命を刈り取るために拳を繰り出す。止められた。
え、これは予想外だ。思わず声が出る。
「は?」
「効かねえぞ新入り!」
2号の拳が私の頬に刺さる。ゴロゴロゴロゴロ、私は吹き飛ばされた。
筋力全振りの脳筋だ。アホだけど強い。悪態をつく。
「クソ野郎。」
「掛かって来いよ新入り!」
鉄十字教強いです。生言ってすみませんでした。
こう言う時は雑魚から片付けるのが鉄則。アホに話しかける。
「ちょっと待ってて。」
「何だ?」
隙有り。2号の横を通り過ぎ広場に突入。目についた奴に拳を打ち込む。
いち、にい、さんしのご、5人は殺った。2号が戻って来たから戦闘再開。
回し蹴りを途中で変化させ踵落としを放つ。腕を交差させて防がれた。
反動で2号から離れる。2号が叫んだ。
「やるな新入り!」
「どうも。」
地味な殴り合いが続く。致命傷を避けて殴る、殴る、殴る。
相手も殴る、殴る、殴る。楽しい。楽しい。楽しい。生きてるって感じがする。
終わりは唐突に来た。
「グエッ。」
「押忍!新入り!」
鳩尾に拳が入る。呼吸が出来ない。
ヤバい、ヤバい、負ける、負ける。呼吸を整えろ。時間を作れ。
イチかバチかでたいむを要求するか。
「た、たいむ。」
「?休憩か新入り!」
アホで助かった。あークソ、痛い。腹立つが戦闘の経験値が溜まっていく。
呼吸を整えていると後ろから声が聞こえた。
「そこまでです!」
「すまねえ…捕まっちまった。」
振り返ると皆捕まっている。不味いな。
どうしようと思っていると2号が動いた。
「水差しやがって!」
「え?!ちょちょちょっと?!あなた味方ですよね?!」
捕虜を捕まえた信者に向かって突っ込む。2号が。
あ、信者が殴り殺された。私も行こう。
「新入り!こいつら片付けたら続きだ!」
「おう。」
ものの数分で信者を蹴散らした。ついでに捕虜の縄も解く。
何で助けてくれたのか訊ねる。
「信者じゃないの?」
「信者だが、その前に戦士だ!新入り!」
「ふーん。」
2号は誇り高いアホだった。都合が良いかも。
共闘を持ち掛ける。
「また邪魔されるかもだから先に片付けない?」
「そうだな!新入り!」
コントロール方法が分かってきたかも。
そうと決まれば、お片付けの時間だ。
◆
集落を大体回ったので合流する。進捗どうですか?
「大体片付いた?」
「そうだな新入り!」
「教祖と側近が見つからないっす。」
「居場所分かる?」
「緊急の避難所があるからそこだと思うぞ新入り!」
「いくぞ。えいえいおー。」
鉄十字教は皆殺しだ。これは確定事項。2号も殺す。
負けっぱなしは性に合わない。
そんなことを考えているうちに避難所だ。まずは挨拶。
「お邪魔しまーす。」
扉をぶち壊して避難所とやらに入る。案内人も居るな。
結構偉い人なのかもしれない。そう思っていると話し掛けられた。
「ヴァーチャーさん、何でそちら側にいるんですか?!」
2号の名前はヴァーチャーと言うらしい。
アホじゃなかったのか。2号が案内人に答える。
「戦いの邪魔をされたからだ側近!」
「な、何を言って……」
「とう。」
案内人は側近だったみたいだ。お礼にチョップを頭に叩き込んであげた。
避難所の壁に血の花が咲く。教祖はブルブル震えてる。
怖くないよ。ちょっと痛いだけだ。