アレルヤ   作:おもちぴん様

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3章 血河(ちいかわ)
3章 1話


 道に迷いました。

クソったれな虫人の町を飛び出したのは良いけど、絶賛迷子中だ。

川はどこだ、川はどこだ、川はどこだ。

金払うから教えて欲しい。確かあっちから来たから……あれ?こっちか?

分からない。私はどこだ?

 

「アアアアアアアアア!」

 

 大声で叫ぶ。メンタルリセットだ。

横から話し掛けられてるみたいだが無視だ。

 

「あのう……」

「アアアアアアアアア?」

「もしもし?」

「アアア?」

「すみません……」

「何?」

「喋れたんですね。」

「当たり前だ。」

 

 誰だコイツ。急に出てきた。ちょうど良い、道を聞こう。

 

「川はどこ?」

「川ですか?あちらの方角ですよ。」

 

 あっちでもこっちでもなくてあちらだった。

危なかった。余計に迷うとこだった。

そう思っていると話し掛けられる。

 

「もう遅いですから私達の集落に来ませんか?」

「集落?」

「はい。ご飯と寝床もありますよ。」

「行く。」

「はい。行きましょうか。」

 

 あれ?町以外の集落は気を付けろって誰か言ってた気がする。

えーと……無政府主義者だ。無政府主義者。

こいつもそうなのか。思わず声に出す。

 

「無政府主義者か?」

「は?あんなのと一緒にしないで下さい。」

「そう。」

「鉄十字教です。十字の下に人は平等なのです。」

「ふーん。」

 

 あっ!平等主義者!飯と寝床あるって言うし、一晩だけなら良いか。

泊めてくれた恩に、力の下に人は平等と言う事を教えてあげたい。

 

 

 そいつの案内で集落に到着した。門兵に挨拶している。

いつまでもそいつじゃ可哀想だ。案内人とでも呼ぶかな。心の中で。

 

「戻りました。」

「応!後ろの奴は誰だ?」

「迷い人です。」

「集落に入れて大丈夫か?」

「大丈夫。」

「……お前に聞いてない。まあ、大丈夫そうだな。」

 

 私は大丈夫らしい。当たり前だ。さっさと飯を持って来い。

飯を待っていると案内人から話し掛けられる。

 

「来て早々すみません。水汲みして頂いても?」

「任せろ。」

 

 ガラガラと滑車が鳴る。サービスだ。沢山汲んであげよう。

よいしょ、よいしょと水を汲む。案内人は笑顔だ。

 

「おお、ありがとうございます。水汲みは重労働でして。」

「力仕事は得意。」

 

 結局、樽5杯分くらい水汲みした。

そんなこんなで働いていると飯の時間が来たようだ。

 

「ご飯にしましょう。」

「やった。」

 

 広場に大きな鍋がある。あそこで煮炊きしてるみたいだ。

今日のメニューは何だろう。案内人に訊ねる。

 

「今日は何?」

「肉と野菜を煮たものです。」

「肉!」

 

 皆1列に並んでいる。私も後ろに並ぶ。早くしろ。

配膳のババアに皿を突き出す。

 

「あんたが客人だね。はいお食べ。」

「肉くれ。」

「はいはい。」

 

 肉沢山。何の肉だろう。旨ければ良いか。

たまらん。お代わりは出来るかな。

 

「お代わり。」

「1人一杯までだよ。」

「は?私は客人だぞ。パワーさんだぞ。」

 

 お代わりくれないと暴れるぞ。私は肉食獣だ。

駄々を捏ねていると案内人が助け舟を出してくれた。

 

「すみませんがもう一杯あげてください。水汲み頑張って下さいましたし。」

「やった。」

 

 結局5杯お代わりした。話せば分かるじゃないか。

食後の一服はたまらない。パイプを吹いていると話し掛けられた。

 

「パイプですか?良いですね。」

「はい。」

「……ありがとうございます。欲張りな人かと思ってました。」

 

 パイプを吸いながら案内人が言う。

欲張り?私は人より沢山食べられるだけだ。断じて食いしん坊ではない。

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