【本編完結】お菓子作りが得意なトレーナーと、無慈悲するマヤノトップガン   作:出遅れ系トレーナー

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トリプルティアラ編
通年でさぼり宣言をするマヤノトップガン


「ということは今年のレースには1つも出走しない予定だということなんですね!?」

「うん!グランドスラムも無事に終わったし、達成出来たら次の年はトレーナーちゃんと楽しく過ごすってずぅ~~~っと前から決めてたから!」

「…す」

「す?」

「素晴らしいですっ!」

「ぴゃあっ!?」

「ウマ娘とトレーナーの、固く、そして深い絆(中略)わかりました!この乙名史、今までで最高の記事にして見せますとも!!!」

「ふわあぁ……あ、もう終わった?」

「(ちょっとマヤノ!終わった?じゃないよ!?寝てたのバレちゃうでしょ!?)」

「(あっ、トレーナーちゃん。おはよう!)」

「「(マヤノさん…やっぱり途中で寝てたんですね…)」」

 

 

トレセン学園に帰らせて貰えず、やむなく車中泊をした次の週。本来なら記者会見を行うはずだったのだが、マスゴミのあまりに酷い対応にブチ切れしたマヤノによって、月刊トゥインクルを除いた全ての報道陣はトレセン学園から叩き出された。理事長も『不可ッ!』の文字の扇子を大々的に見せつけるほどお怒りで、何とかして潜り込もうとするマスゴミを警察まで呼んで叩き出した。至極当然の結末だった。そして、月刊トゥインクルの記者のみをチーム部屋へ招いて取材を受けていたのだが…。これがまた大分というか、ものすごいインパクトのある記者だった。あまりに話が長すぎてマヤノが途中から船を漕ぎだしたので、さりげなく肩を支えてバレないようにはしたが…この様子だとバレてなさそうだな。

 

 

「マヤノさん、本日は取材させていただきありがとうございました。それでは、私はこれで失礼いたします!」

「ばいば~い。またね~」

 

 

スチャッと綺麗な礼をして乙名史記者は帰っていった。さっきまでの謎のトリップ状態とのギャップがすごいな。

 

 

「って、え?今更だけど、マヤノは来年のレースは全然出ないの?」

「ん~?うん、そのつもり。グランプリレースだけは、マヤに投票がいっぱい集まって、その上でやよいちゃんから出てくれ~って頼まれたら出るかもしれないけど、普通のレースは出なくていいかな~って。あ、トレーニング自体は続けるよ?この先どうなるかわからないけど、ドリームリーグには進む予定だからね」

「…そっか。マヤノがそう決めたのなら私はそれでいいと思うよ」

「えへへ。ありがとうトレーナーちゃん。とりあえず、フラワーちゃんが来年のトリプルティアラを獲れるよう手伝うのが、今のマヤの目標なの」

「…ふえ?あの…私がんばりますっ!」

「一緒にトレーニング頑張ろうね、フラワーちゃん!」

 

 

そう、来年はフラワーのトリプルティアラ。マヤノが言うには、フラワーは順調にスタミナをつけて適性距離を伸ばせているらしい。加速と最高速が速いから、本当であればスプリンター路線に進むほうが良いらしいけどね。やりたいことをやるのがうちのモットーです。お菓子なら任せろ。

 

 

「おっと忘れては困ります!来年はあたしのメイクデビューもありますぞ~っ!」

「あ、そっちは全然気にしてないや」

「しょ、しょんなっ!?」

 

 

全力のアピールをサラッと流されてしまい、よよよ~と言いながら崩れ落ちるデジタル。最近よく見るなぁ、このリアクション。そして倒れたと思ったらすぐに起き上がってマヤノに抗議し始めた。

 

 

「ちょっとマヤノさん!最近あたしの扱い方が雑になってきていませんか!?」

「だってデジタルちゃん、短距離や長距離に出向する気ないでしょ?」

「え?それはまあ…今のところ予定はありませんが」

「だからだよ。デジタルちゃんが有馬記念で1着獲る~!だとか、スプリンターズSで可能性を見せつける~!っていうなら?マヤ、頑張っちゃうけどさ。デジタルちゃんがマイルと中距離走ったら普通に勝っちゃうもん。それじゃあ結果が見えてるからつまんな~い」

「つ、つまんないて…」

 

 

レースに面白いもつまんないもあるのか?…いや、あったわ。マヤノはそういう子だった。

 

 

「…というかデジタルが勝つことに関しては疑ってないのね」

「うん。だって終盤に突然、萌えパワーチャージ、フルマックスゥゥゥ!!!とか言いながらものすごい加速して勝つんだもん。正直アレは左右にウロチョロしすぎてて怖い」

「えぇ…?なんですかそれは…」

「萌えパワーです」

「まるで意味がわからんぞ」

 

 

いつぞやのウマ娘ちゃんセンサーとやらと同じにおいがする。これ関わったらいけないやつだ。

 

 

「まあとにかく。フラワーちゃんがオークスやエリザベス女王杯を目標にするなら、地道にトレーニングをしてスタミナを増やすしかないかな。千里の道も一歩から、ローマは一日にして成らず。だよ!」

 

 

 

──────────

 

 

 

「……で。なんですかこれは」

「ん?見た目通りのいちごのタルトだけど。もしかして、今は時期じゃないじゃないから、そこまでおいしくない~ってこと?」

「いや違いますよ。タルトはトレーニングの前に元気を出そうってことで、トレーナーさんが差し入れしてくれたのはわかるんですけど…。私が気になってるのはその横に山積みにされた本のことです。これはいったい…?」

 

 

マヤノが1年間の出走拒否をメディアに流してからおよそ1週間後のこと。体操服に着替えたフラワーの前に並べられたのはいちごのタルトと赤い本。これからトレーニングってタイミングで、まずは読書をするようマヤノは言うのだ。

 

 

「ふっふっふ。これはね~、マヤが仕入れてきたとっておきの秘伝書なの!これを読むと、持久力を伸ばせちゃうんだよ☆」

「えぇ…?そんなオカルト染みたことがあるわけないじゃないですか」

「そんなことないよ~。…まあ、意味ない場合もあるけど」

「ダメじゃないですか!?」

「まあまあ。騙されたと思って読むだけ読んでみてよ。並走はそのあとにちゃんとするから、ね?」

「……もう、仕方ないですね。…ええっと?」

 

 

フラワーがしぶしぶ本を読み始める横でデジタルは驚愕していた。彼女は知っている。これがスタミナ秘伝書とかいうオカルトアイテムなのを。読めば本当にスタミナが増えてしまうのだ。

 

 

「(こ、これはまさかのドーピング本…!いったいこれをどこで入手したんです?確かものすごいお値段って話ですよね?)」

「(え?普通に自費だよ。購入資金はマヤが自分で作った同人グッズをメル〇リで売りさばいたんだ~。しかもマヤのサイン入りだよ☆)」

「(えぇっ!?メ〇カリならあたしもチェックしてましたけど、あのグッズ本物だったんですか!?)」

「(ふっふっふ。URAはマヤがレースに出走しないとグッズ出せないからね、ぼろ儲けだよ~☆)」

「(あ、悪質すぎる…)」

「(そんなことないよ~。どぼめじろう先生もそうだけど、デジタルちゃんも本出してるじゃない。同人の範囲内だよ。本人公認のグッズってだけでね)」

 

 

 

 




毎日更新→3日以内更新へ。フラワーのクラシックをどうするかまだ決めてないんですよね。
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