「き、気持ち悪い……」
「クソアマ……おええええ!」
遺跡に着いたが荷車に乗っていた面々は死屍累々だ。
私は一仕事を終え、気持ちが良い。
自分の足で歩かないからこうなる。
「早速潜る?」
「ハァハァ……もうすぐ暗くなるので遺跡の前で野営しましょう。」
「分かった。」
野営は得意だ。自分が寝られる穴を掘れば完成。
ザクザクザクザク、私は穴掘り職人だ。
「……すみません。何をしているんですか?」
「野営の準備。」
「テント張るの手伝ってくれませんか?」
「良いよ。」
テントは張ったことがない。適当に引っ張れば良いか。
ビリビリビリと音がした。
「私じゃない。悪いのはコイツ。」
咄嗟に指を指した。指の先は私の雇い主の商人だった。
「はぁ……やっぱり手伝わなくて良いです。」
「分かった。」
結局、私以外の皆でテントを張ることにした様だ。
その間、私は暇だったので携行食を食べた。
不味い。もう一口。不味い。もう要らない。
「明日は早朝から遺跡に入ります。」
オウとかアアとかハイとか各人バラバラの返事をした。
早起きは得意だ。金属掘り時代は皆より早く起きて金属を叩いていた。
皆がうるせえと言って起きるのがお決まりだった。
懐かしさに浸っていると眠たくなってきた。
もう寝よう。おやすみ。私は外套を頭から被って寝た。
◆
朝起きるとザワついていた。何か起きたようだ。
集まっている皆に話しかける。
「何かあった?」
「何人か居なくなっていまして、どうやら先に遺跡内へ向かった様です。」
「ふーん。」
夜中にガサガサ動く音がしたからそれかな。
急いでも遺跡は逃げないのに、ご苦労な事だ。
「居なくなった人は仕方ありません。今居る人たちで隊列を組みます。」
「エイエイオー。」
私は語り部から教えて貰った一致団結の秘技を披露した。
周りから舌打ちが聞こえる。私以外は一致団結した様だ。
「イカれ小娘と組むのは嫌だぜ、俺は。」
「全くだ。」
「お前だよ!」
「まあまあ、実力は確かですよ。」
「……苛つくがその通りだ。」
どうせ皆で行かないといけないのだ。好き嫌いは忘れた方が良い。
隊列については名前も知らない傭兵が仕切るみたいだ。
私も仕切りたい。ちらっと商人を見たが無視される。
「前衛は小娘1人で良いだろ。中衛と後衛を各2名で遊撃1人かな。商人さんは中衛と後衛の間で指示してくれ。」
パーティなのにハブられている気がする。
まあ良いや。後悔するが良い。全部私が倒してやる。
そしたらお前らの商人からの心象は最悪だ。ざまあみろ。
そんなことを企んでいると出発の時間が来たようだ。
「それでは行きましょうか。」
「ちょっと待って、石ころ拾わせて。」
袋に石ころを詰められるだけ詰める。
「お前が背負ってる立派なクロスボウは何だ?」
「飾り。格好良いでしょ。」
また舌打ちが聞こえた。クロスボウでちまちまボルトを撃つよりも、
石ころを投げた方が強いから仕方無いのだ。だから許してねボス。