教祖はブルブル震えている。
肩を指で押してやるともっと震える。面白い。
ツンツン、ツンツン、ブルブル、ブルブル。
捕まっていた人から催促された。
「姐さん、さっさとやりましょう。」
「うん。」
正拳突きを教祖の頭に叩き込む。新たな血の花が咲く。
問題は2号だ。勝てるビジョンがまだ浮かばない。
そう思っていると2号から話し掛けられる。
「続きだ新入り!」
「うん。」
ここで死ぬのか。いや、死の際でこそ人は成長する。
やってやる。ヤッテヤル。殺ッテヤル。
正拳突きを放つ。右手で防がれる。正拳突きが放たれる。左手で防ぐ。
裏拳、回し蹴り、肘鉄、やって、やられて、やられて、やられて。
私の体は満身創痍だ。強い、強い、強い。
小細工を弄しても勝てそうに無い。小細工無しの単純な、只々原始的な一撃を入れてやる。
息を整えていると話し掛けられた。
「もう終わりか新入り!」
「ふぅ、はぁ……次で終わりにしよう。」
「応!思い切り来い新入り!」
右の機械義肢に力を込める。2号も右で来るようだ。
必殺の一撃を放つ。放たれる。
「は?」
思わず声が出る。2号は半身で避けてから殴ってきた。
左腕に拳が刺さる。肘から下が吹き飛んだ。痛い、畜生。
勝ち誇る2号。無様にやられた私。
「俺の勝ちだ新入り!」
「クソ。」
左腕を拾ってきたけどグチャグチャだ。
代わりの腕を探さないと。お前も一緒に探せ。
「一緒に腕探して。」
「良いぞ新入り!」
終わればノーサイド。私が勝ってたら殺してたけど。
使えそうな腕、腕、左腕。2号が良さげな死体を見つけた様だ。
「これとかどうだ?新入り!」
「見せて。」
械人の死体だ。気付かなかった。械人が宗教って面白いな。
笑ったら駄目だ。あいつらも人だ。機械義肢に近いけど繋がるのかな。不安だ。
2号が後押ししてきた。
「面白そうだしやってみようぜ新入り!」
「やるか。」
械人の左腕を切断。ついでに私の左腕のグチャグチャ部分を切断して整える。
捕虜だった人達はゲェゲェ言ってる。
死活問題なのだ。血は止まるけど、腕は生えてこない。
10秒くらいくっつけていると、繋がる感覚があった。
試しに左腕を動かしてみる。動く、動く。
前からそうだったみたいに動く。
「繋がった。すごい。」
「やってみるもんだな新入り!」
感謝感謝。さてどうやって殺すか。今は無理だ。
別行動すると次に会えるのが何時になるか分からない。
先手を打っておこう。
「取り敢えず、皆で町まで行こうか。」
「あ、ああ、お願いするぜ。」
「俺も行ったほうが良いか新入り!」
「うん。あと、私のことはパワーって呼んで。」
「分かったぜ新入り!」
「……」
夜歩くのは危険だから、明日の朝に出発しようという事になった。
朝までに使えそうなものを荷車に積んでいく。
荷車に荷物を積みながら、捕まっていた人達のリーダー格の人に
町に着いた時の説明を頼んだ。二つ返事で了承された。
そういえば門番1号忘れてた。明日の朝起こしてあげよう。
こうして夜は更けていった。