【本編完結】お菓子作りが得意なトレーナーと、無慈悲するマヤノトップガン 作:出遅れ系トレーナー
『今年も秋のG1戦線がやってまいりました。電撃6ハロン、スプリンターズステークス!今回もここ中山に快速自慢が集まりました!中山芝1200m、天気は曇り、良バ場の発表です。出走するウマ娘を見ていきましょう。3番人気はヤマニンゼファー。短距離からマイルまでのレースで好走を続けているウマ娘です。安田記念では11番人気という大穴から勝利を上げました。パドックを見る限りでは良い表情なので、このレースでも勝利を狙えるか。2番人気はサクラバクシンオー。未だに短距離では負け知らずの快速ウマ娘です。今日も自慢のバクシン力を発揮できるのか、好走に期待しましょう。さあ、今日の主役はこのウマ娘を置いて他に居ない!1番人気はこの子、ニシノフラワーです。笑顔溢れる表情で、すごく調子がよさそう……おかしいですね。何故だか笑顔が恐ろしく感じるのですが、私の気のせいでしょうか?』
「久しぶりにこの人の実況と解説を聞いたけど、早すぎてほとんど聞き取れない」
「流石の短距離専門実況マン…」
「そう?マヤは全部わかっちゃったよ☆」
「「聞き取れてる訳じゃないじゃん(ないですか)」」
「……えへっ☆」
マヤノの強い勧めでフラワーが出走することになったスプリンターズS。短距離は札幌でのメイクデビュー以来か。まあそれはそれとしてだ。
「ここ最近フラワーからの視線が痛いし、素っ気ないんだけどさ。原因が全く思い浮かばないんだよ。何か怒らせるようなことした覚えもないし…。もしかして、マヤノにだけタルト作ってあげたから拗ねちゃったのかな」
「どうなんでしょうかね。あたしからすると知らない間に2人の中が険悪…?というか、一方的にフラワーさんがツンツンしてる感じを受けましたが。まあ本気で嫌ってるようには思えませんので、現状は見てるだけですけども。トレーナーさんがフラワーさんに対して、まーたちょっかいを出したんじゃないですか?」
「えぇ~?デジタルの私に対する悪い意味での信頼が痛すぎるんだけど」
「ここ最近の行いを顧みたら、どう考えてもアウトでしょうに」
「あ、あはは~…(トレーナーちゃんが事故でフラワーちゃんの下着を見ちゃったなんて、どうやって説明していいかわからないよ〜!)」
『各ウマ娘ゲートイン完了……スタートしました!ハナを取ったのはやはりサクラバクシンオー!あっという間に先頭に立って、後続との差を広げていきます!この調子でスタミナが持つのでしょうか。3コーナーを回って先頭は相変わらずサクラバクシンオー。その後ろ2バ身離れて4番、さらにその後ろを5番、少し離れてヤマニンゼファーが追走!1番人気のニシノフラワーは大勢のウマ娘たちにマークされて後方からのレースを強いられている!』
「……ぴぃっ!?ふ、フラワーさん怖すぎりゅ…!そのお顔も尊いですけども!というか、もしかしなくとも、これってそういうことなんでしょうか?」
「だってそのためにレースに出るよう言ったんだから。当たり前でしょ☆」
「やっぱり…」
「え、え?な、何?何が起きるの?」
2人だけで通じるものがあるらしい。何が起きるんだろう。そんな話をしているうちにレースは最終直線へ。1200mしかないので、展開が早すぎるな。
『さあ最終コーナーを回って直線に入った!先頭を駆けるのはサクラバクシンオー!リードは4バ身!2番手のヤマニンゼファーが一気に加速してその差を詰めていく!未だ後方の1番人気ニシノフラワーはどうする!残り310mしかありません!ニシノフラワーが大外に出た!しかしもう距離がないぞ!残り200!ここから挽回出来……ああっと!?ここにきてサクラバクシンオーが急失速!ついにバクシン力が切れたか!後続を巻き込んで……?いや違います!後続も含めてほぼ全員ズルズルと後退!その隙をついて外へ出ていたニシノフラワーが急襲!サクラバクシンオーの急失速をギリギリで躱したヤマニンゼファーが先頭だ!ヤマニンゼファー、苦しいけど粘っている!ニシノフラワー差し切るか!2人並んでゴールイン!』
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「『ニシノフラワーがスプリンターズSをV!クラシックの女王が、中山でも大輪の花を咲かせました!』か。フラワーの次走は秋華賞、その次に本命のエリザベス女王杯だっけ?」
「……そうですよ」
学内新聞を眺めながら話しかけるも、相も変わらずフラワーはつーんとして不機嫌だった。今日はマヤノとデジタルがまだ来てないから、謝るチャンスだと思ったんだけども。
「ねえフラワー。お願いだから機嫌を直してくれないかな。私が何かしたなら謝るから」
「…えっと、もしかして、この前のこと覚えてないんですか?」
「この前のこと…?」
「マヤノさんにトレーナーさんがタルトを届けに来た時のことです!」
「ああ、その日なら私がマヤノにタルトを食べさせて甘えさせた後の記憶が無いんだよね。知らない間に自室に戻ってたし。だからその時に何かやらかしたんじゃないかって思ってマヤノに聞いたんだけど、全然教えてくれないし…」
「…本当ですか?」
「まあ…信じてもらうしかないね」
「なら、いいです」
フラワーの機嫌が少し直ったようだ。何があったか知らんけど、今後は気をつけねばな…。
「やっほートレーナーちゃん!…あれ~?フラワーちゃんもう来てたんだ!早いね!」
「お疲れ様ですマヤノさん、デジタルさん」
「…そっか。フラワーちゃんとトレーナーちゃん、ちゃんと仲直りできたんだね!あ~、よかった~」
「な、仲直りとか…。べ、別にそんなんじゃないですっ!」
「…ふむ?(どうやらご機嫌取りには成功したようですね)」
「(記憶がないって伝えたら少しマシになったんだよ)」
「(なるほど?)」
マヤノが言うならフラワーの問題は解決したと思っていいだろう。なら今後の予定を聞いておかなきゃね。
「まあそれはそれとしてだ。フラワーの予定はわかったけど、デジタルとマヤノはどうする?デジタルは朝日杯まで出走しないの?」
「そういえば特に考えてなかったですね。トレーナーさんに余裕があるならデイリー杯JSでも取りに行こうかと思いますけど。朝日杯の優先出走権もらえますからねアレ。…そういえばトレーナーさんには伝えてなかったですけど、あたし12月後半はホープフルSじゃなくて全日本2歳優駿に出ますよ」
「なるほどなるほど。って、朝日杯も全日本2歳優駿も12月中じゃない。そんなに連続出走して大丈夫なの?」
「大丈夫ですよ。2週ぐらい平気ですって」
「ならいいけども…。マヤノは?」
「有馬記念で投票1位だったら出るよ☆そうじゃないなら知らな~い」
「ふむふむ」
やっぱりグランプリに出る意思はあるのね。わざわざ自分から手を挙げる気はないけど。
「じゃあタルトは用意しなくても済みそうかな」
「ええ~!?マヤが1番人気になれないってトレーナーちゃんがそんなこと言っちゃうの~!?」
「だってこういうのってだいたいスペシャルウィークだし」
「「それは確かに」」
「ぶーぶー!」
更新までだいぶかかった理由ですが、単純にオチが思いつかなかったのもありますけど、主な原因としてはリディー&スールをやってたことでした。
ゲームの方の育成は、大逃げスズカ、ニシノフラワー、花嫁マヤノで揃えました。運営の大のお気に入りの特攻キャラであるクリオグリに勝てるかどうかはわかりませんが、まあまあの出来になったと思います。あと当たり前ですが死体蹴りライブは廃止になったので、そこは良かったですね。