アレルヤ   作:おもちぴん様

49 / 82
5章 5話

 準備は出来た。後は熊を待つだけだ。私はバリスタが撃ちたくて堪らないので、

バリスタの近くで寝転がっている。暇だ。

 

「あんた素手で熊殺したんだって?」

「うん。余裕。」

「普通は槍とか斧で殺すんだけどな。」

「槍か。でかい槍とかない?」

「バリスタのボルトならあるけどよ。何に使うんだ。」

「熊に突き刺す。」

「あー、槍使った方が良くねえか?」

「デカい熊対策。」

 

 そうかー、とバリスタ射手が両手でバリスタボルトを渡してきた。

でかい重い鋭いの欲張りボルトだ。耐久性もありそうだから、振り回しても使えそうだ。

それにしても、皆ピリピリしている。確かにあの熊はでかいけど、これだけ人数がいて、

準備もしているから余裕で殺せると思うけどな。

 

 暗くなってきた。熊はまだ姿を見せない。篝火が灯された。煌々と即席の陣地が照らされる。

眠くなってきた。寝ようかな。ピリピリ感も薄れてきて良い事だ。気が緩んでいるとも言う。

こういう時を狙って攻めると効果的だと語り部に教えられたな。

 

「熊だー!熊が出たぞ!」

「なにー!どこだ!」

 

 皆てんやわんやだ。私はバリスタを守ることに専念する。動くのが面倒とも言う。

熊は20頭くらいだ。私が命からがら逃げたでかい熊はいない。

頭を叩けば、熊は賢いから逃げる筈なんだけど。何処にもいない。

あっ、熊愛護野郎がやられた。バリスタを放て。放てない?

 

「何で撃たないの?」

「巻き取り機構が壊れて弦が張れねえ。」

「ふーん。」

 

 代わりに私が弦を引っ張る。セット完了だ。射手は驚いている。

もたもたしている隙に私が撃つ。熊愛護野郎の死体にヒットする。やったぜ。ざまあみろ。

いてっ。拳骨された。なんで?

 

「アホ!無駄撃ちしやがって!もう1回セットしろ!」

「はい。」

 

 もう一度弦を張る。熊はもう射線にいない。顔を見合わせる。

責められてる気がしたので、バリスタから離れることにした。

熊狩り、熊狩り、楽しいな。

ボルトは最後の砦なので、地面に突き刺して、近くにいた熊の頭をチョップで潰す。

いちいち、飛び上がらないといけないから大変だ。

周りの人も人数差を活かして熊を狩っているが被害は甚大そうだ。

混乱は広がるばかり。熊強いからな。仕方ないね。

 

「何かデカいの来たー!」

「ああん……本当だ!でけえ!」

「あれは無理だな。」

 

 あっデカい熊だ。混乱に乗じて来やがった。賢いレベルを超えてるぞ。

中に人間が入ってそうだ。私も入って大暴れしたい。

 

「おいっ!小娘!突っ込め!」

「は?」

「良いから突っ込め!」

「突っ込め!」

 

 突っ込めの大コールだ。絶対に嫌だ。

ボルトを地面から抜いて熊がこっちに来ないように振り回す。

こっち来た。どうやら私の事を覚えているらしい。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。