傭兵改め現場監督のパワーです。今の工程は半分くらいかな。
上からは進捗を急かされ、下は文句ばかり。
上にはペコペコ。サボる奴には鉄拳制裁。
唯一の楽しみは毎日配給される酒。何と世知辛い世の中か。
……ちょっと待って。今良い所なんだよ。
「パワーさん、トリップしてないで岩砕き頼みます。」
「うす。」
実際は下っ端も下っ端。岩を砕いて道を叩くお仕事。
もう2週間も同じことをしている。効率は上がらない。
実際には上がってるけど、皆疲れがたまってトントンだ。
今日も日が落ちる前に仕事終了。お疲れ様。
仕事が終われば宴会だ。毎日がえぶりでい。
あと2週間でこの仕事も終わりとなると寂しいな。
何もトラブルなく終わることが私の幸せです。
また朝が来た。皆を起こして体操をする。
いち、にい、さん、しい、パワーさん最高。
皆は私の掛け声を無視して体操を続ける。
この2週間で見慣れた光景だ。命令を聞かない部下。
なんて厄介なんだ。体操が終わり、次は朝礼。
私がいつも適当に話すが誰も聞いてない。
話も聞かない部下。ないない尽くし。私は悲しい。
結局、後の2週間も何も無く、町と酒造所ロードが開通した。
そもそも、毎回何かあるのがおかしいんだよ。
ロードの開通で3日の道程が急げば2日になった。
久し振りに町に戻ったけど新町長の評判は良かった。
水源問題が一気に解決したからね。
それに町であの酒が買えるようになった事も要因かも。
私も早速買った。人気があり過ぎて1人1本まで。
私はパワーさんだぞ。関係者だぞ!……関係者でもルールは守れ?ごもっともです。
行商人が人数の暴力で買ってるけど良いのかな。
1人1本だから良いのか。他の町で売るらしい。
商人と町の人が深刻な顔で何か話してる。何だろう。
「お尋ね者の噂を知ってますか?」
「いやー、この町から出たことないから知らないなあ。」
「械人の町の大量殺戮の容疑での手配なんですが。」
「ええ!工場が爆破されたのか?!」
「はい。犯人は両腕が機械の只人の女なんですが。」
「怖いねえ。」
「怖えな。ところで姉ちゃん、その片腕は?」
「へへへ。」
「もしかして、姉ちゃんが工場爆破したのか?」
「つい出来心で。」
「そうか、まあ程々にな。」
冗談に思われた様だ。
堂々としてれば意外とバレないもんだね。
それにしても懐かしいなあ。生き残りがいたなんて。
もっと念入りにやるべきだった。情報の出処を探るか。
「ねえねえ、これ配ってるの誰?」
「ん?ああ、あの械人だよ。」
「あいつかあ。」
私はそいつに近づいて物陰に引き摺り込んだ。
見るからに怯えている。お前が悪いんだぞ!
えいっと頭に拳を叩き込む。これでよし。
死体はバラしてスクラップ屋に売りました。