アレルヤ   作:おもちぴん様

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1章 7話

 カンカンカンカン。私は金属を叩く。

機械腕を手に入れる前と後で効率は段違いだ。

 

「ボス!これが私の最後の金属掘りだ!ウオー!」

「あいつ前にも増して元気だな。」

「金属掘りが天職だと思うぜ。」

 今ナニカ言ッタ?

「ヒッ!目が合ったら殴られるぞ!」

 

 今日は調子が良い。過去最高の採掘量が狙える。

これはボスに捧げる私からのメッセージだ。

 

「オラオラオラオラ!」

「うるせえ!イカれ娘!もっと静かにやれ!」

「?」

「お前だ!アホたれ!」

 

 何と言うことだ。ボスのために働いていたのにボスに怒られるとは。

あーあ、やる気なくなっちゃった。不貞寝しよう。

ゴロンとその場で横になる。日が照っていて寝るには少し暑い。まあ良いか。

 

「こんなとこで寝るな!お前はどうしてそう極端なんだ。良いか?これから行く町の外はなあ……」

 

 お説教が始まった。これは長時間コースだ。

その道10年のプロだから分かる。

仕方無いから語り部に聞いた物語を思い出しながらやり過ごそう。

 

「おい!お前聞いてないだろ!今日は大事だから聞いておけ!」

 

 悪者を倒したくらいの所で、頭を叩かれて、私の意識は戻ってきた。

いつも真剣だけど、今日は特に真剣だ。聞いてあげよう。

 

 

 辛く長い戦いだった……。すごい説教だった。

ボスは私に出て行かれるのが寂しいに違いない。

他の人が出て行った時も隠れて泣いていたし……。

 

「これ持って行け。俺が傭兵の時に使ってたものだ。」

 

 ドサリとズタ袋が投げ捨てられる。

 

「何これ?」

「クロスボウ。お前みたいに殴ることしか出来ないやつはすぐ死ぬ。」

「いくらで売れるかな。」

「アホたれ。役に立つ時が必ず来る。武器屋で同じものが買えると思うなよ。クロスボウは貴重品だ。」

「そうなんだ。」

 

 貰えるものは貰っておくか。

 

「3日間で使えるようにしてやる。覚悟しておけ。」

「え?結構です。」

「良いから。日が出てから沈むまで教えてやるよ。」

 

 そこから3日間の記憶は残っていない。

射っては矢を取り、射っては矢を取り、同じ作業を何万回しただろうか。

私ハ矢ヲ射チ矢ヲ拾ウ機械ダ。夢にも出てきた。最悪の日々だった。

 

「世話になったな。ボス。」

「あばよ、イカれ娘。死ぬんじゃねえぞ。」

「私は死なないよ。」

 

 今までありがとうボス。5歳から10年間は世話になったかな。

浮浪児狩りから助けてくれて、それから飯を食わせてくれて。

私もボスみたいな人になるよ。

浮浪児集めて、パイプ吹かしながら金属掘らせる。3食寝床付きで。

 

「さよなら。ボス。」

 

 あ、クロスボウ忘れてた。

 

「ただいま。クロスボウ取りに来た。」

「……」

 

 ボスの目は何だか冷たかった。

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