【本編完結】お菓子作りが得意なトレーナーと、無慈悲するマヤノトップガン   作:出遅れ系トレーナー

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マヤノスキーが考えたさいきょーのマヤノなので、察してください。


有馬記念を疾走するマヤノトップガン

『年末最後を彩る有馬記念、中山芝2500m。天気は晴れ、良バ場となりました』

『今年は優駿16人が揃い踏みですね。楽しいレースになりそうです』

『各ウマ娘が続々とゲートインしています』

「年末最後の大一番であるグランプリレース有馬記念、中山芝2500mは短期間でコーナーを6回も通るため、駆け引きが非常に重要なレースの一つだ」

「どうした急に」

 

 

有馬記念に出走するマヤノを応援しに来たのだが、やけに早口で有馬記念の解説を始める人が居た。雰囲気が少し怖いので離れておこう。さて、マヤノは4枠7番での出走だった。本人は1枠1番が良かったようだが、ラッキーセブンということもあるのでは?と言ったら、『トレーナーちゃんが言うならそうだね☆』と言っていた。かわいい。しばらくして全員のゲートインが完了したようで、場内が静まり返った。

 

 

『各ウマ娘ゲートインが完了し…スタートしました!』

『皆綺麗にスタートを切りましたね』

『各ウマ娘、思い思いのポジションにつけていきます。おおっとマヤノトップガン!掛かってしまったのか!2番手を大きく離して独走しているぞ!』

『先日のジャパンカップでは出遅れからの見事な末脚を炸裂させた彼女ですが、今回は逃げに逃げて大逃げのようですね。2500mという長い距離で、最後までスタミナが持つか心配です』

 

 

「えっ、有馬記念で大逃げ…?長距離で大逃げって垂れるやつじゃ」

「うーん…。マヤノさん、本当にやっちゃうんですかそれ…」

「あれ?フラワーは何か聞いてるの?」

「えぇ、まあ…。でも本当にやるとは思ってなかったんですけどね。このことについては、私がここで言うよりトレーナーさんの方からマヤノさんに直接聞いてあげたほうがいいと思います」

 

 

フラワーが呆れた目でレースを見ていた。最初から全力疾走して大逃げするマヤノを見て、『彼女のトレーナーはあんなことさせて何を考えているんだ!』『長距離で大逃げして勝てるわけないだろ!』『ふざけんな!金返せ!』との罵声があちらこちらで響いていた。

 

 

「うう…今日も目立たない服着てきてよかった…。マヤノのトレーナーだってバレたらファンの人に刺されそうだよ」

「え。そのための地味な服装だったんですか。言われてみればトレーナーさん、メディアへの進出ゼロですもんね。3冠ウマ娘のトレーナーさんだったら嫌でもメディアに出されてしまう気がしますが。どうやって断ってるんです?」

「マヤノがマヤノグッズ制作の対価で理事長を通して拒否してくれてるらしい。グッズはURAの重要な資金源だからね」

「えぇ…それってマヤノさんにおんぶにだっこじゃないですか」

「だ、だって私はケーキとかタルト作ることしかできないし。面接も何故かそれで通ってしまって…」

「…ある程度予想はしてたけど、あまり聞きたくない事実でした」

 

 

レースは第2コーナーを超えて向こう正面へ。相変わらずマヤノは…2番手と10バ身ほど離していた。余裕の表情で悠々と先頭を走っている。2番手の子はすでに歯を食いしばってマヤノを追っているが…?

 

 

「うーん。マヤノと2番手の子と離れすぎてないか?なんで誰も追いかけてきてないんだろう。中山の最終直線って310mしかないから、普通ならもっと距離を詰めていいはずなのに」

「そうですね」

 

 

そのまま第3コーナーに入ってもマヤノとの距離は縮まらず。むしろゴールまでにさらに距離を離して、マヤノは有馬記念を大差で勝利したのだった。

 

 

 

 

───────────

 

 

 

 

「で、マヤノ。今回の作戦は何だったの?」

「ひゃひひょひゃらひゃいひょまひぇひぇんひょひゅひぃっひょうひぃひぇ、ひょひょひゃひゃひょひひひ」

「ごめん、何言ってるかさっぱりわからないんだけど」

「…ゴクン。タルト食べさせてもらい終わったら話すからちょっと待って」

「あっはい…。はい、あ~ん」

「あ~ん…ん~、あまくておいひい!」

「相変わらずおいしいお菓子ですね。どうやったらこんなにおいしくできるんでしょう?」

 

 

マヤノご所望の、マヤノを膝の上に乗せて、頭をなでながらタルトを食べさせるミッションをこなしている。ご褒美かな?フラワーがタルトの味について頭を悩ませているけど、特に何をしているわけでもない。強いて言えば愛情たっぷりってところかな!…何言ってるんだろう本当に。というかフラワーが動じずに私がマヤノにあ~んして食べさせている状況を受け入れているので、他のトレーナーの所もきっとそんなものなんだろう。

 

 

「ごちそーさま!ありがとね、トレーナーちゃん」

「ごちそうさまでした。おいしかったです」

「おそまつさまでした」

「それじゃあタルトも食べ終わったし、トレーナーちゃんが気にしてる今回の有馬記念でのマヤの作戦を発表したいと思います!」

 

 

食べ終わって膝の上から降りたマヤノが、対面の椅子に座ってどや顔で話し始めた。

 

 

「今回の作戦は~?最初から最後まで全力疾走して、スタミナの暴力でそのまま押し切り☆作戦でした!」

「す、スタミナの暴力…」

「…私がマヤノさんとの並走トレーニング中にその話を聞いたときは半信半疑だったんですけど…。いざその戦法で押し切ろうとするのを見せられて、しかもそのまま勝ってしまったので。トレーニングの差って大きいんだなって実感しました」

「ふふん♪マヤは天才だから何でもできちゃうのだ☆」

「そういう問題ではないような…?」

「そうだったのか。まあかわいいからいいんじゃない?」

「トレーナーさん…。ぶれませんね…」

 

 

フラワーは終始呆れ顔だった。

 

 

 

 

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