朝がきた。私は飛び起きジャンク屋に向かう。
金貰ったら携行食を買って町を出るんだ。金属掘りはもうしないぞ。
まずはおっさんに挨拶だ。
「頼もう。」
「応!嬢ちゃんか。査定終わってるぜ。」
木の板に査定額が書かれている。ウハウハだ。
査定に出したもので何か欲しいものが無いかおっさんが聞いてきた。
「何か欲しい物はあるか?」
「全部要らない。」
嵩張る物ばかりで私には不要だ。背負袋があればそれで良い。
しんぷるいずべすとと語り部も言っていた。
「後よ、嬢ちゃんが盗賊殺した事を兵士に言ったら、嬢ちゃんと話したいって言ってたぜ。詰所行ってもらって良いか?」
「面倒だなあ。分かった。行くよ。」
何の話だろう。金くれるのかな。話終わったら、さっさと町を出よう。
長居すると強制労働させられそうだ。
考え事をしている間に衛兵の詰め所に到着。まずは挨拶だ。
「こんちは。」
「誰だ嬢ちゃんは?」
「盗賊殺した。」
「嬢ちゃんがか?!見かけによらないな。」
会う人、会う人、見かけによらないと言ってくる。
失礼な事だ。見るからに強そうだろ。
腹が立つので要件を早速聞いた。
「で、何の用?」
「それがだな……おーい!皆集まれ!」
「は?」
私は兵士に囲まれていた。何で?ほわい?
誓って盗みはしていない。衛兵が口を開いた。
「一連の傭兵殺しの疑いで逮捕する。」
「は?」
「一連の……「そこじゃない。」」
「傭兵殺し?私が?」
あ、やってるわ。傭兵殺し。商人殺しちゃった。
一連のは意味不明だけど。傭兵に詰め寄られる。
「お前が盗賊なんだろ。」
「違うけど。それに傭兵は1人しか殺ってないよ。」
「嘘はついて無さそうだな。」
「博打で毟り取られる様な女ですからね。」
何で知ってる。
「お前が町に来てからの事を調べさせて貰った。」
「なるほど。」
しかし妙だな。誰が嘘の報告をしたんだろう。
一応聞いてみるかあ。
「誰が報告したの?」
「3日前に商人風の男が報告してきた。」
「そいつもう殺したよ。盗賊って言ってた。」
「んだよ、勘違いかー?死んだ奴の報告で捕まえてもなあ。」
「取り敢えず捕まえようぜ。」
「そうするか。」
何でそうなる。ここは解放する流れだろ。
何とか説得しないと。
「いや、おかしいでしょ。」
「悪いな嬢ちゃん。点数稼ぎだ。」
「えーっ!」
何だコイツら。盗賊より、よっぽど盗賊してる。
起死回生の一手は無いか。そうだ金だ。
「金、金払うから釈放して。」
「金は貰うし釈放はしない。」
「釈放しないと暴れる。」
「……分かった。お前は捕まったが釈放金を払って釈放された。」
交渉成立だ。良かった。良かった。
良くないけど。次の町に行くには路銀が心許ない。
せめて携行食を買うお金は残してもらいたい。
「携行食?詰所の持ってけ。不味いから誰も食べねえ。」
「やった。」
携行食を横流しして貰った。
これで町の外に出られる。旅を続けられる。
そうだ、これだけは聞いておこう。
「ちなみに捕まったらどうなってたの?」
「金属掘りで強制労働。」
私を売ったのは商人ではなく金属掘りの虫人の気がした。
もう関わりたくない。早く町を出よう。