盗賊のアジトにテクテク向かう。道中何もないのが却って不安だ。
他の傭兵も不安を口々に言う。
「はぁ、不安だぜ。」
「嫌だなあ。」
皆五月蝿いな。負ける訳無いのに、私がいる方が勝つ。
これは昔の物語でも描かれている事だ。
「そろそろ着くので静かにして下さい。」
「となれば……おらあ!」
「!」
皆で私の口を塞ぎに来た。こいつら皆盗賊か?!
ジタバタする。喋らせろ!
「モガー!」
「静かにしろ。お前は叫びそうだから俺達で口を塞いでおく。」
皆私が叫ぶのが不安だったみたいだ。
助かった。多分あのままだと叫んでいた。
私の魂は熱く燃えているから叫ぶのは仕方無い。
じゃれ合っていると見覚えのある奴らが出てきた。
「あっ、お前らはいなくなった!」
夜の内に消えた人達は3人だったみたいだ。
どうやらこっちに来るらしい。なんで?
ついでに何か喋りかけてきた。
「助かった。俺達だけじゃあ盗賊からお宝を頂けなかったぜ。」
「……」
フンッ!私は3人の腹をぶん殴った。鳩尾に入ったので声も出ない。
この嘘つきめ。お前らが盗賊なんだろ。私には分かるんだ。
横から商人が話し掛けてきた。
「お見事です、パワーさん。彼らも賊の可能性が高い。縛っておきましょう。」
「虫人だから手足千切って逃げるかも。殺そうよ。」
「確かに。殺しましょうか。」
「ちょ、ちょっと待て。盗賊じゃなかったらどうするんだ?」
「何言ってるの?こいつらは盗賊。だから殺す」
「わ、分かったぜ。」
何だか私と商人を見る皆の目が怯えている。
こんなの当たり前じゃないか。分け前も増えるのに何が嫌なのだろう。
ボキ、ボキ、ボキ。3人の首を折る。
何か使えそうな物無いかな。後で死体を漁ろう。
「それでは突入しましょうか。」
「りょうかーい。援護は頼んだよ。」
見張りも居ない様だし、突入することに決めた。
当然、私が先陣を切る。走れ走れ。相手に恐怖を覚えさせろ。
1番偉そうな奴を初めに仕留めろ。
「な、何だおま……」
グチャリと頭を潰す。漸く私に気付いた様だ。
「ヒヒヒ、ヒエッ!」
「は?は?はあ?!」
集団でパニック状態に陥った。
2人目、3人目、4人目、本当に数が多い。援護が遅いな。
後ろを振り返ると商人以外皆殺られていた。
しかし商人強いな。また1人、また1人と倒していく。
「いてっ!」
ガンッ。危ない。余所見してたら私の頭に棍棒がヒットした。
機械義肢は頑強性も上がる。痛いけど弱い攻撃は効かない。
「ひぃ!化け物!」
「ばけもの?!どこ!」
いんがおーほー。棍棒で叩いてきた奴を頭から叩き潰し、周りを見渡す。
化け物はいないみたいだ。こいつは私に一撃を入れて、気を散らした強敵だった。
残りは雑魚だろう。皆殺しだ。
「お、お頭、何で!?」
商人と戦っていた盗賊が何か喚いていた。
おかしら?お菓子、お菓子があるのかここには?!
語り部に聞いたことがある。お菓子は美味しいらしい。楽しみが増えたな。
どうでも良いけど械人はお菓子食べられるのかな。機械なのに。
そう思いながら、辺りを見渡す。
盗賊は後10人くらいかな。さっさと片付けよう。