「はじめまして。そしてさようなら。」
挨拶は大事。近くの兵士の頭を潰す。あーあ、また血塗れ確定だ。案内人に洗わせようかな。
「おま、おま、お前は……」
「パワーです。」
股間を蹴り上げる。蹲る。蹲った兵士の足を持って、体ごと周りの兵士に叩き付ける。威力はイマイチだ。討ち漏らしがあるといけないから殴ろう。
「全員で掛かれ!」
「おう!」
時間を掛けていたら体勢を建て直された。即席の槍衾だ。私には関係ないけどね。こっちから行く手間が省けて楽だ。
槍衾を掻い潜り兵士の懐に。武器に頼るから駄目なんだよ。拳と拳のぶつけ合いでしか分からない事がある。君らは分からずに死ぬんだけどね。
「ば、化け物……」
「他愛もない。」
片付いた、片付いた。兵士は合計で何人居たんだろう。グチャグチャで分かんないや。ひとまず荷車のところに戻るか。
「おかえりなさあい。」
「ただいまあばばば。」
狼が凄い勢いで飛び掛かって来た。ベロベロ舐められる。返り血を舐めてる。やめ、やめ、やめんか!
掴んで地面に押さえつける。反省した様だ。
くんくん言ってる。
「兵士さんはどうでしたあ?」
「見たら分かるでしょ。」
変なところで鈍いな。殺してきたから血塗れなんだよ。
ピチピチして気持ち悪いな。服を脱いで絞るか。
「ちょっとちょっとお!何脱いでるんですか?」
「減るもんじゃないよ。」
案内人があたふたしている。私の美しい肢体を見せつけてやる。永久保存版です。
服を絞った血は狼が舐めてる。可愛いかも。
「そ、そう言えば何でパワーさんは名前で呼んでくれないんですかあ?」
「名前知らないし、覚える気がない。」
「アンゲルで……」
「興味ない。」
「呼んでくれないと泣きますよ。」
「どうぞ。」
泣いても助けてくれる奴はいないよ。無駄だ。
……イテテ、狼が噛み付いてきた。加減して拳骨する。
私が主人だ。従いなさい。こいつ殺した方が良いかも。
「あっ!今殺そうと思いましたあ?」
「オモッテナイヨ。」
「パワーさんになら殺されても良いですよお。」
ゾゾゾ。背筋に冷たいものが走る。殺すのは辞めておいてやる。ここに置いて行っても、地の果てまで追いかけて来そうだ。面倒だけど町まで一緒に行くかあ。
後、さっきから体をベタベタ触るの辞めてほしい。
「離して。」
「えええ、もっと触らせて下さあい。」
「離せ。」
「うーん、残念。」
本当に残念そうだ。報酬渡してからベッタベタだな。
強突く張りめ。町についたら柱に縛り付けてサヨナラだ。
「早く行きましょうよお。」
「うん。」
町長の処刑法が思い付かないから、ゆっくり荷車を牽く。私が町に着いたときがお前の最後だ。