セシリアとの対決の日
アリーナのピットにて
「なあ、箒」
「なんだ、一夏」
ピットには俺、ミア、一夏、箒、織斑先生がいた
「気のせいかもしれないんだが」
「そうか。気のせいだろう」
一夏と箒が話しをしているが
「ISのことを教えてくれる話はどうなったんだ?」
「………………」
「目 を そ ら す な」
……馬鹿かな?
「し、仕方がないだろう。お前のISも無かったし、訓練機は予約でいっぱいだったんだ」
「まぁ、そうだけど……じゃなくてだな!知識とか基本的なこととか、あっただろ!?」
「………………」
「目 を そ ら す な」
やっぱ馬鹿だろう
「あの二人は馬鹿ですか?」
「言ってやるな」
俺とミアは念の為にディ・レギウディアの確認作業中だ
バァン!
バァン!
そんな音が突然響いた
「貴様ら二人とも馬鹿だろう?」
織斑先生だった
「ッゥ……何すんだよ!ちふ……織斑先生」
「ゥゥ……」
「お前たちは馬鹿だろう?第一に織斑に教えると言っておきながら肉弾戦のみとはもっと教えることがあっただろう?」
「もっと言ってくれ織斑先生!」
「貴様もだ!人に任せっきりにせずに自分から動かないか!」
正論だァ
二人はバツの悪い顔をした
そんな時に副担任の山田先生がやってきた
「お、織斑くん織斑くん織斑くんっ!」
一夏の名前を連呼しながら何度もつまづきながらやってきた
「山田先生、落ち着いてください。はい、深呼吸」
「は、はいっ。すーーはーー、すーーはーー」
「はい、そこで止めて」
「うっ」
一夏が先生に深呼吸を促したと思ったら止めた
パァン!パァン!
二発の拳が一夏の頭を襲った
「グァ!?」
「……先生には敬意をはらえバカが」
「八神の言う通りだ」
先生で遊ぶな馬鹿野郎
「……ぶはあっ!ま、まだですかあ?」
「山田先生も真に受けないでくださいよ」
「山田くんはもう少し頼りがいをつけた方が良いな」
頑張ってくれ山田先生よ
「えっ、えっとですね!来ました!織斑くんの専用機!」
倉持はやはり仕事がダメだなこんな遅くなるなんて兎から既に完成品を受け取っていたのに、既に受けている仕事を放棄するような所はダメだな
「織斑、すぐに準備をしろ。アリーナを使用できる時間は限られているからな。ぶっつけ本番でものにしろ」
「この程度の障害、だんしたるもの軽く乗り越えて見せろ。一夏」
「まあ、強く生きろ一夏」
織斑先生、箒、俺の順番で声を掛ける
「え?え?なん……」
「「「「「早く!」」」」」
一夏以外の声が重なった
その後迅速に専用機〈白式〉に乗せられゲートから一夏は出発した
「お前は見ないのか?」
織斑先生がそんな声をかけてくる
「……結果はほとんど見えてます。オルコットの勝利ですよ」
「何故だ?」
「経験の差、自身のISに対する理解度これだけで十分でしょう。もし勝てるとしてもオルコットが油断してる所につけ込むしかないでしょうね」
「もっともだな」
そして織斑先生は管制室に行った
その後の戦いはまあ、予想どうりオルコットが勝ったみたいだな
「さて、頑張りますか」
「勝ってきてね」
「もちろんだ」
ピットに織斑先生と山田先生が入ってくる
「準備は良いか?」
「はい」
俺は待機状態の指輪であるディ・レギウディアを纏う
「これが八神くんの専用機……」
『……ディ・レギウディア起動……搭乗者確認、八神 依波、照合完了、各種システム・パラメーター共に異常無し。オールグリーン』
ディ・レギウディアのシステム音声が告げる
「カタパルトにつけ」
織斑先生の指示に従いカタパルトにつく
そして機体にチャンネルが入る
『準備が完了した。発射する』
ピットからアリーナへディ・レギウディアは飛び立つ
同時にアリーナにブルー・ティアーズを纏ったオルコットが出て来た
『来ましたわね。わたくしから言う事は一つだけ、負けませんわ』
『……この前の小娘の発言とは思えないな。何があったかは知らないがまあ、いい変化があったとしておこう』
前のオルコットなら見下すような発言をすると思っていたのにな
『これよりセシリア・オルコット対八神 依波の試合を始める。…………開始!』
オルコットはすぐ様に後方に下がりブルー・ティアーズの〈スターライトMk-III〉を撃つ
それに対して俺はコルディクティスで弾く。レーザー兵器程度なら問題なく弾ける。その後続けて放たれるがどれも弾く
射撃が効かない事をうけてか、ブルー・ティアーズの本領が発揮される
「さあ、踊りなさい!わたくしとティアーズの奏でる
オルコットのブルー・ティアーズのBT兵器が4基飛ぶ
それに合わせ俺もビットを飛ばす
「!?貴方もBT兵器を!?」
元々この機体の開発に使われているデータの中にはジ・エゼルディの物が使われている。そしてジ・エゼルディの主兵装はビットである。そしてこのビットはシュミレーションで俺の思考パターンを学習させたAI制御のため俺が出す指示は攻撃か防御か回避かの簡単な物である。
「いけ」
こちらはソードビットを4基、ビームビットを4基出し俺自身はオルコットに対して回り込むように移動を始める
ビット達はそれぞれソードとビームで一組を作り2対1を作り出す
「くっ!」
オルコットはそれに対応する為にビットに集中するがそれが命取りだ。オルコット自身はビットを操作することに集中しこちらに気付いていない。オルコットまで10mほど近付いた時にティアーズの警告で気付いたのかこちらに振り返った。オルコットのビットはオルコット自身が動かす都合によりオルコット自身が動けていない。
「なっ!?なんで動けて!?」
「技術力がちがうんだよ」
実際ブルー・ティアーズを俺が動かしても今のオルコット程の操作は出来ない上にオルコットと同じで動けない。俺のビットはAIによる稼働だからな。
まあ、この距離で気付いても遅いし俺に気を取られたせいで一瞬だけビットの動きも悪くなる。その一種が命取りだ。すぐ様にその隙を付きAIがビットを撃墜する。
「ビットが!」
そして俺はオルコットまでディ・レギウディアの出力にものを言わせて突撃し攻撃加える。
「キャア!?」
二撃三撃と攻撃を攻撃を加え、更に追撃をしようとするが
「ティアーズ!!」
その叫びと共にミサイルビットが至近距離で放たれる
ドカアァァァンッ!!
「グッ!?まさかあの距離で撃つとは」
「あのままやられるよりはマシですわ」
俺とオルコットは爆発によりシールドエネルギーを削られる。思いっきったな。
「……しかし」
オルコットの〈スターライトMk-III〉は大破したようだ。あの至近距離だからな。
「インターセプター!」
オルコットはショートブレードを出す
最後まで諦めないようだな。ならば俺も本気で挑むか。
『セットアップ!ツインスピア!』
マルチギミックサックを使いコルディクティスをツインスピア形態にする。俺は二刀流よりも槍の方が得意だ
「行くぞ!」
「ええ!」
俺とオルコットは撃ち合うがオルコットが劣勢だ。理由は単純、リーチの差と手数だ。あちらはショートブレード1つに対してツインスピアはその両端に刃を備えている為に槍を回すように動かす事で連撃を短いスパンで放てる。長さは言うまでもないだろう。
そして攻撃に対して受け身になっていたオルコットはショートブレードを飛ばされた
「ッ!?しまった!」
「ハァッ!!」
その隙を付いて突きを叩き込む
「カハッ!!」
オルコットは吹き飛ばされてすぐに体制を立て直すがそこにビットを飛ばし足止めをする。そしてその隙に
〈アタックファンクション!グロリアスレイ!〉
複数の槍状のエネルギーがオルコットに直撃し残りのシールドエネルギーを削り取る
『試合終了。勝者、八神 依波』
管制室より音声が流れ試合終了を告げる
次は一夏との対決だ!