「よいしょ、よいしょ。」
金目のものを鉄十字教の建物から集める。
ジャンク屋に持って行き旅の資金にするのだ。
服は売れるかな。血だらけだから1回洗わないとだな。
只々面倒だ。
「終わったッスか?」
入口から話し掛けられる。
「終わったよ。」
「よっしゃあ!パワーさんが勝った!総取りッス!」
「クソが!絶対ヴァーチャーが勝つと思ったのによお。」
「は?」
こいつら私達の勝敗で賭けてやがった。
私にも分け前をくれ。
「分け前。」
「仕方無いッスねえ。」
「仕方無く無い。」
当然の権利だ。良いじゃないか総取りなんだから。
私が負けてたら貰え無かったんだぞ。
「そうだ小娘、町長の依頼受けてくれねえか?」
「依頼?話によるけど。」
「十字野郎の武器とか服の回収代わりにやるから頼む。」
「先に言え。」
話には順序ってものがあるんだ。私がせっかちさんだったらどうするんだ。
「猫と言う動物を探して連れてきて欲しい。」
「ねこ?何それ。」
「書物によると、虎の小さい版で大人しいらしい。」
「絶滅してるよ。」
「それがだな、町長のとこに1匹いるんだよ。どこぞの傭兵が持って来たらしいぜ。」
「どこぞの傭兵に頼みなよ。」
「お前が殺したっぽいぞ。」
「ワタシシリマセン。」
不可抗力だ。鉄十字教とつるむから悪い。
私は殺ってない。冤罪だ。
「傭兵1人殺したのをとやかく言う気はねえよ。」
「助かる。」
「じゃあ頼んだぜ。」
「じゃあじゃ無いが。」
「頼むぜ〜。道案内も居る。」
「そいつに頼めよ。」
「そいつは弱いんだよ。殺した傭兵のコレだ。」
兵士は小指を立てる。女連れの傭兵とは世も末だ。
そんな奴は早死する。あっ、私が殺したわ。
「行くから、携行食ちょうだい。」
「行ってくれるか!良いぜ。クソまずいから沢山余ってる。好きなだけ持って行け。」
「外行く時は何食べてるの?」
「兵士になってから外行ったことねえな。」
「じゃあ何に使ってるの?」
「イタズラとか罰ゲームだな。」
「ひどい。」
思ったより酷かった。要らないじゃん携行食。
毎年、念のため買っているのに加え、保存が効くので増える一方らしい。
そうこうしていると後ろから声が聞こえてきた。
「道案内の人連れてきたッスよ。」
そうッスか。連れてきたッスか。ご苦労ッス。
振り返って案内人の顔を拝む。
「男じゃねえか。」
「傭兵の同性愛者は珍しくないッスよ。」
「お、お願いします。」
「それに、この人可愛い系ッス。俺と付き合うッス。」
「黙れ。」
可愛い系の男がパーティに加わった。
猫探しの旅が始まる。どうか近場であります様に。
私は居もしない神に願った。