暁のスイーパー 〜ガンスミスに花束を〜   作:さんめん軍曹

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こんにちは、さんめん軍曹です。

あと一巻でガンスミスキャッツを読み終わりますが、はやる気持ちが抑えきれないので投稿しちゃいます()

それではどうぞ!!


AIR FORCE ONE

 

 

 

ここはアメリカ・シカゴの郊外。

大通りから少し外れたところの道路沿いにその銃工店はあった。

名前はガンスミス・キャッツ。

本日休業の札を掲げているが、中からは銃声がひっきりなしに聞こえていた。

 

「ふぅー…」

 

彼女の名はラリー・ビンセント。表上はこの銃工店の主だが、裏では名うてのバウンティ・ハンター(賞金稼ぎ)として活動をしている(と言っても、現在は休業状態であるが)23歳の女性だ。

 

「ハァイ、ラリー。調子はどう?」

「ミニー・メイじゃない。今日はお店は休みよ」

「そんなつれないこと言わないでよ。せっかく2人でモーニングを食べようと思ったのに」

 

扉を開けて入ったのはミニー・メイ。彼女はラリーの相棒で、その筋では爆弾魔(ボム・フリーク)として有名だ。見かけこそ13歳に見えるが、本来はなんと19歳である。

 

「あんた、ケンはどうしたのさ」

「今日は家でゆっくりするって。久々なんだからご飯くらい一緒に食べようよ」

「はいはい。片付けたらすぐ行くわよ」

「それから、ラリー宛に国際郵便が届いてるわよ」

「国際郵便…?今時手紙なんて珍しいわね」

「日本からだって」

 

怪訝に思いつつも銃を片付けてダイニングへ向かったラリーは、テーブルの上にある国際郵便の封を開けようとして差出人の名前を見た。

 

「差出人の名前がない?不審だわ…」

「まさか爆弾だったりして」

「はは…まさかね」

「冗談よ冗談。火薬のにおいや変な膨らみもないから、爆弾は入ってないわ」

 

ラリーは恐る恐る手紙を開封し、中の文章を読んだ。

要約すると、

『久々に現場復帰したが銃が使い物にならないので、日本へ来て整備して欲しい』

との事だった。

 

「M・S……まさか!」

「誰?」

「あたしが駆け出しの頃に組んだことのある日本人よ。彼は2年前に殺されたって聞いてたけど…」

「名前は?」

「マサト・シノハラ。元傭兵で、最後はアドミラルをやってたらしいわ」

「アドミラル…?」

「日本は今、シンカイセイカンって未知の化け物と戦ってるようなの。相手には普通の銃弾じゃ効かなくて最初は敗戦手前だったんだけど、カンムス?って言う存在が現れてからは五分五分みたい」

「随分詳しいのね」

「一時期話題になってたの知らない?」

「全然。最近あまりテレビ見ないし」

「全く…」

 

深海棲艦がうようよいるこのご時世に海を渡るのは危険極まりない事であるが、手紙によるとどうやら彼と仲の良い空軍の1人が専用機で送ってくれるらしい。

 

「うーん、どうしてかしら…」

「何が?」

「アドミラルをやっている彼がどうして殺されたのか。そしてなぜ今になってあたしに手紙をよこしたのか…」

「そうねー…」

 

しばらく考え込むラリー。

 

「あのさラリー」

「ん?」

「行ってきたら?日本」

「んー…メイは?」

「あたしはパス。日本なら前に行ったし、なんならあたしは家庭持ちだからねェ」

「うーん…まァたまには良いか。何があったのか気になるし」

 

 

そして数日後、スコット空軍基地。

右手にビジターセンターが見える門で歩哨に立つ兵士が辺りを見ていると、スコット・ドライブからシルバーのフォード・クラウンビクトリアが1台やってきた。

 

「IDを見せて下さい」

エアフォース(アメリカ空軍)のゴードン・ミッチェル中佐だ。日本へ連れて行く客人を乗せている」

「では、お連れの方も身分証の提示を」

「はいこれ。私はラリー・ビンセント。シカゴでガンスミスとバウンティ・ハンターをやってるわ」

「確認しました。では、よい旅を」

 

2人の身分証を確認すると、兵士は持ち場へと戻っていった。

ゴードン中佐はコラムシフトを操作してアクセルを踏み込み車を発進させる。

 

「しかし驚いたわ」

「どうした?」

「まさかマサトが空軍にも顔が効くなんて」

「簡単だよ。彼がまだ傭兵だった頃に合同で作戦を組んだことがあってね」

「へえ。彼が生きてることは知ってたの?」

「いや、正直知らなかった。だから彼から連絡が来た時は大変驚いた。嬉しかったがね」

「どうして彼は今も死んだことになってるのかしら?」

「軍の内部で腐敗があるらしくてな。その勢力に目をつけられないために、今はMP(憲兵)のフリをしているらしい」

「そしたら今アドミラルの席に座ってるのは誰なのよ」

「そこまでは聞けなかったな。ただ、凄腕のスイーパーとまでは言っていた」

「日本で凄腕のスイーパー…噂には聞いたことあるけど…まさかね…」

「っと、着いたぞ」

「専用機って…まさかこれ?!」

 

ラリーが驚くのも無理はない。何せ目の前には、F/A-18F スーパーホーネットが離陸準備をしていたのだから。

 

「冗談じゃないわ!民間人が何の訓練もなしに乗れるわけないでしょ!!」

「ブリーフィングとちょっとした訓練はするさ。第一、君は路上で何度も派手なカーチェイスをしているだろう?」

「車と戦闘機じゃ訳が違うわよ!」

「いいじゃないか。今更帰るとは言わせないぞ。もうビザも用意してあるんだからな」

「そんな無茶な…」

 

こんな無茶苦茶な展開に対し、この先が思いやられるラリーだった。

 

 

数時間後、太平洋上空。

 

 

「酷い目にあった…」

「どうだ?空の旅は」

「離陸のGで危うく今朝食べたスクランブルエッグをぶちまける所だったわ」

「おいおい勘弁してくれ。コックピットはミキサーじゃないんだぞ」

「そりゃこっちのセリフよ!帰りは普通に船で帰りたいわ」

「まあそう慌てなさんな。空中給油もバッチリ済んだし、ヨコタまでものの数十分で着く」

「でも、どうして空軍が海軍の戦闘機なんか持ってるのよ」

「強いて言えば俺の好みだな。なに、話はつけてある」

「あっそ…」

 

もはや突っ込む気力を無くしたラリーだが、それも束の間。突如起きた爆発と黒煙で辺りは真っ暗になった。

 

「なになに?!どうなってるのよ!」

「どうやら敵襲らしい!噂のシンカイセイカンだろう!」

「安全じゃなかったのーっ?!」

「それ以上喋ると舌噛むぞ!!」

「きゃあああああああ!!!!!」

 

周りで爆発しているのはおそらく高射砲の砲弾だろう。そう当たりをつけたゴードン中佐はバレルロールをした。

だが敵も狙いは正確なようで、速度が高いはずのスーパーホーネットを狙って次々と撃ってくる。

中佐はすかさずインサイドループで回避。右へ左へバンクを繰り返しているうちに、レーダーに敵機の反応があることに気がついた。

 

「ほーん、敵さんのお出ましか。ひとつドッグファイトと行きますか…ねっ!」

 

言うが否や、いきなりブレイクで方向を変えると、ダイブアンドズームで幾つか撃ち落とす。

 

「まだまだァ!」

 

ハイ・ヨー・ヨーでさらに数機。

だが、敵も負けじとこちらの後ろにピッタリくっついてきた。

 

「敵さんもなかなかやるなァ!」

「良いから早く終わらせてよ!!」

「ラリー!」

「今度はなに!?」

「"コブラ"は好きか?!」

 

スーパーホーネットの速度を上げて、敵機との距離を開いて行く。

 

「私の愛車は"キングコブラ"よ!!」

「気に入った!それじゃこいつをプレゼントしてやるよ!………ここだァ!!!」

 

コブラ。戦闘機が機首を上げ、ほぼ垂直になる姿が蛇のコブラの威嚇する姿勢に見える為にそう名付けられた。

通常ではかなり高い技術が要求される上にSu-27やF-22 ラプターなどに限定されるマニューバ(機動)であるが、ラリーの目の前にいる男はそれを難なくやってのけた。

敵機は自機を追い抜く形で前に行く。

そして機首を水平に戻すと、ミサイルであっという間に撃ち落としてしまった。

 

「………」

「ラリー?」

「は、はは、は…」

「ちょっと道草を喰っちまったが、まもなく日本本土だ」

 

中佐が指で示した先には、確かにうっすらと山のようなものが見えた。

 

「……ねえ」

「どうした?」

「シンカイセイカンって、普通の銃弾じゃ効かないのよね?」

「そうらしいな」

「じゃあ、さっきはなんで機関砲やミサイルで撃ち落とせたの?」

「…たまたまじゃないか?」

「いや…もしかして…」

 

その刹那、撃ち落としたはずの敵機が後ろに現れた。

 

「…おい、嘘だろ…」

 

しかもさっきよりはるかに数が多い。

 

「これってもしかして、やばいやつじゃ…」

 

あっという間に周りを囲まれたスーパーホーネット。

ラリー達はこのまま深海棲艦の基地へ連れて行かれた。






いかがでしたか?
なんかこう、アメリカっぽい感じを出してみたかったのですがなかなかうまく行きませんね…
ドッグファイトは気合入れて調べましたが、違和感があっても脳内補正でお願いします(他力本願)

さて、深海棲艦の基地に連れて行かれたラリー達、一体どうなるのでしょうかね…

次回もご期待ください!
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