合魂‼   作:阿弥陀乃トンマージ

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第2話(1)上々のスタート

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「む……」

 

「お、気が付いたか」

 

 超慈にとって聞き覚えのある声が聞こえてくる。部屋の照明の眩しさに目を細めながら超慈は口を開く。

 

「その声は……仁か?」

 

「ああ」

 

「ここは?」

 

「医務室だよ」

 

「そうか……お前、なんでこんなところに?」

 

「い、いや、そんなことはどうでもいいじゃねえか。それよりお前大丈夫かよ? しばらく気を失っていたんだぞ」

 

 超慈は体を半分起こしながら、片手で頭を抑えて呟く。

 

「気を失うなんて初めてだ……」

 

「いわゆる『魂の詰めすぎ』というやつだな」

 

「あ、部長さん……」

 

 医務室のベッドの近くに立っていた姫乃の存在に超慈はようやく気付く。

 

「魂力をまだ上手く使いこなせていないのだから無理もない話だが」

 

「なんか、すいません、ご迷惑をおかけしてしまったみたいで」

 

 超慈は頭を下げる。

 

「気にするな。よくあることだ」

 

「よ、よくあることなんですか……」

 

「それよりその二人にお礼を言っておけ、ここまで運んでくれたのだからな」

 

「え?」

 

 姫乃はベッドの傍らに座る仁と離れた壁際によりかかるマッシュルームカットの亜門を杖で指し示す。仁が笑う。

 

「へへっ、結構重かったぜ」

 

「全くだ、もう少し痩せろ、ナード……」

 

「ナ、ナードじゃねえよ! で、でもありがとな、二人とも……」

 

「ぶひっ⁉」

 

「えっ⁉ き、君は……」

 

 超慈が反対方向に向くと、少しウェーブのかかったロングの金髪で短いスカートをはいたギャルが座っていた。ギャルは俯いて口元をおさえながら小声で呟く。

 

「男同士が不器用ながらも友情を育んでいく感じ……尊い……」

 

「え? 鬼龍瑠衣さん……だよね? 介抱してくれていたの?」

 

「ウ、ウチは保健委員でござるから当然のことでござる!」

 

「ござる連発⁉」

 

「まだ委員を決めていないだろう……つくならもっとマシな嘘をつけ……」

 

 亜門が呆れたように呟く。

 

「と、とにかく、無事に目が覚めたようで何よりニン!」

 

「ニンって!」

 

「拙者、もといウチはこの辺でドロンさせていただくでござる!」

 

「え⁉」

 

 瑠衣が立ち上がると、両手を合わせ、両の人指し指を立てて、なにやら叫ぼうとする。

 

「はっ!」

 

「待て」

 

「ぐえっ!」

 

 瑠衣の襟に姫乃が杖を引っかけ、引っ張った。瑠衣が体勢を崩す。超慈が問う。

 

「だ、大丈夫?」

 

「や、やばたんでござる……」

 

「は、はあ……」

 

「キャラが迷子になっているぞ。まあ、その辺は勝手にすればいいが……それよりもお前らには改めて言っておくことがある」

 

「言っておくこと?」

 

 姫乃が咳払いを一つして口を開く。

 

「合魂部へようこそ!」

 

「⁉」

 

「今年は4人か、なかなか優秀だな。歓迎するぞ」

 

「え、えっと……」

 

「ああ、この入部届を提出しておいてくれ。面倒だろうが決まりなのでな」

 

「ちょ、ちょっと待って下さい!」

 

「ん?」

 

 用紙を配ろうとした姫乃の手が止まる。超慈が尋ねる。

 

「きょ、今日は入部説明会だったんじゃありませんか?」

 

「ああ、そうだな」

 

「ま、まだ入部すると決めた訳では……」

 

「む……そうなのか?」

 

 姫乃が超慈以外の三人の顔を見る。仁たちが口を開く。

 

「まあ、話が急過ぎるかなって……」

 

「戸惑っているでござる……あっ、意味不って感じー?」

 

「もう少し様子を見たい……」

 

「……そうか、そういうことならば致し方ないな」

 

 姫乃は意外とあっさりと引き下がる。超慈が面喰らう。

 

「い、良いんですか?」

 

「無理強いをする気はない。ただ……」

 

「ただ?」

 

「これも何かの縁だ。全員RANE交換しないか?」

 

 姫乃が端末を取り出して微笑む。

 

「は、はあ、まあ、それくらいなら……」

 

 超慈たちは姫乃の求めに応じる。

 

「……ありがとう。今日はもう遅い。気をつけて帰りなさい」

 

「は、はい……失礼します」

 

 超慈たちは医務室を出て帰路に就く。超慈は仁と並んで歩く。仁が呟く。

 

「いやあ、なんていうか、怒涛の一日だったな」

 

「ああ、だが、華のハイスクールライフ、こうでなくっちゃな!」

 

「ま、前向きだな。気絶していたのに……」

 

「……2人だぞ」

 

「え?」

 

「中学3年間で1人しか出来なかった女子とのRANE交換! 初日でいきなり2人と交換出来たんだぞ! 上々のスタートだ! これを喜ばずしてなんとする!」

 

「あ、ああ……」

 

 超慈の言葉に仁が目頭を抑える。

 

「なんだ仁? ひょっとして泣いてんのか?」

 

「いやいや……目にゴミが入っただけだ……可愛い女子2人で良かったな」

 

「大分癖があるがな……この際贅沢は言わねえ。それにしても……」

 

「ん?」

 

「他の奴ら、俺が倒した女子とかはどうしたんだ? 無事なのか?」

 

「ああ、なんか謎の黒子衣装の集団が現れて、別の医務室に連れていったみたいだぜ」

 

「謎の黒子衣装の集団……深くは突っ込まない方が良さそうだな」

 

「そうだな……あ、俺こっちだから」

 

 仁が別方向を指し示す。超慈が首を傾げる。

 

「え? お前も学生寮じゃないのかよ?」

 

「俺は下宿なんだ。また明日な」

 

 仁と別れて寮に戻った超慈はすぐさま眠りに落ちる。そして、翌日の昼……。

 

「部長さんからのグループRANEだ……広場に集合……改めて勧誘か?」

 

「覚悟!」

 

「ええっ⁉」

 

 見知らぬ生徒からいきなり斬りかかられて超慈は驚く。

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