こんにちは、さんめん軍曹です。
久しぶりの投稿になりまして非常にお待たせしてしまいましたorz
やっと書き上がったので、早速ご覧ください!!
「いったいなんなの、ここは…」
「シンカイセイカンと言うからには海底に基地があると思ったが、どうやら地上にもあるらしいな」
とある島の洞窟。その奥に設けられた監獄の中に、ラリーとゴードンは閉じ込められていた。
「しかし呆れたもんだ。空対空ミサイルも機関砲も役に立たないなんてな…」
「全くもってその通りだわ。この分だとあたしの銃もダメね」
「まあ、ここに連れてこられる時にビーコンを起動したから、日本側の誰かが信号をキャッチしてくれることを祈るだけだな」
「当てになるかしら…」
未知の化け物を相手になす術がないラリーたちは、ただ天井を見上げるしかなかった。
場所は変わり、付近の海中。
「…ねえ」
「何でちか」
「微弱だけど気づいた?」
「救難信号なのね?」
「うん。深海棲艦がいるっぽい島から」
「ただ事じゃ無さそうでちね。鎮守府に報告を入れるでち」
数時間後。
「喉が渇いた…」
「お腹も空いたわ…」
「くそっ、いつまで続くんだ…」
「わからないわ。でも今は耐えるしかない…」
そして同じ頃、横須賀鎮守府にて。
「それは本当か?」
「機体まではわからないけど、アメリカ軍機からの信号で間違いないと思うのね」
「となると人質がいる可能性があるって事だな…よーし」
「出撃なのね?」
「ねえねえ獠ちん」
「ん?」
「鈴谷もたまにはついてっていいかな?」
「いいんじゃないか?」
「獠。もしかしたら…」
「わかってるさ篠原。例のお客さんの可能性があるって事だろ?」
「うむ。ヘリの操縦は任せてもらっても?」
「いいぜ。俺は海から行く」
しばらくして、夕暮れの海上。深海棲艦のいる島に向かって数機のMH-6 リトルバードが飛んでいた。ラジオからはジミ・ヘンドリックスのCrosstown Trafficが流れている。
伊19はギターの音に合わせて口笛を吹いていた。
「〜♪」
「えらくご機嫌じゃないか伊19!」
「当たり前なの!通常兵器で深海棲艦にどれだけ歯が立つか、この手で試せる時が来たのね!!」
「試すのはいいが無駄撃ちはするなよ!そいつのおかげで資源をごっそり持ってかれたんだからな!!」
リトルバードの外側でシートベルトをつけて座っている、伊19と呼ばれた艦娘がその手に持っているのは、.50BMG弾を使用する対物ライフルのバレット・M95だ。
同社のM82と比べるとオートマチックではなくボルトアクション式であり、マガジンがグリップより後ろにあるプルバップ式で全長が短いので取り回しがいい。
彼女は弾倉を取り出し、弾を確認するともう一度差し込んでボルトを操作した。
「妖精さんに無理言って特別に作ってもらった、対深海棲艦用のアーマーピアシング弾。これがどんな威力なのかとっても楽しみなの」
そう言いながら、うっすらと島が見えてきたので彼女はゆっくりとスコープを覗いていった。
島の海辺では重巡リ級が辺りを見回っている。
「ン?アレハナンダ…」
リ級がふと水平線を見てみると、黒い点がこちらへ近づいてきていた。
「!テキシュウカ!!」
踵を返して緊急事態を知らせようとしたが、腹に何度か強い衝撃が走る。
「ガハッ…!」
一瞬何が起きたかわからないリ級だったが、腹を見てみると大きな穴が空いていた。
「グッ…クソッ!!」
どんどん近づいてきたヘリコプターに向かって何発か砲撃するが、痛みのせいでなかなか当たらない。
そして銃声が聞こえる前に、リ級の頭は消し飛んだのである。
「うーん…」
「どうした?」
「リ級でも数発なのね。やっぱり魚雷や砲弾には劣るのね」
「よくこれだけの距離で当てられるな…しかも動きながら」
「それも提督と獠ちゃんのお陰なのね。イクが射撃大会に出たら金メダルでオセロが出来ちゃうの」
「そりゃあ大したもんだ…」
「…ねえ」
「どうした?」
「何だか外が騒がしくない?」
格子の外に向かって耳を凝らしてみると、確かに敵の動きが慌ただしくなっているようだ。
「確かに騒がしいな。一体なんだろうか」
慌てた様子で現れた深海棲艦と見張りの深海棲艦が何やら話している。
「!」
「何かあったか?ラリー」
「今、銃声が聴こえたわ」
「本当か」
「ええ。多分バレットね」
「ライフルか。しかし通常兵器では…」
「そうね。誰だかわからないけど、このままじゃ私達と同じ目に合うわ」
「ヘリの音も聞こえるな。もしかしたら俺達を救援しに来たのかも知れない」
「このままではやられちゃう。どうしたら…」
「オイ!」
話し終わった見張りの深海棲艦が声をかけてきた。
「オマエラハココニイロ。オリヲデヨウナンテカンガエルナヨ!」
言うな否や、化け物は地上へと走り去っていった。
2人は顔を見合わせる。
「出るなと言われると…ねえ」
「出たくなるのが性ってもんだよな」
そう言うとラリーは懐から小さなケースを取り出した。
「あいつら、私たちをただの人間と思ってろくに身体検査もしなかったのが運の尽きね」
「ねえ大井っち」
「どうしました北上さん?」
付近の海では北上や大井、陸奥などの艦隊が深海棲艦を掃討していた。
「なんだかイクっち、すごく張り切ってると思わない?」
「確かに…」
「どうしてだろうねぇ」
確かに伊19が空からライフルを撃ちまくっている様子を見るに、いつもより士気は高いようだ。
2人がどうしてか考えていると、陸奥が横から口を挟んできた。
「今回救出する人に関係があるんじゃないかしら?あの子は獠を越えるために日頃から銃の腕を磨いているけど、カスタムにも興味があるみたいだしね」
「へえ。スナイパーならではだねぇ」
「しかしあの子、あんなに撃って弾薬は大丈夫なんでしょうか?」
「あとで資源の残りを見た提督が泣いてそうだねー」
「あらあら…」
後日、言うまでもなく提督が膝から崩れ落ちたのは別の話。
「うっへぇ、伊19のやつ撃ちすぎだっての」
その頃、獠は艦娘達(特に伊19)が派手に戦っている中で、警備の手薄な場所を見つけて島に上陸していた。
彼の目の前に広がっていた光景は、まさに死屍累々と言った様子だ。
「こんな所で文句を言ってる場合じゃないな。どこかに入り口があるはずだ…」
獠は辺りをゆっくり見回す。すると、茂みの影に洞窟のような穴がぽっかりと空いているのが見えた。
「…あった!早いとこお姫さんを見つけなくちゃな」
そう呟くと、彼は自らの気配を消し暗闇の中へさっと溶け込んでいった。
「開いたわ!」
獠が基地へ侵入した時、ラリーは懐から取り出したピッキング用のツールを使って扉の鍵を開けることに成功していた。
「さすがガンスミス。手先が器用だな」
「褒め言葉はいいわ。とっととここから出ましょ」
扉をゆっくりと開け、2人は監獄から抜け出す。
彼女は扉をくぐり抜けると、ふと自分が開けたばかりの錠前を見つめた。
(ミスティ…)
何を隠そう、ピッキングの技術はラリーの元仲間であるミスティから教わっていた。
その少女は現在、諸事情により彼女らとは離別してしまっている。
「ラリー!何をモタモタしてるんだ!」
ゴードンの呼ぶ声で我に返ったラリーは、急いで彼の元に戻った。
「ったく。さっさと出ようって言ったのはお前さんじゃないか」
「ごめんごめん」
「いったい何を考えてたんだ?神妙な顔をしていたが…」
「ちょっとね。それより、いくらなんでも警備が手薄すぎない?」
「確かに。敵の姿どころかアリの1匹見当たらんな…」
「ぞっとしないわね…」
その時、背後で微かに物音がしたのを彼女は聞き逃さなかった。
「誰?!」
振り向きざまに自身の愛銃であるCZ75を抜いたラリーは、そのまま音の正体へ銃口を向ける。
「!!」
「ダッソウシャハヨウシャナクコロス」
視線の先には深海棲艦がこちらへ砲を構えていた。
奴らに対して通常兵器では歯が立たないのは先刻承知だ。今にも発射されそうな連装砲に対して、ラリーは久々に少しの恐怖を感じた。
「ぐっ…」
もはやこれまでと諦めかけたその時、1発の銃声が鳴る。
そして、目の前でドサリと倒れ込む化け物。
突然の事で訳がわからないまままた後ろへ銃を向けると、そこには硝煙を上げるコルトパイソンを構えた1人の男が立っていた。
「やれやれ。危ないところだったぜ」
さて、いかがでしたか?
ようやくの獠とラリーの邂逅、そして深海棲艦を相手に彼らはどう立ち向かうのか…
後半の一部のデータが破損して消えてしまい、非常にがっくりしましたがなんとか持ち直すことができました…
では、次回お会いしましょう!