アレルヤ   作:おもちぴん様

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1章 9話

 テクテクと紹介してもらった店を目指す。

何でだろう。今までは色褪せて見えた町が今では輝いて見える。

汚い路地裏も、汚れた道路も、酔っ払いも、破落戸も、浮浪児も、

皆が私を祝福している。世界は私のものだ。

 

「♪」

「そこの幸せそうなあなた。酒と食料いりませんか?お代は結構。」

「目的は何?私の体?」

「いりませんよ。どうですか?タダですよ。」

 

 こいつ私の体がいらないのか?!イカれてやがる。

何だか腹が立ってきたぞ。

私を無視してそいつは話し続ける。

 

「私は聖鉄教の伝道者。聖鉄教に入れば飯と酒をタダであげましょう。」

 

 製鉄狂?何だ製鉄所のスカウトか。

ボス、タダ酒もつけないと労働力が集まらない時が来ているよ。

頑張れボス、負けるなボス。浮浪児を騙して労働力を確保するんだ。

 

「いらない。これから町の外に出るからね。製鉄所では働けないよ。」

「せいてつしょ?いえいえ、他の町にも信徒はいます。この町の外でも助けになってくれますよ。」

「しつこいなあ。私は行くよ。」

「後悔しますよ。」

 

 パチンと指を鳴らす音がした。

ニヤついた顔の破落戸が路地からゾロゾロ出てきた。

そいつはドヤ顔でまた話し掛けてきた。

 

「もう一度聞きます。聖鉄教に入りませんか?」

「入りません。さようなら。」

 

 そう言って立ち去ろうとすると破落戸が道を塞いだ。

邪魔なので腹を殴ってあげた。バタリと倒れる。

普段なら半殺しだが今日の私は機嫌が良い。

 

「なっ、おい!その女を捕まえろ!」

「おっ、おう!やるぞお前ら!」

 

 何故か皆襲ってきた。機械義肢を持つ私に勝負を挑むとは命知らずめ。

右腕一振りで人が飛ぶ。左腕一振りで人が倒れる。

蹴りを入れれば壁が壊れる。ウオオオ!私は戦闘ロボットだ!

命が惜しく無い奴から掛かってこい。

 

「ヒィィイイ!何だこいつ!」

「お前が何だ。いきなり人を襲わせるなんてイカれてる。」

 私は右手でゲンコツを作る。

 

「ゆ、許してください。」

「金目のものを全部出せ。そしたら許してあげる。」

「は、はいいいい!」

 

 結構金を持ってたみたいで思わぬ収入が入ってきた。

飯と酒も没収だ。浮浪児に配ってやろう。

 

「お前ら!製鉄所じゃなくて金属掘りで働け!」

「え?何ですか?」

「金属掘りで働かない奴はこうだ。」

 

 私はその辺に落ちていた拳大の石ころを握り潰す。

破落戸共は悲鳴を上げて金属掘りの仕事場に走り出した。

私、スカウトの才能あるかも。

製鉄所のスカウトは衛兵詰所にでも差し出しとくか。

 

 ズルズル、製鉄所のスカウトの首根っこを掴んで詰所に向かう。

グエグエ五月蝿いが逃げられると厄介だから仕方無い。

携行食を買う店からドンドン離れていくが世のため、ボスのため。

こいつを出汁に製鉄所は金属掘りに吸収合併されるんだ。

掘った金属を製鉄して町の経済を支配するボス。うーん、うらやましい。

 

 貰った酒を渡せば衛兵の印象も良くなるだろう。

ルンルン気分で私は詰所に向かった。

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