アレルヤ   作:おもちぴん様

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5章 3話

 それから熊の襲撃が5回くらいあった。数頭まとめて襲い掛かってくるのもあって、

正確な数は覚えていない。あまりにも襲撃が多いから、困ったことに両腕が無傷の状態で熊を殺してしまった。

 

「いやったー!熊腕だー!」

「ヤッター。」

「馬鹿!早く腕をぐちゃぐちゃにしろ!」

 

 無理だ。熊の腕を前に目が逝っている奴から熊の腕を奪うのは怖い。

お前がやれ、いや仕留めたお前がやるべきだみたいなやり取りをしていると、

イカレ野郎から話しかけられた。

 

「パワーさん、早速お願いします!」

「嫌だ。町でやろう。」

「えーお預けですかー!パワーさんのイケず!」

 

 腹立つなこいつ。やっぱりここで皮を剥いだ方が良さそうだ。

熊に食われたことにすれば問題ない。早速やろう。

 

「あっ!新しい熊です!」

「チッ、運の良いやつめ。」

「何かデカくねえかあの熊。」

 

 山の様にデカく見える熊が近づいて来ている。今まで、私の倍くらいの大きさだったけど、

今回の熊は3倍くらいある。

 

「サンパチだ……」

「サンパチ?」

「オソ38、伝説の熊です。」

 

 おっさんと2人顔を見合わせる。完全に頭がイカレたらしい。

真剣な顔で伝説って、ぷぷぷ。面白すぎて腹を抱えて転げ回る。

あれ、陰ってきたな。今まで雲1つない快晴だったのに。

見上げればでけえ熊、クマハチだっけ?でけえ。やばい逃げよう。

 

「まじでやべえ!」

「うおー興奮してますよ!私は!」

「逃げるにはおとりが必要だ。」

 

 私とおっさんは顔を見合わせる。足払いをイカレ野郎改めクマキチに喰らわせる。

避けられた!私とおっさんの足が絡まる。2人でこけた。

 

「甘いですよ!お二人とも!」

「クソ野郎!」

「クマキチ!戻ってこい!皮剥いでやる!」

 

 前門のイカレ野郎、後門の熊、絶体絶命だ。私は覚悟を決めた。

突撃だ!私は防御を捨てて、熊に体当たりを喰らわせた。ボヨン。柔固い。

あまり効いてないようだ。熊は当然怒っている。

 

「許して。」

「グオオ!」

 

 返事の代わりに熊パンチが飛んできた。後方に飛んで何とか避ける。

あの時遺跡で会ったロボットより絶対に力が強い。

足も速いし、世界最強かもしれない。

 

 おっさんとクマキチは遥か向こうだ。後で会ったら皮を剝いであげよう。

またパンチだ。私も機械義肢のパンチで迎撃する。熊パンチは振り下ろし気味で重い。

腕は無事だけど肩がイカレた。強すぎる。熊も痛がってはいるが怪我はしていない。

勝てない、逃げなきゃと思っていると熊が帰りだした。危ねえ。

 

 賢い熊で良かった。安全に勝てないなら逃げるのね。

そう言えば、クマキチが、熊は逃げる度に賢く、強くなるって言ってた気がする。

まさかね。私もさっさと町に帰ろうっと。右肩はそのうち治るでしょ。

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