【本編完結】お菓子作りが得意なトレーナーと、無慈悲するマヤノトップガン 作:出遅れ系トレーナー
例によって例のごとくレース描写はおまけです。
レースに出走しまくるマヤノトップガン
「トレーナーちゃん!日経新春杯に出走するからいちご大福作って~」
「はいよ~」
新年明けまして、いきなりマヤノさんがレースに出走するとトレーナーさんに伝えてました。マヤノさんはメイクデビューを除くとG1にしか出走してなかったので、G2に出走するのは初めてなのではないでしょうか?ちなみにマヤノさんは1着でしたっ。
その半月後……
「トレーナーちゃん!アメリカJCCに出走するからダブルシュークリーム作って~」
「おっけ~」
今度もG2に出走するそうです。変わらずマヤノさんは1着でしたっ。
さらに半月後……
「トレーナーちゃん!川崎記念に出走するからチョコレートケーキ作って~」
「……レースに出てばっかりじゃない?マヤノがちゃんと考えてるのなら、今回も作るけどね……」
ダートなのでちょっと心配でしたけど、やっぱりマヤノさんは1着でしたっ。
そのまたさらに半月後……
「トレーナーちゃん!フェブラリーステークスに出走するからフルーツタルト作って~」
「ちょっと待って!?」
「え~?どしたのトレーナーちゃん。マヤ、これから出走届を出しに行かないとなんだけど~」
「え~?じゃないよ!?マヤノ、正月明けから2週間ごとにずっと連続で出走してるじゃない。有馬記念やアオハル杯含めたら6連続だし。ちょっと走りすぎじゃない?」
「そんなことないよ~?」
いえいえ流石に出走しすぎですっ。私もそろそろ高松宮記念に向けて追い込み調整する予定ですけど、4連続で出走してるのに身体は大丈夫なんでしょうか!?
……私が見る限り、何故か調子よさそうですけども。むしろ悪そうなのは心配しすぎてるトレーナーさんです。
「マヤノさん、まさかとは思いますけど、年末までほぼ連続で出走なさるおつもりで?」
「そうだよ?」
「マジですか~……」「うそでしょ……?」「本気なんですか!?」
そんなに連続で出走したら脚を壊しちゃいますっ!?
……私が見る限りですが、ものすご~く調子よさそうですけども!
「だいじょ~ぶ!だってマヤ、これでもちゃ~んと考えてるから☆」
「そうなの?」
「うんうん!だからトレーナーちゃん、おねが〜い」
「……そっか。なら、私も頑張ってお菓子作るぞ!」
「やった~!」
トレーナーさんがだだ甘ですっ。丸め込まれてますっ。でもどうしてマヤノさんは突然レースに出るようになったんでしょう?今までは何かと理由をつけて手を抜いてた気もしますけど。
「あ、そうだ。フラワーちゃんって安田記念とか、宝塚記念に出走する予定ある?」
「安田記念と宝塚記念ですか?安田記念は出走する予定ですけど、宝塚記念は投票次第ですね。可能なら出走したいですけど、どうなるかわかりませんので」
「ふむふむ。後でフラワーちゃんの今年の出走予定のレース、全部教えてね?予定だけでいいからさ〜?」
「え、ええ。構いませんが……」
マイルを中心に出走する予定ですけど、何に使うんでしょうか。
「……デジたんも出走予定出しておきますね」
「デジタルちゃんもありがと~。よろしくね~」
──────────
「よ~し。これでかんせ~い!」
マヤノの大阪杯とフラワーの高松宮記念、そしてデジタルの弥生賞が近づく2月下旬。今年はマヤノ以外の分の出走予定が既に手に入ってるから、勝負スイーツで何作るか問題で頭を悩ませることが少なさそうだ。リクエストがあれば助かるけど、フラワーを除いてトレーナーちゃん(さん)におまかせ!するからなあ。
話を戻すが、ここ最近マヤノが毎日紙とにらめっこしながら予定を考えていたが、どうやらそれが終わったらしい。
「マヤノさん、出走予定作り終わったんです?」
「そうだよ~。フラワーちゃんとデジタルちゃんの出走予定レースを避けて、残ったレースで賞金が高いやつ全部出るの!」
「ひええっ」
「うわ~……。本当に出走なさるんですかこれ」
「そうだよデジタルちゃん」
「やりすぎなのでは?」
「マヤも今年で17歳だもん。デートのことばかり考えてないで、今後のことを考えないといけない時期がきたんだよ」
「なるほど?(……あれ?でもマヤノさんの精神年r『デジタルちゃん?』……ハッ!?頭の中に、般若のマヤノさんが!?)」
フラワーとデジタルがマヤノの出走予定レース表を見て驚いたり呆れたりしている。途中でちょくちょく見せてもらった私からしても、何だこれって感じだ。でも、頑張りたいの!お願いっ!って上目遣いで頼まれたら断るのは無理だった。そもそもみんな好き勝手にレース出てるけど。
「まあ今後のことを考えたら稼げるうちに稼いでおきたいな~って思うようになったって話。この先全部勝てば年末の有馬記念で大体30億。今までもちょくちょく稼いでたし、トレーナーちゃんが無駄遣いし続けても余裕で養える額になりそうだよ~」
この子何言ってるんだ。私にだって蓄えがあるから担当の子たちに養ってもらうようなことにはならな……どうして3人してジト目でこっちを見るのかな?
「だってトレーナーちゃんの貯金残高、あんまり無いじゃない。やめるよう言っても試作品につぎ込んじゃったし。マヤ、トレーナーちゃんが一所懸命に作ってくれるならそれでよかったのにさ~?」
「……えっ、何言ってるんですかマヤノさん。トレーナーさんが無駄遣いしないように私がカード預かってるので、そんなことないと思いますけど?」
「キャッシュはね。マヤも最近知ったんだけどさ。トレーナーちゃん、マヤたちに黙ってクレカ作ってたみたいだし」
「ギクッ」「ええっ!?」
な、なぜバレた!?
「驚いてないところを見るに、デジタルちゃんは知ってたっぽいね?」
「……まあ、アオハル杯の時に徹夜で作り直した~って聞いたときに大体想像ついてました」
「なるほどそうですか。つまりそれより前から……。トレーナーさんっ。お話がありますっ」
ちょ、ちょっとフラワーさん?そんなにイイ笑顔でどうしてこっちに?ああっ!?マヤノとデジタルがドア開けて外にっ!待って!置いていかないで!?しかし祈りは天に届かなかった!そして私はそのままフラワーに追い詰められて壁際にっ!か、壁ドン!?もう下がれないっ!
「トレーナーさん♡」
「はい」
「正座してください♡」
「はい…て」
お説教は2時間だった。
──────────
『今年も春のG1の季節がやってまいりました。開幕戦は電撃6ハロン、高松宮記念!12人のウマ娘がレースを走ります。1番人気は昨年のトリプルティアラウマ娘ニシノフラワーです』
『昨年のスプリンターズステークスを制しているのもあって非常に人気が高いですね』
「ハ~ッハッハ!フラワーさん!スプリンターズステークスでは後れを取りましたが、今回こそバクシン的スプリントで1着になってみせますぞ!」
「ふふ……今回もよろしくお願いしますね」
「ま、負けませんっ」
いきなりバクシンオーさんの勢いに圧倒されてしまいましたが、レースでは負けられませんっ。今回の高松宮記念ではバクシンオーさんが1枠1番、ゼファーさんが2枠2番、……と2人とも内枠で、私が大外の8枠12番です。距離的に少し不利ですけど、精一杯頑張りますっ。
『各ウマ娘ゲートイン完了……スタートしました!……おおっと1番人気ニシノフラワー出遅れたか!』
『これはきっと作戦でしょう。彼女の末脚には爆発力があります』
き、気合を入れすぎて空回りして出遅れちゃっただけですっ!あまり煽らないでもらえませんかっ!?とはいえ1200mしかないのでこのままですと致命的ですね。ちょっと厳しいですけど、マヤノさん直伝の大外からロングスパートですっ。
『第3コーナーを回って先頭は未だサクラバクシンオー、2バ身リード。その後ろヤマニンゼファー。おおっと、ニシノフラワーが大外からすごい脚で上がってきたぞ!このまま伸びてくるか!?』
『オークスを制しているだけあってスタミナには自信があるのでしょう』
『最終コーナーを回ってさあいよいよ直線だ!最初に駆け抜けて来たのはサクラバクシンオー!ヤマニンゼファーが上がってきた!さらにニシノフラワーが大外から差し切りにやってきている!』
「勝利に!向かって!!バクシンシーン!!!」
「もっと自由に、もっと高く、もっと遠く。━━そして、私は風になる……!」
「未来はきっと、この先にっ!ふふふっ。咲いてっ、開いてっ。広がる私のお花畑っ!」
私とバクシンオーさん、ゼファーさんがほぼ同時に領域を展開しました。条件は五分五分ですが、ここからが本番ですっ!
『ここで上位人気3人の領域が展開!意地と意地のぶつかり合いだ!サクラバクシンオー僅かにリード!ヤマニンゼファーが並んできた!残り200!ニシノフラワー、大外からすごい脚で上がってきた!さあさあ並んだ並んだ横一線!3人並んでゴールイン!ニシノフラワー、体勢有利か!?』
ゴール前ギリギリで差し切れたと思いましたが、僅かな差だったので写真判定でした。10分ぐらいかかってようやく結果が出たようで、実況の方が結果を発表するようです。
『……勝ったのはニシノフラワー!高松宮記念はニシノフラワーが制しました!2着は……なんとヤマニンゼファーとサクラバクシンオーで同着!同着です!』
ふぅ……無事に高松宮記念を勝てたようですね。スプリント路線のG1連勝ですっ。
「未だそよ風……次こそは烈風となりましょう」
「くううっ!またしても!やはりバクシン的長距離に備えるべきでしたかっ!」
「そ、それはどうなんでしょうか……」
喜んでいたら横で結果発表を待っていたゼファーさんからの圧がすごいです。バクシンオーさんは長距離に出るとおっしゃってますけど、間違ってる気しかしないです……。
「さあさあ!そうと決まればトレーニングです!バクシンバクシーン!」
そう言ってバクシンオーさんは駆けて行ってしまいました。……ってバクシンオーさんっ!ウイニングライブの踊りをやらないとダメですよーっ!?
─────────
『絶好のレース日和となりました阪神レース場、春3冠初戦、大阪杯!16人のウマ娘がレースに挑みます!1番人気はマヤノトップガン。今年に入ってから既にダートのG1を2つ含む5つの重賞で勝利しています。昨年の出走はグランプリのみでしたが、今年は彼女のレースを見ることが多くなっていますね』
『連続出走は体調を崩しがちになるので、あまり褒められたことではないです。ただ私が見る限りマヤノトップガンは絶好調に見えますね』
「久しぶり、マヤノトップガン」
「ん~?あ、リトルココンさん」
ゲート前で準備運動をしていたら青いのが赤いのを連れてやって来た。ほほ~?赤いのはアヤベさんにボコボコにされたけど、ちゃんと復帰できたんだね。
「アオハル杯では簡単に掛からされて酷い目に遭ったけど、今回はそうはいかない」
「私の大事な樫本トレーナーが寝込まされてしまった借りを返させてもらうよ。1着は私が獲る。そして褒めてもらうのだ!」
「いや勝つのはアタシだけど」
「えっ?」「えっ?」
「あーはいはい。末永くうまぴょいしててね」
後ろでなんか言ってるけど華麗にスルーしてゲート入り。今日は2枠3番だからどうやって走ろうかな~。
『各ウマ娘ゲートイン完了……スタートしました!先行争いはマヤノトップガン、ビターグラッセ、リトルココン。マヤノトップガン、快調に飛ばしていきます。先頭がやや速いのか、縦長の展開です。リトルココンから大きく離れてトウカイテイオー、そのすぐ横メジロマックイーン、3バ身差でスペシャルウィーク……』
マックイーンちゃんやテイオーちゃんは先行の定位置で差し切り狙い。それじゃ間に合わないってなかなか学ばないね。赤青が徹底マークしてくるけど、マヤについて来れるかな〜?
『向正面、先頭は相変わらずマヤノトップガン。おおっと!マヤノトップガン、上がっていきます!』
『冷静さを取り戻せると良いのですが』
『楽に逃げさせるつもりはないビターグラッセとリトルココンも上がっていく!2番手集団との差はおよそ10バ身もあるぞ!』
「根性見せるぞ私!樫本トレーナーが待ってるんだ!」
「褒めてもらうのはアタシだ!」
「なんだとー!」「なんだよ!」
「……夫婦喧嘩は他所でやってくれないかなー」
チームメンバー同士でお互いに掛からせあってるの怖すぎでしょ。マヤ、な〜んにもしてないのに、勝手に息切らせ始めてるし。しかもこのままいくと2人が壁になるせいで後ろの子たちは大外を回らされるんでしょ?
『最終コーナーを回って、最初に駆け抜けて来たのはマヤノトップガン!マヤノトップガン、強い、強すぎる!完全に抜け出した!リードを開いていくマヤノトップガン!2番手争いはビターグラッセ!リトルココン!メジロマックイーンやトウカイテイオーもスパートを掛けているがビターグラッセとリトルココンが邪魔になって大外を回らされている!これは決まったか!後ろは大きく離れたぞ!マヤノトップガン今1着でゴールイン!圧倒的な実力を見せつけ、レースを制した!2着はビターグラッセ、3着に入ったのはリトルココン!」
マヤの勝ち!なんで負けたか、次のレースまでに考えといてね!きっと何かが見えてくるはず。それじゃあ、(賞金を)いただきま〜す☆
「くっそー、強すぎるぞー!」
「ど、どうして勝てない……っ!」
そりゃお互いに掛からせあってるからだよ。阪神レース場は下り坂多いからスタミナ配分しやすいのに、明らかにスパート遅れてるじゃない……。マヤとしては楽に勝たせてもらっちゃったけどね。
「……春の天皇賞もこうだと楽なんだけどなあ」
「次こそ私が勝つぞ!」
「いやだから勝つのはアタシだって」
「「はぁ!?」」
だめだこりゃ。2人してポカポカ叩きあってるけど、マヤ、知~らないっと。
よくよく調べたら高松宮記念の方が大阪杯より日程先だったんですよね。逆で書いてたのでどこかに矛盾がありそう。
ハーメルン読者さんでウマ娘アプリをやってる方はどれだけ残っているんだろう?タキオンイベントは思い切り無駄遣いしました。後悔はしてないですけどね。ラストエリクサー症候群で使い忘れないように気を付けましょ。