私の目の前には沢山の道具が転がっている。
どれもこれも使えそうな道具だ。どれを選んでも良い気がしてきた。
「ハッハッハ。悩んでるな。」
「五月蝿い。気が散る。」
「まあ、ガラクタは無いから気楽に選びな。」
町の外のことを考えるんだ私。
壁が無いから砂嵐が来たら目も開けられないだろうな。
まずはこのゴーグルだ。
「お!それは当たりだ。」
いちいち五月蝿いな。……ものを持ち運ぶには袋だけだと大変だ。
町に来ている傭兵は大体が背負袋を持っていた。
背負袋を貰おう。
「それも正解。なかなかやるな。」
パイプを吹かしながら店長が言う。
見てやがれ驚く様な一品を選んでやる。
……パイプ良いな。食後の一服。傭兵っぽい。
「ちょっと貸して。」
店長からパイプを奪って吹いてみる。
「この野郎!はー、ほんと自由だな。」
これは良いな。パイプが欲しい。パイプが欲しい。
私の頭の中はパイプ一色になった。
「パイプは置いてないの?」
「町の外で必要か?もっと外套とか水筒とかよお。」
「パイプパイプパイプパイプパイプ。」
「あー分かった分かった。パイプも付けてやるから、外套と水筒も持って行け。」
「良いの?!」
「元々やるつもりだった。」
何だこいつ。ボスと同じお人好しだな。
五月蝿いとか驚かせてやるとか思って悪かった。
早速貰ったものを身に着けてみる。
気分は歴戦の傭兵。世界は私のものだ。
「あー、似合ってんじゃねえの?」
何で疑問系なんだ。ところで武器は無いのだろうか。
物語で聞いたような凄い武器が私も欲しい。
「武器は置いてねえ。武器屋に行け。」
「……」
「それとお前が考えているような武器は売ってねえからな。」
「!?」
「そんなもん町の武器屋に置いてあってたまるか。大体そんな武器は町長様が持ってるよ。」
ガッカリだ。町長許すまじ。武器を差し出すまでぶん殴ってやりたくなってきた。
「お前は小器用な武器使うよりも鉄の塊でも振り回したほうが強いだろ。」
「……タシカニ。」
私は両手でハサミのポーズをした。語り部に教えてもらった由緒あるポーズだ。
「お前、やっぱり頭イカれてるな。」
「褒めるな。それに、あなたとボスもイカれてる。お人好し過ぎる。」
「あいつと俺は傭兵やってたからな。元々ゴミみたいな生活してたから、お前らみたいなのが見過ごせないんだよ。」
「そうなんだ。」
イカれてる人の方が優しいのかこの世界は。
私も優しいからな。イカれていない奴がイカれてんだ。
「じゃあ、3日後に来いよ。金は用意しておく。」
「分かった。それまで金属掘りでもしてる。」
「それなら、うちで人足しないか?」
「お断り。」
さてさて、お金の目途は着いた。
お金が貰えるまでは暇だから、ボスに最後の孝行でもしてあげよう。