略が炸裂するのか、期待が高まります』

 

 

「…マヤとフラワーちゃんが同じチーム所属なのはメディアには教えてないんだけどな。どこで誰が漏らしたんだろう」

「ふむ…この辺にもパパラッチが居たのですねえ」

「「鏡と話してるの?」」

「し、失礼な!あたしのはファン活ですよ!ウマ娘ちゃんに迷惑かけるパパラッチなんかと一緒にしないでいただきたい!」

 

 

特別観覧席を貸し切り、マヤノを膝の上に座らせての観戦だ。デジタルは、まーたいつものかーみたいな目でこっちを見ないの。メイクデビューから直通、しかも距離を伸ばしての出走なので、3番人気ぐらいまで落ちるかと思っていたけど、フラワーは何事もなく1番人気だった。

 

 

「作戦はどうするんですかね。王道の先行でしょうか」

「そりゃもちろん逃げでしょ」

「ええ…?フラワーさんが逃げてるのみたことないんですが」

「そういうのってマヤノにはわかるの?」

「うん。メイクデビューのときもそうだったけど、今日のフラワーちゃんの仕上がりと比べたら………相手があまりにも弱すぎるもの」

 

 

『各ウマ娘ゲートイン完了………スタートしました!おっとニシノフラワー、スタート直後からどんどん上がっていきます!掛かってしまったか!?いや、彼女の表情をみるにそうではなさそうです!ということは今回のレースは非常にハイペースで進むことになりそうですね。時計にも期待がかかります!』

 

 

「フラワー飛ばしてるな〜」

「ふふん。やっぱりマヤが言った通り、作戦を逃げに変えたでしょ」

「ふむ…。大方他のウマ娘ちゃんとの力量の差を感じ取って、周りに合わせるより引っ張る方が楽だと考えたのでしょう。先行は逃げのペースに合わせるから疲れますので」

「だよね〜。というか本来なら大逃げしてスタミナでごり押しが楽すぎるもん。誰にも邪魔されないし!」

「それはあなただけですよマヤノさん…」

「しかし実況の人よく見てるね。作戦変更したのをすぐ見分けられるのはすごいよ」

 

 

今日のマヤノはご機嫌らしい。せっかくだから頭をなでてあげよう。ほーら、いい子いい子。

 

 

「…あのさぁトレーナーちゃん。もしかしなくとも、マヤが頭をなでられるとすーぐ機嫌良くなるとか思ってない?」

「…ギクッ」

「でもそれで合ってるから続けていいよ!」

「そっか~」

「そうなの~」

「(あたしを置き去りにして2人の空間に入らないで欲しいんですが。前々から思ってますけど、なんでこの人たち結婚してないんでしょう…)」

 

 

『さぁいよいよ大詰めだ!最後の直線へと入っていきます!ニシノフラワー速い速い!もはや独走状態!残り200!坂を登るッ!新たなる女王は彼女で間違いないでしょう!ニシノフラワー!今1着でゴールイン!』

 

 

「ふむふむ。やっぱりマイル以下じゃフラワーちゃんに並べるようなティアラ路線の子は居なさそうだね」

「そうだね。…ん?マイル以下?」

「中距離からはスタミナ勝負にもなってくるから、今回みたいにスピード全開勝負にはならないと思うよ。少なくともオークスやエリザベス女王杯はね。桜花賞まではとりあえず余裕だと思うけども」

 

 

 

──────────

 

 

 

「お疲れ様フラワー。そして阪神ジュベナイルフィリーズ勝利おめでとう!」

「ありがとうございます。トレーナーさん」

 

 

走り終えたフラワーが控え室に戻ってきた。どうやらケガはしていないようで安心。

 

 

「ね?やっぱり逃げでよかったでしょ?」

「そうですね、マヤノさんの言う通りでした。そして思ってたより実力が身についてたのを実感できました」

「あの逃げはマヤノの指示だったの?」

「そうだよ。きっと実力差が大きすぎて前が邪魔に見えるだろうから、そう思ったのならさっさと抜け出して押し切っちゃえって」

「序盤抜け出しからの押し切りとかマヤノさんのお家芸じゃないですかやだー」

「…勝てばいいんだよ。何をしたって、負けたらそれで終わりだもの」

「それはまあ、そうですけどね」

 

 

確かにあれだけ実力差があるのなら、囲まれて抜け出せなくなる前に勝負を仕掛けに行ってよかったと言える。マヤノのレースの運びの勘が、いい感じにフラワーに伝わっているようで、喜ばしいね。

 

 

「そういえばマヤノさん。他の子と絶対に競るなって言ってましたけど、あれは何だったんです?実力で押し切れって話だったんですよね?」

「それもあるけど、それとは違うの!奥の手は最後まで取っておくものなんだよ☆」

「ああ、確かに奥の手ですね。しかしトリプルティアラを目標にしたんですか、短距離ではなく」

「そゆこと~」

「奥の手…?2人していったい何のことなんです?」

「ふっふっふ。それはオークスでのお楽しみ!それじゃ、明日からもトレーニング頑張ろうね!」

「え?マヤノさん、何なんですかそれ。気になるじゃないですか!?」

 




フラワーの花の領域はオークスまで持ち越し。そもそも実際にゲームをプレイすると、育成中に先行では前に出すぎて発動しません。メイクラシナリオで朝日杯ならブルボンが居るので展開次第では発動しますけど。ノンストップガールウオッカの神威を見よ!(目覚ましが砕ける音)
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