8章 1話
川沿いを歩いて早3日。町は見えない。出会ったのは虎、狼、ネズミ。
皆私の血肉になった。全部食べ切れないから肉はその辺に捨ててる。
前の町で貰った良い感じの棒は虎を殴ったら折れました。
焚火にはなったのでトータルではプラス。
それにしても、こっちの方向に町はあるのだろうか。不安になってきた。
川とは反対側の方角を見る。ん、煙が上がっている。
あっちに行ってみよう。煙の上がっている方向に走る。
しばらくすると建物が見えてきた。何か酒の匂いもする。人がいる。話を聞こう。
「何だお前!ここが何処か分かっているのか?!」
「知らない。」
「悪いことは言わん。帰れ!」
「最寄りの町を教えて。あと酒も飲ませて。」
「町は川沿いに進めば3日くらいで着くぞ。酒は駄目。」
「のませて、のませて。」
地面で駄々を捏ねる。呆れ顔で見られる。ここからが勝負だ。更に駄々を捏ねる。
諦めたのか人を呼んでいる。酒を持って来てくれる様だ。勝った。
何だこの酒は琥珀色だ。いつも飲んでる水みたいなやつよりも美味しい。
もっと欲しい。ちらっとさっき話を聞いてくれた人を見る。
目を逸らすな。駄々捏ねるぞ。
「うまい。もう一杯。」
「駄目だ。帰れ。」
「良いのかな。駄々捏ねちゃうよ。」
「良いぞ。無視するから。」
そのまま夜まで駄々を捏ねた。酒はもらえなかった。
良いもん。ここで寝てやる。寝る準備を整えるために穴を掘っていると、
何だかあたりが騒がしくなってきた。
「町の野郎だ!」
「防衛準備!」
「酒を守れ!」
襲撃らしい。私も酒を守るぞ。正義のパワーさんだ。
穴を掘るのをやめて隊列に加わる。皆に見られる。なに?
「おい、何のつもりだ。」
「酒は私が守る。なので後で飲ませて。」
「イカレ野郎かあ?相手は町の兵士だぞ。」
「え。なんで?」
「ここの酒は無許可で作ってるんだ。密造酒ってやつだ。」
「許可いるんだ。」
「おい!話はやめろ!来たぞ!」
兵士は30人くらい。こっちは20人。守る側が有利だからね。
人数負けてても大丈夫でしょ。それに私もいる。
待つのは性に合わない。突撃だ。後ろで何か言われてるが無視だ。
一番前を進んでいた奴を叩き殺す。そのまま次の奴を。30回繰り返した。
自分以外の血で血塗れだ。水を浴びたい。
皆の所に戻る。何か余所余所しくない?私たちの仲じゃないか。
水浴びがしたい旨を伝えると水場に案内してくれた。凄い塩っぱくない川だ。
何でも美味い密造酒を作るにはきれいな水がいるらしい。そうなんだ。
後はこの川を巡っても町と争っているらしい。