4章 1話
私達は町を離れ、川の方角と逆方向に進む。
猫という動物を捕まえるのが今回の仕事だ。
これも世の為、人の為。決して血だらけの服や武器を洗うのが面倒だからじゃない。違います。
「待って下さいよお。」
「遅いぞ。」
道案内の奴はとにかく貧弱だ。良く生きてこれたものだ。
私が出会ってきた人達と違うタイプだ。
しかし、このままだと時間が掛かり過ぎる。
背負って……だめだ。背負袋が潰れる。担ぐか。
「よいしょ。」
「きゃあ!」
きゃあじゃないが。案内人が私より可愛い声を上げる。
こいつ本当に男か?男型の女じゃないか?
「えい。」
「きゃあ!何するんですか!」
「ち○こあるか確認した。」
「ありますよ!」
あるんだ。本当かなあ。私の方が着いてそう。
確認しよう。……着いてなかった。
そんなことより。
「本当に猫居るの?」
「居ますよお。僕が見た時は沢山居ました。」
「ふーん。」
沢山居るなら個人的に1匹くらい貰おう。研究所に売りつけてやる。町長が興味津々なら高く売れるでしょ。
虎の赤ちゃん沢山捕まえて騙そうかな。
「悪いこと考えてます?」
「考えてます。」
ダラダラ話してるとニャーっと声がした。
町の外名物虎だ。相変わらずモフモフしてる。可愛いのか?
「がおー!」
「!?」
「凄いです、パワーさん!虎が引いてます!」
戦いはビビった方の負けだ。私の勝ち。
あっ、腹見せてゴロゴロ言ってる。
「にゃー。」
「何これ。」
「服従の姿勢ですね。パワーさんを主人と認めてます。」
「赤ちゃん寄越せ。」
「にゃー。」
言葉は通じないが心は通じる。多分。
住処まで連れて行って貰おうか。
「えっ!着いて行くんですか?」
「うん。」
「猫はどうするんですか?」
「虎で良いでしょ。」
「良くないですよ!」
ぎゃあぎゃあ五月蝿いなあ。渡したらすぐに町から出るから、その後の事は知ったこっちゃない。
「ハズレ(虎)の中にアタリ(猫)があった方が良くない?」
「良くないです。」
そんなこんなで虎の住処に到着。
周りには沢山の虎。謀られた。このパワーの目を持ってしても見抜けなかった。
「どうするんですか!もう!」
「こうする。」
案内人を地面に置き、両腕を上げて、体を大きく見せ、殺気を漲らせる。
「がおー!ぶち殺すぞ!にゃんコロ!」
「「「「にゃあ。」」」」
はい、終わり。皆お腹を見せてゴロゴロ言ってます。
平和的解決法。皆もやってみよう。
「凄いですけど、人の尊厳ゼロですね。」
「がおー!」
五月蝿い。勝ちゃあ良いんだよ勝ちゃあ。
早く赤ちゃん貰って帰ろう。