店主に事情を話す。断られた。近くにあった鉄の棒を紐みたいに縛る。
分かってくれた様だ。一応気持ちだけ渡しておいた。タダじゃ可哀想だしね。
他に売ってそうな店が無いか尋ねる。械人街というブロックにジャンク屋がもう1件あるそうだ。
道案内も頼んでいないのにしてくれた。感謝感謝。日頃の行いのお陰かな。
お礼に店先に並べてるやつをふん縛って店長に渡した。多分無料だ。
店長はニコニコ顔で帰っていった。
「てめえ!何してやがる!」
「道案内のお礼に渡した。」
「この盗人め!死ね!」
鉄の棒で叩いてきたので避けて正拳突きを叩き込む。械人は潰しても油が出るだけで面白くない。
血が通ってないからね。罪悪感ゼロだ。械人以外を殺しても罪悪感ないけど。
いきなり攻撃されたので、このジャンク屋には慰謝料請求しないと。お邪魔します。
店長らしき械人はガタガタ震えている。叩けば治る。えいえい。死んじゃった。
誰もいなくなった店内を捜索する。良さそうなパイプがある。貰っておこう。
それにしても械人がパイプって。ぷぷぷ。どうやって吹くんだろう。謎だ。
なんだか店の前が騒がしくなってきたが、私の背負い袋は見つからない。
あれが良いんだよう。謎のフィット感がある。皆にも似合うと褒められた。あれは何処だ。
店の中を手当たり次第調べていると兵士らしき械人が入ってきた。何の用だろう。
「お前!何してる!」
「探し物。」
「これはなんだ!?」
床に倒れている械人を指さされたので答える。
「来たらこうなってた。」
「そうか!すまんな!帰るぞ!お前ら!」
「ご苦労様です。」
械人も事なかれ主義らしい。怪しい奴には近寄らない。関わらない。長生きする基本だ。
粗方漁ったけどこの店に背負い袋は無かった。泣きそうだ。
こうなったら手当たり次第、酒場を当たるか。傭兵が買ってるかも。私のおしゃれ背負い袋。
近くの酒場にとりあえず入る。いきなり当たりだ。私のものを返せ。
「返して。」
「うわぁ!びっくりした!これが欲しいのか?」
「うん。」
「じゃあ酒を一杯奢ってくれ。」
「え?そんなに安かった。」
「ああ、酒一杯より安かった。」
私は泣きながら酒を注文する。金は沢山ある。店にいる奴全員に奢ってあげた。
傭兵達は大喜び、大盛り上がりだ。私も飲むぞ。踊るぞ。歌うぞ。
踊っていると傭兵達の話す声が聞こえる。
「そういや、コロシアムの支配人とチャンピオンがついさっき死んだらしいぜ。」
「ああ、あの大根しかいないコロシアムか。」
「あいつらよりも俺の方が演技上手いぜ!」
「違いねえ!がははは!」
やっぱり大根だったんだ。潰れて当然だ、あんなコロシアム。
これっぽっちも無かった罪悪感が消滅した。さてこれからどうしよう。