夏やアキでも雪は降る   作:tokoya

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ゆううつの始まり

「フンフン♪フンフン♪」

 

時刻は夜8時。この時間には着替えを始める菜月。

機嫌が良さそう。それはなぜか?それはこの後用事が原因であろう。

 

「フンフン♪フン・・・あれたきなもうお帰り?」

 

たきながいつも通りの時間に更衣室に入って来る。

 

「わたしはいつも通りですよ。菜月が早いのじゃないですか?」

「そうかも。たきなはゲームやってこないの?」

「それはこっちの質問です。菜月は今日どうしたんですか?」

「あぁ・・・この後用事があってさ」

「用事ですか・・・」

 

あっという間に着替えが追いつくたきな。

しかしあるタイミングで手が止まる。

 

「用事ってなんですか?」

 

たきなは菜月の方を見る。菜月も制服を着始める所あった。

菜月がたきなを見る。最初は何気なく振り向いた菜月であったが、

振り向いた途端に目を大きく開く。

 

「まぁちょっ・・・あなた・・・何履いてんの?」

「何って?あぁこれですか?これは・・・」

 

その瞬間扉が開く。開けたのは千束だった。

 

「ねぇたきな~?一緒にゲーム・・・あれ~菜月。まだ着替えてたんだ?」

「まぁね・・・。千束。早くドア閉めて?恥ずいから」

 

「ごめんごめん」といいながら扉を閉める千束。

扉越しに会話を再開する。

 

「ねぇたきな?一緒にゲームやらない?」

「結構です。もう着替えているので」

「じゃあ明日は?」

「明日は定休日ですよ」

「そう~だから明日も集まってゲーム会するんだけど。どうかなって?」

「もちろん菜月は参加するよね?」

「する~」

 

扉の向こうから菜月の機嫌が良さそうな返事が返って来る。

 

「で!たきな?参加しな・・・」

「千束!」

 

ミカがいきなり千束に話しかける。

 

「健康診断と体力測定は済ませたのか?」

「へ?あ~あ。まだあんな山奥まで行くダルいし」

「明日は最終だぞ!ライセンスの更新に必要だ」

「うぇ・・・。そこは先生がうまく言っといてよ~」

「先生の頼みなら聞いてくれるでしょ?楠木さん」

 

千束がミカに駄々をこねているその瞬間、扉が勢いよく開く。

扉の向こうにいるのは、平然とした顔をしているたきなと、

たきなに腕をつかまれている顔が赤くなった菜月であった。

たきなは千束に質問する。

 

「司令と会うのですか?」

「うぉっバカ!服!」

 

千束は慌てて扉を閉める。そしてミカの様子を伺う。

ミカの目線は明後日の方向を向いていた。

今度はドアがゆっくりと開く。

 

「わたし達も連れていってください」

 

たきなは頭を下げてお願いする。

一方菜月は慌ててたきなを追いだして、勢いよくドアを閉める。

 

「だからまだ着替え終わってないってぇ!//」

 

千束はもう一度ミカを見る。今度は後ろを向いていた。

そんな事があっても気にせず、たきなはもう一度頭を下げる。

 

「・・・お願いします」

 

千束がミカを見るとゆっくりとこちらを振り向く。

その表情は「OK」と返事をしていた。

 

「わかったよ。たきな」

 

頭を上げるたきな。無表情に見える、しかし口元は緩んでいた。

たきなは早々に菜月へ報告する。

 

「やりましたね菜月。本部に行けるそうですよ」

「なんで私まで行くことなってんのぉ!?//」

「何でって・・・司令に直談判できるじゃないですか」

「私はい・か・な・い!」

 

変なテンションになっている菜月がそう言うと、ミカが落ち着いて口を開く。

 

「なに言ってんだ菜月。お前も行くんだぞ」

「なんでぇ!?//」

「再検査に来いと楠木が言っていたが?」

 

それを聞くと菜月は声のトーンを一気に下げる。

 

「あぁ・・・そうですか。チッ・・・お節介な人だ」

 

不穏な事が聞こえた気がしたミカであったが、無視をして話を進める。

 

「ともかく・・・。明日7時。此処に集合だ」

「はい!」「はぁ~い~」「ハァ・・・はぁ~い」

 

若干2人は気乗りしていないみたいだ。

 

 

 

眼を開けると景色がゆっくりと流れていく。

気付いたことがあります。外の風景が田舎ですね。

気づかないうちに寝てしまっていたらしいです。

横では2人が会話をしています。まぁ会話と言ってもいつも通り。

千束がたきなにからんで、たきながそれを適当にあしらっている感じですかねぇ。

お?千束が良い物を持っています!

 

「頂き!」

「あっ、菜月コラ!あんた寝る前にも食べたでしょ!」

「いいじゃん!何個食べたてもぉ~」

「ダメでしょ!これたきなの分だったのに~!」

 

なんか千束は私に厳しい。なんでだろ?一番年下だからかな?

それよりたきなの目がすごく痛い。

 

「本当にいらないですから。それより菜月。あなたも身体検査ですよね?」

「2度は言いませんよ」

 

怖い~・・・。正直千束が目じゃないくらい。

仕方なく千束に飴を返す。

 

「はーい・・・ごめんなさい」

「まったく。本当に菜月は甘い物が好きですね」

「甘い物はすごいよ!嫌なこととか忘れさせてくれるし」

 

でも、この後の事とか考えるとパフェとか食べておかないと割に合わないかも。

 

「菜月はさぁ。楠木さんのこと嫌いなの?」

「別に嫌いじゃないよ?ただ嘘つきで」

「本当のことを言わないおばさんって思っているだけで」

「世間ではそれを嫌いって言うんだよ・・・でも楠木さんそんなに嘘つくかなぁ?」

「千束は分かってないねぇ~。今日分かるかもよ?本当の正体が」

 

「ホントかなぁ」なんて千束は言ってるけど多分絶対に分かる。

 

だってたきなが来ているからね。

 

 

 

 

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