【本編完結】お菓子作りが得意なトレーナーと、無慈悲するマヤノトップガン 作:出遅れ系トレーナー
「トレーナーちゃん。これは流石に…」
「私は悪くない」
「いや、なんというか。どうしてこうなってしまったんでしょうね…」
「私は悪くない」
「「悪いというか考えなしすぎ(ます)」」
「しょぼーん」
総計20段からなる特大ホールケーキ的な何かの前で、担当ウマ娘2人に呆れられていた。ジャパンカップ勝利記念のご褒美に頼まれたのはイチゴのホールケーキ。それも特大、との要望だった。ウマ娘サイズのケーキを用意するには広い場所が必要と考え、たづなさんや理事長に頼んで根回しをして体育館を1日だけ貸切るまでは良かったんだ。そしてケーキ作ってる最中に、ケーキ見て喜ぶマヤノの笑顔を想像してたら楽しくなってきてしまって、気づいたら20段に…。
「こんなに食べたらどう考えてもお腹出ちゃうんだけど。どうするのこれ」
「本来であれば私も援護して、ってのはありますけど。流石にこれは無理じゃないです?」
「いやー。作ってて楽しくなっちゃったから、つい」
「うーん…。どうしようかな?」
マヤノ曰く、食べれて5段だとのこと。フラワーは3段だそうだ。そうすると残り12段である。材料費は私個人の自腹なので痛くも痒くもないが、流石に捨てるのは勿体ないとのこと。そもそもなんで材料をそんなに用意したのかは覚えていない。買い物に行ったときにマヤノの笑顔を想像しまくってたとかそういうことは一切ありません!
「切り分けて配っちゃうのが正解かなあ。マベちんとかに要るか聞いてみよ」
「なら私もブルボンさんやバクシンオーさんに聞いてみますね」
どうやら知り合いを援軍に呼ぶことに決まったそうだ。2人が電話をかけて数分後、ウマ娘たちが体育館に集まってきた。私は誰か呼ばないのかって?コネがなくて困ってた人間に呼べる知り合いが居ると思うのか!?…言ってて悲しくなるからこの話はやめよう、いいね?
「何やら困ったことがあると聞いて、学級委員長がやってきましたよッ!!!バクシーン!!!」
「お呼びいただきありがとうございます。ケーキを配っているんだとか。トレーニング前の甘味の摂取はトレーニングの効率を上げますので、ご相伴にあずからせていただきます」
「いやはやこれはこれは…。話を聞いたネイチャさんも、そこそこのサイズであるだろうってのは想像してから来たけども。これはどう考えてもアホの所業ですよ」
「だよね~。ただ、マヤちゃんがマヤちゃんのトレーナーさんに愛されすぎてるのは~。同じ女の子としては、ちょっと羨ましいかな~って」
「マーベラース☆」
そして割とボロクソ言われていた。だって楽しくなっちゃったんだから仕方ないじゃない!マヤノかわいいだろ?喜んでくれると思うだろ??笑顔最高だろ???つまり仕方ないのだ!!!
「マヤが呼んだ子は揃ったよ。フラワーちゃんは?」
「こちらも大丈夫です。全員揃ったみたいなので、ケーキバイキングを始めましょうか」
「トレーナーちゃんがトレーナーちゃんしてしまっただけなので、遠慮せず食べていってね。捨てるの勿体ないし、余ったらお持ち帰りもアリだよ!」
「トレーナーちゃんするとはいったい…?まあネイチャさんも美味しくいただかせてもらいますよっと」
切り分けられたケーキはそこそこの勢いで減っていった。皆思い思いにケーキを食べている。個人的には、見たかったマヤノの笑顔が見れたので満足だ。ただ、バクシーン!と叫んでいた子が最初は勢いが良かったものの、段々と速度が鈍ってきて早々にダウンしていた。トレーニングに響くと私に苦情が来るので、無理はしないよう言っておいたけどダメだったようだ。
「お腹出てないからだいじょーぶだよトレーナーちゃん」
「その判定で大丈夫なのか…?」
「うん、だいじょーぶ。…でも次に頼むときは、こうならないように段数指定するからね」
「はい…」
しょうがないな~といった感じでマヤノに微笑まれた。今日はいい日だった!
ちなみにマヤノが呼んだのはマーベラスサンデー、ナイスネイチャ、カレンチャン、トウカイテイオーの4人。フラワーが呼んだのはミホノブルボンとサクラバクシンオー、セイウンスカイの3人。ただしテイオーは有馬記念に向けて沖野トレーナーの指示で減量中、ウンスはイカダに乗って海に釣りに出かけていたせいで圏外になって連絡が取れなかった模様。