【本編完結】お菓子作りが得意なトレーナーと、無慈悲するマヤノトップガン   作:出遅れ系トレーナー

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合法的お泊まり

「トレーナーちゃ〜ん。暇だよ〜。なんか作ってよ〜〜〜」

「作りたいけどヌマゾンに注文したさくらんぼがまだ届いてないから今は無理だな」

「がーん……」

 

 

秋も深まる10月の頭、我らがマヤノさんは私の私室にて、ひたすらにだらけまくっていた。というのもこの子、台風が接近しているというのに、余裕ぶちかまして私の部屋に遊びに来たのだ。案の定帰る時には大雨突風で帰るに帰れない状況に。フジキセキには連絡済みだが、電話の向こうで思い切り苦笑いしてたぞあれは。

 

 

「今日はこの雨風で帰れないだろうから泊まっていって良いけど、次はダメだからね」

「は〜い!」

 

 

笑顔全開でイイ返事!分かってんのかなホント……。

 

 

「しかし困ったな。私1人なら夕飯なんてどうとでもするけど、マヤノがいるなら真面目に考えなきゃならん。どうするかね」

「え?お菓子でいいじゃん。トレーナーちゃんならどうせストックあるでしょ?」

「……あるにはあるけどさ。お菓子はご飯にはならんって前に散々……いや待てよ?あったわ、ご飯になるやつ」

「おお?」

「探してくるからちょっと待ってて」

「あいこぴー!」

 

 

確か冷凍庫の左奥にしまってあったはず。が、冷凍庫を探しても見当たらず。……おかしいな、なんで見つからないんだ?

 

 

「トレーナーちゃ~ん。まだ見つからないの~?」

「ごめんマヤノ。しまってあったと思った場所にないんだよ」

 

 

時間をかけすぎたからか、マヤノが様子を見に来た。そして、ちょっと退いて?と、押し退けられてしまった。私の部屋なんだけど……。

 

 

「普段から作る傍からポイポイ入れて、ちゃんと整理しないからだよ~。んーと……これじゃない?」

「お~、そうそうそれそれ。よくわかったね」

「ふふ~ん♪マフィンは勝負スイーツに出てきたことないから、マヤすぐわかっちゃった☆」

 

 

そしてマヤノが1発で正解を引き当てた。相変わらず勘の良い子である。何はともあれ、これで夕飯はオーケーだ。

 

 

「でもマフィンなんていつ作ってたの?これ生地がお米だよね?」

「1人暮らしの男が炊飯器で米炊くと普通に余るんだよ」

「ええ?トレーナーちゃんが食べなさすぎなんじゃないの……?」

「作ったお菓子の味見をしてると、結構な割合でご飯は食べきれないんだよね」

「何それ不健康すぎじゃない?食生活ガッタガタじゃん。一応聞いてみるけど、直す気は?」

「マヤノたちに美味しくないお菓子を食べさせる気はないので無理」

「……ならしょうがないか~」

 

 

そう、しょうがないのである。夕飯も決まったことだし、適当に果物を切り分けてデザートにでもしよう。ということでマヤノとマフィンを2人で分けて、それぞれ食べ終えた。あとは湯浴みして寝るだけである。

 

 

「「ごちそうさまでした」」

「ねえマヤノ。この後は湯浴みしたらもう寝るだけだけど、マヤノはシャワーとお風呂どっちがいい?」

「もちろんお風呂!トレーナーちゃん!一緒に入ろ!」

「……はいはいシャワーね~」

「ぶーぶー!」

 

 

その後は雑談をしつつマヤノはベットで、私は床に敷いた布団で寝た。何もありませんでしたよ、もちろん。

 

 

 

──────────

 

 

 

「きゃああああっ!?」

「どわああああっ!?な、なんだ!?何が起きた!?」

 

 

突然の悲鳴で叩き起こされた。跳ね起きるとフラワーがこちらを指差して顔を赤くしていた。横には何故かセイウンスカイも居る。

 

 

「ふ、不潔ですっ!担当ウマ娘を強引にトレーナーさんの布団に引き摺りこむなんてっ!」

「え?」

「いやあ……。前に戴いた差し入れのお菓子を食べてからというもの、身体の調子がすこぶる良いからお礼を言いたいってフラワーに頼んで連れてきて貰ったものの……。もしかしなくともセイちゃん、すごくお邪魔しちゃいましたかねこれは」

「2人ともいったい何を言って……んなっ!?」

 

 

セイウンスカイの視線の先を辿ると、私にしがみついて幸せそうに寝るマヤノが!しかもパジャマが着崩れてる!?

 

 

「な、なんでマヤノが!?ちゃんとベッドで寝かせたはずなのに!ちょっとマヤノ起きて!具体的には私の冤罪防止のために!」

「にへへ〜」

「にへへ〜じゃないんだってば」

「いひゃいいひゃい!?ひゃひ!?ひゃひひゃおひひゃひょ!?」

「ぷぷっ、この2人全く同じリアクションじゃん。仲がいいね〜」

「スカイさん!今は冗談を言ってる場合じゃないんです!」

「……あちゃー。こっち向いちゃったか」

 

 

フラワーがセイウンスカイに向かって説教?を始めたが、そのセイウンスカイがこっそりこちらにウインクをしてきた。どうやらわざとフラワーの気を逸らしてくれたらしい。なので、その間にまだ半分寝ぼけているマヤノに事情を説明した。

というかなんでこの子ここに居るんだろ。ベッドから落ちたとかそういうやつ?

 

 

「ふむ〜。でも女子中学生の大人なマヤと、大の大人なトレーナーちゃんだし、愛さえあれば問題ないよね☆」

「大アリだよ!」

 

 

そしてフラワーによってセイウンスカイが撃墜されたあと、マヤノと揃って説教を受ける羽目になった。理不尽!

 

 

 

 

 

 

 

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