夏やアキでも雪は降る   作:tokoya

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人の幸福とは?

「大丈夫ですよ。たきな」

 

よかった・・・。

 

「ケガはない?」

「無いですよ」

「そう・・・」

「たきなはどうしたのですか?」

「どうしたのですかじゃないですよ!なんですかこの状況は!?」

 

わたし問いただすと、菜月は頬をかきながら答える。

 

「いや・・・忘れ物を探していたらたまたま見つけまして・・・」

「そんな偶然無いでしょ!あなたもしかして最初から尾行を気付いていたの?」

「・・・・・・」

 

菜月は何も言いません。

 

「まったく・・・独りで対処しようとしたのですか?」

「いや・・・ホント偶然で・・・」

 

まだシラを切るつもりの様です。

なにか隠したいことでも?

 

「まぁ・・・詳しい話は後で聞くとします」

「はい。わかりました・・・」

「じゃあ千束に報告しますね」

 

わたしは千束に電話かけます。

 

「もしもし?たきなです」

「もしもしたきな?菜月見つかった?」

「見つけんたんですけど・・・・」

 

 

 

 

「なに!菜月がほとんど1人で倒したって!」

「はい」

「もしかして全員殺しちゃった・・・?」

「一人だけ私が殺って。1人は逃走。残り3人は気絶です」

「なんで殺しちゃったの・・・「命大事」って、言ったでしょ・・・」

「命大事って・・・敵もですか!?」

「そう敵も!」

「でも菜月が撃たれそうになったのですよ!」

「それは・・・難しいね。じゃあ菜月に言って?「菜月は一人行動禁止!」って」

 

敵の命まで気にする必要がどこに有るのでしょう・・・

 

「わかりました・・・伝えておきます」

「ヨシ!じゃあクリーナー呼ぶから場所教えて?」

「はい、Cの54です。個人番号がLC3023。車がワンボックス。3人。1人死亡です」

「それから1人逃走したとのことなので、DAに頼んで沙保里さんに護衛をつけて貰うようミカさんにお願いしてください。情報提供者なので多分了解してくれると思います」

「わかった。じゃあ二人は離れて?リコリコで詳しく話を聞くから」

 

わたしは電話を切ります。

 

「千束。怒ってますよ「菜月は独り行動禁止!」ですって」

「はい・・・」

「ホントにわかりました?もうちょっとわたしの事、信用してください」

「ホントにもうしません・・・」

 

まぁこんな菜月を見れたのでヨシとします。

しかしそれにしても・・・

 

「菜月って眼鏡なしでも行動できたのですね?」

 

菜月は慌てて眼鏡を付けだします。

一体なにを焦る必要があるのでしょう?

 

「いやぁ眼鏡壊すと楠木さんに怒られるじゃないですかぁ」

「じゃあ必要無いと?」

「必要なのかも知れない。だってほら」

「なに?」

「眼鏡かけないとそこを飛んでいるドローンが見えなかったですよぉ」

「な・・・!」

 

よく見ると上空を飛んでいる1機のドローンが!

急いでドローンに銃弾を撃ち込みます。幸い一発で沈黙してくれました。

 

「なんで早く言わないのですか!」

「いやだなぁ、たきな。眼鏡つけないとわからなかったって言ったでしょ?」

 

HAHAHAと笑う菜月。

 

まったく・・・さっきと別人に見えるのは何故でしょう?

 

 

 

 

 

 

 

 

暗闇を明るくするのはモニターの映像のみ。

男にとってそのモニターのみが興味を中心であった。

 

「この距離のドローンに気が付くとは・・・」

 

残念ながら雑音のような声が男を邪魔する。

 

「これがリコリスか。国家に仇名すものを処刑して回る処刑人が」

「まさかこんな少女あったとは驚きだ」

「さすがはウォールナット博識だなぁ」

「無知であることは嫌いなんだ。だからもっと知りたいことがある」

「奇遇だね。私もそうなんだよ」

「一体何に興味がある?」

「この映像もっと拡大することできないかね?」

「何故だ?・・・まぁいい。その代わり条件がある」

「報酬かな?依頼したDAのハッキングには満足している。十分報いる額を用意しているよ」

「そうじゃない」

「おーん。何かね?」

「どうして銃取引なんぞに関わる。施しの女神にはタブーなしなのか」

 

「アラン機関」

 

 

 

雑音が急に目障りになる。男は秘書に合図をする。

すると秘書は慣れた手つきでコンソールを操作し・・・ 

 

ドカーン!

 

外でビルが爆発。

男はつまらなそうに呟く。

 

「無知で有る方が人は幸福なのだよハッカー」

 

その言葉が自分自身に向けられていることを男はまだ知らなかった。

 

 

 

 

 

 

「菜月!ホントに反省してる?」

「いやだなぁ千束。反省してるって、言ってるじゃないですかぁ」

 

まったく・・・もう少し静かにしてほしい・・・

 

「千束。もう少し静かに」

「でも先生!菜月死にそうになったんだよ!」

 

まぁ千束が怒るのも無理ない。

死に敏感な子だからね。

 

「でも死んでないじゃないですかぁ」

「それはたきなのお陰!やっぱ反省してないでしょ!絶対独り行動禁止!」

「そういえばたきな。着替えるの遅いねぇ?」

「こら!話を逸らさない!」

 

また大きい声を・・・仕方ない。

 

「千束。例の写真を見せてくれ」

「うん、例?あぁ・・・はいこれ」

 

ふぅむ・・・最近目が悪い。

 

「何処だ?」

「此処ここ」

「あの日か」

「3時間前だって。楠木さん、偽の取引時間掴まされたんじゃない?」

「千束。その写真のデータをくれ」

「なんで?」

「楠木に送る」

「はいよー」

 

千束がスマホ操作する。すると写真が送られてきた

良い時代になったもんだ・・・

 

「そういえば沙保里さんは?」

「楠木に報告した。1人護衛につけるらしい」

「つまりDAもこいつらが重要なんでしょ。先に見つければ、たきなの復帰、叶うんじゃない?」

「そうかもな・・・」

「そうだよ。菜月もそう思うでしょ?」

「まぁ・・・そうじゃない?」

 

うん?菜月は帰りたくないのか・・・?

 

「ねぇたきな!この作戦どう思う?」

「やります!」

 

たきならしからぬ大きな声をだして、更衣室から出てくる。

 

「うほぉー可愛いいぃ」「うほぉーかわいいぃ」

 

どうやら菜月は同じ反応をするらしい。

どこまで似ているのだか・・・?

 

カラン

 

うん?どうやらお客らしい

 

「やぁ、ミカ。な・・・!?」

「シンジ!?」

 

何故ここに!? 

しかしシンジは挨拶してから、何も喋らない。

俺は二重の意味で驚いた。

 

 

 

シンジが驚いている姿を初めて見たからだ。

 

 

 

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