不死身の俺は最後を見届けられたい。   作:曇らせ好きの一般男性

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本編
何度目かの最後


「なぁ、相棒。これ、なんだと思う?」

そう言いながら相棒の腕を手に取り、自分の胸に押し当てる。

「何よ、藪から棒に、これっていうのはどれのことよ。」

俺の、私の相棒は私を見下ろしながらそう答える。

 

「へへっ、わかんねぇか、これはな、私のおっぱいだ。」

「意味分かんないし、本当になんで今のタイミングなのよ。」

そう言って、少し、相棒の口元が上がる。

「なんでって、そりゃあ、相棒には笑顔が似合ってるから最後に見たかったんだよ。」

げへへ、と自分でも汚いと思える下卑た笑いをしながら咽る。

 

「最後、なんて言わないでよ。」

先程まで上がっていた口角はすっと下がり、目尻に涙が溜まっていく。

「いいや、最後さ、見ろよ、このでっけー穴、これ空いてる人間が生きていた事例あるか?」

首を起こし、赤黒く、薄皮1枚で繋がった状態の腹部を見る。

咄嗟にアレコレなアレコレのラスボスちっくなアレコレの攻撃から相棒を庇い、その攻撃を一身に受けた結果である。

「嫌だ、死なないで、お願い。お願いだから。」

力強く、しかし、徐々にか細くなっていく言葉に、あぁ私はどれだけこの子に愛されていたのだろう。と改めて実感させれる。

「泣くなって、私は幸せだったし、今もこうして相棒に泣かれるまでには愛されていたんだなって分かったし。」

口に出す言葉は、彼女の願いより掠れていき、開けるのが億劫になった目を閉じる。

「ありがとう。」

自然と、頬が緩む。

最後に伝えようと思っていた言葉を吐いた時、同時に爆音が部屋に響き渡り、こちらに気づいた男たちの忙しない声が聞こえてくる。

(あぁどうやら、来たみたいだな。)

目を閉じていても誰が来たのかは、察しは着いていた。

大方、前線を共にした仲間だろう。

(もうこれで終わりか。)

相棒との楽しかった日々に思いを馳せていると、胸にあった相棒の腕の感触が離れていき。

ヒストリック気味な相棒の声がずっと耳へと入る。

どうやら相棒は仲間に取り押さえられて、私の、俺の身体は持ち上げられ医療室辺りへ持ってかれるのだろう。

(あと、もうひと辛抱だ。)

その思いを胸に、眠りにつく。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「これより、最強にして、勇敢だった。アトリの黙祷を捧げる。黙祷。」

厳重な神父の声と共に、黙祷を捧げる。

暫しの沈黙のあと、私の最愛の彼女を入れた棺桶が土の中へ入っていく。

涙は、出ない。私は、私だけが彼女の最後を知っているから。

「最後にもう一度、国を、世界を救ったアトリに、黙祷。」

胸に手を起き、目を閉じる。

思い浮かぶは彼女の最後の顔。

涙は、出ない。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

(おっしゃ!もう自分に満点あげちゃう!偉いぞ凄いぞ賢いぞ!俺!)

おいっす、俺の名は元アトリ。故あって、アレコレあって元男の現女の元冒険者。

曇らせ大好きな不死身だぜ!

いやぁアトリとしての私は色々あった。

なーにか良い子居ないかなぁって裏路地を歩いてたら蹲ってるみすぼらしい女の子居たから、拾ってアレコレしてたらあっという間に立派な相棒が出来て。

それからカクカクシカジカして最後に目の前でズドンッよ、いやぁ良い顔見せてもらったわ。良心が流石に痛むが必要費として閉まっとこう。

んでまぁ、そんな色々を経験して今!俺は何処にいるでしょ〜。正解は棺桶の中!

つーまーり、俺に関わった奴らは一部例外を除き、死んでると思っている。

てことは、そこから俺が生き返ってくるとは全然これぽっちも思ってない訳だ。

つーまーり、何をするかと言うと、今から俺は自力でこの生き埋め状態から脱し、そのまま関わった者が居ない遠い国へ亡命しちゃおうって魂胆よ。

善は急げ、悪は寝てろ。てことで

(座標、真上の地表。設定完了。いざ!脱出!)

魔術式を設定し、俺の身体は粒子となって地上へ上がっていく。

そうして、地上へ着いたタイミングで魔術式は解かれ、身体は元に戻る。

久方ぶりの新鮮な空気を肺いっぱいに吸う。

 

「グッドモーニング!せか……い。」

晴れやかな心と共に上体を勢いよく起き上がらせる。

そう、起き上がり、目の前の人物を見るまでは心は晴れやかに、健やかだった。

「そう、おはようだね。アトリ。」

私の目の前に座り込む。

素敵な笑顔でこちらを見る相棒。

ステラス・イリアの姿を見るまでは。




電波を受信した勢いだけで書きました。新鮮ですよこりゃあ。
新鮮故に設定、プロット、背景、スッカスカなんですけどね。
変な終わり方してますが、やる気と気が向いた時に続きは書きます。何年後かに。
評判良ければニヤけます。
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