結局、熊の腕を傷つけずに殺すことが出来たらやってみようという事になった。
熊が出たら、私は迷わず腕を狙う予定だ。
熊の被害(熊害というらしい)は、甚大で家畜が結構やられているらしい。
この町は牧畜というのをしている。肉を安定供給するためだとか。
臭いが酷いので町の外でやっているらしいが、この町の町長は偉い。
肉の安定供給の事を考えているなんて。
今まで見聞きした中で2番目の偉人だ。1番は私だ。
「熊出ないね。」
「あいつら頭良いんだよ。」
「そうなんですよ。逃げる度に賢く、強くなります。」
多分255回で完成する。最強熊の誕生だ。
体は町よりも大きく、そのパンチは城壁を砕き、吐く息は川を焼く。
ここで殺さないと世界は滅亡する。
「お楽しみのところ悪いのですが熊が来ました。」
「!?任せろ!世界は私が守る。」
トウッと私は跳ね起き熊の前に飛び出した。
まずは力比べだ。手4つで組み合おうとするが熊がデカくて出来ない。
そもそも熊はそんなことをする気が無い様だ。
ベアクローが私の頭上に振り下ろされる。
両腕で受け止める。すごい力だ。膝が折れそう。
「何で正面からやるんですかー!」
「アホー!真面目にやれ!」
お前らが戦え。後ろからヤジを飛ばしてくる外野にイライラしながら、熊と向き合う。
熊公、お前が力で来るなら、私も力で対抗してやる!
正拳突きを熊目掛けて放つ。熊は左手で止めようとする。しめた!熊の腕を破壊できる。
ボンッと音がして熊の左腕は破裂した。どんなもんだ。これがパワーさんの力だ。
「腕がー!」
「よくやった!」
その流れで右腕も破壊する。熊は虫の息だ。止めにチョップを脳天から喰らわせた。
まずは1頭。まだ沢山いるらしい。私が飽きるのが早いか熊が尽きるのが先か我慢比べだ。
「ちょっとパワーさん、なんで腕から攻撃したんですか!」
「流れで。」
「もう!気を付けてくださいよ!」
「ウス。」
イカレ野郎には塩対応に限る。もう1人のおっさんがまともじゃなかったら私は暴れていた。
おっさんはまともだ。でもこいつを私に押し付けているクソ野郎だ。
酒は奢ってもらったけど足りないぞ。
「ヨシ、肉と毛皮に分けたぞ!」
「早い。何者だお主。」
「へへへ、しがない熊ハンターよ。」
おっさんは優秀だな。私とイカレ野郎が話している間に皮を剥いでいた。
私も教えてもらおうかな。
「次に熊仕留めたら、皮の剥ぎ方教えて。」
「ああ良いぜ。そのアホの皮でも剥ぐのか?」
「いいね。」
それも悪くなさそうだ。早く次の熊来ないかな。
そう思いながら、私は鼻歌を口ずさんだ。