不毛な戦いが続く。攻撃が当たらないし、効かない。
殴るのが駄目なら蹴りか。
虚実を交えろ。速度を変えろ。相手に息をさせるな。
「っ!」
「セイッ!」
蹴り上げた右足が商人の顎に当たる。
クリーンヒットしなかったか。あれ、商人の動きが鈍ってきた。
当たる当たる。正拳突きが回し蹴りが相手の体に当たる。
「ゴハッ、グエッ。」
「さよなら。」
「ま、まっ……」
グシャリ。必殺のチョップを頭に叩き込んだ。
最高の気分だ。私がチャンピオンです。
◆
死体、死体、死体、死体を漁ると。
金、金、金、金目の物がある〜。
商人は結構貯め込んでた様だ。槍も貰っておこう。
他の死体からは服と武器を奪っておいた。
後は合体虫人の死体も持って帰ろう。頭の良い人に売れそうだ。
町への帰り道は寂しかった。皆死んでしまった。弱いから仕方無いね。
町に着いたので門兵に挨拶する。
「ただいま〜。」
「応!お嬢ちゃん。連れはどうした?」
「死んだ。」
「そうか。良し、通れ。」
いつも思うけど門番の意味あるのかな。少しは気にしろよ。
気になったので聞いてみた。
「死んだことを気にしないの?」
「良くある事だ。聞いたら激昂して襲ってくる奴もいるしな。」
「なるほど。」
門番なりの長生きの秘訣なんだ。
確かに私もいらない事を聞かれたらぶん殴るかも。
そう思っていると門兵が話し掛けてきた。聞かないんじゃなかったの?
「でもよ、1つ聞いて良いか?」
「何?」
「すまねえ。その気持ち悪い死体何だ?手足が……オエッ……」
「知らない。何か襲ってきたから倒した(商人が)。」
「どうすんだそれ?」
「頭の良い人に売れそうじゃない?」
「確かに。あいつらイカれてるから。」
「うんうん。」
頭の良い人はイカれ野郎が多い。
前の町では自分の体に武器を生やしてる人とかいた。
科学の発展のためには犠牲がつきものらしい。
「じゃあ行くね。」
「応!じゃあな!」
門兵に別れを告げて門を離れる。目指すは研究所。
ゴロゴロと荷車を引っ張る。
頭の良い人は研究所に集まって変な事をしている。
舐められたら駄目だ。インパクトのある挨拶をしよう。
「やあやあ!我こそはパワー!町1番の傭兵なるぞ!」
「イカれ野郎が来たぞ。」
「本当だ。今までで1番イカれてる。」
「イカれ野郎!イカれ野郎!」
研究所で熱烈な歓迎を受けた。良い奴らだ。
研究者の1人が話し掛けてきた。
「何の用じゃ?パワ者」
「ぱわじゃ?死体要らない?」
「後ろの奴か?持って来い。」
言われて研究所に入った。何か涼しい。ここに住みたい。
ずるい。ずるいと思っていると研究者が討論を始めた様だ。
「何じゃ虫人に別人の手足が着いてるぞ。」
「面白いのお。」
「ワシらもやってみんか?」
「犯罪者の虫人と甲人を町長から買って来い!」
ワイワイガヤガヤ。私は蚊帳の外だ。
議論は白熱している。その前に報酬をくれ。思わず話しかける。
「報酬くれ。」
「何じゃまだおったのか?」
「何が欲しい?」
「ここに泊めて。涼しい。」
「良いぞ。奥に寝泊まりする部屋がある。」
言ってみるもんだな。誰かに盗られない様に荷車から戦利品を
回収して私は部屋に向かった。ジャンク屋に行くのは明日で良いや。
涼しい部屋で寝転がったら全てがどうでもよくなった。