アレルヤ   作:おもちぴん様

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6章 3話

 今日はメインイベントだから出番は後のほう。

酒を飲みながら待つ。準備運動の代わりに踊る。

兵士が呆れ顔で見ている。

 

「メインイベントなのに大丈夫か?」

「よゆう。酒飲みながらでも勝てる。」

「勝ったら駄目だろ。」

「そうだった。」

 

 勝ったら駄目だった。今日の台本はベビーフェイスの勝ち。それだけ。

毎回思うけど、もっとこう試合の流れとか書いて欲しいな。

 

「パワーちゃん、出番よお。」

「うす。」

 

 酒を飲みながら入場する。入った途端ブーイングだ。

要望にお応えして、手を振り返す。

開始位置まで来た。手を縛られる。毎回ご苦労さまです。

 

「きゃー!エル様ー!」

「やったれ!」

「ぶち殺せ!」

 

 黄色い声援が聞こえる。人気だな、何とか君。

1人だけ個室で好きなものが食べられるらしい。許せん。

 

「君がパワーだね。悪党は成敗するよ。」

「ふーん。」

 

 成敗されます。試合開始の合図の前に前蹴りで腹を蹴る。

鳩尾は避けといた。倒れたら終わりだ。前のめりに倒れる。

審判を見る。困り顔だ。審判に話しかける。

 

「いくら何でも弱くない?」

「しっ!ちょっと離れてろ。」

 

 審判が倒れた何とか君に近づいて確認する。

やっと立ち上がった。元気そうだ。

 

「卑怯者め!許さないぞ!」

「すみませんでした。」

「えーと、試合開始!」

 

 試合が始まった。取り敢えず全部の攻撃を受ける。

効いた振りをしないと。

 

「イタイー。ヤメロー。」

「ハッハッハ!効いている様だね!」

 

 虎先生、上手い負け方を教えて下さい。

演技派と言われた私をここまで苦戦させるなんて恐ろしい奴。

よろけたと見せかけて頭突きを腹に当てる。

やべっ、さっきも腹に攻撃したんだった。大丈夫かな。

大丈夫じゃないっぽいな。

 

「ウワー。アタマガワレルー。」

「……おい、エル、立て。」

「痛いよ。痛いよ。」

「立て阿呆!」

 

 審判がキレて無理矢理何とか君を立たせる。

私は頭が痛い振り。凄い大変だ。早く終わってくれ。

 

「喰らえ!」

「ウワー。ヤラレター。」

 

 腹を殴られたので倒れた。これで終わりだな。

帰って酒飲もう。自棄酒だ。

 

「勝者エル!」

「ハッハッハ!当然だ!」

 

 勝者が決まったので、よっと腹筋だけで立ち上がる。

帰ろう。帰ろう。さっさと帰ろう。

試合は終わったのにコロシアムは静まり返っている。

何でだろう。

 

「八百長野郎!金返せ!」

「真面目にやれ!」

「パワー!いつもみたいにやれ!」

 

 降り注ぐ罵声と物。やって良いのかな?

審判を見る。頷いている。よし。やるか。

慌てている何とか君に飛び蹴りをお見舞いする。

吹っ飛んで転がった。私も腕が使えないから転がる。

はね起きて、蹴りを喰らわす。伸びたかな?

 

「勝者パワー!」

「踊って良い?」

「駄目だ。早く帰れ。」

 

 ファンサービスは拒否された。まあ良いや。

これで私も人気者。個室が用意されるに違いない。

 

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