【完結】フィジカルお化けおじさん、異世界へ行く2 作:タラバ554
「もう一度聞く……お前は死んだはずだ。どうやって生き返った?」
Oh、この女の顔見ると頭が重く、痛い。
ぶわりと汗が全身から噴き出している。
今すぐコイツから逃げろと全身が警告を発している。
「……まぁいい。もう一度殺せば問題ない」
瞬間、前に居たアイズをも越えておじさんの腹に拳が突き刺さる。
ボエッ
とんでもない力。一発で水晶に叩きつけられ目の奥で星がまわっている。
アイズが女と応戦しているが何やら動揺している。
ふらふらだが何とかレフィーヤへ近づいていくと何かが飛んで来た。
避け切れず左肩に被弾するとソレはおじさんの体に根を張り侵入してくる。
まるで引継ぎスキルが発動した時の様に流れ込む「あるはずの無い記憶」
その膨大な情報に体の感覚と意識が押し流される
◆◆◆◆◆
おじさんの左腕から
「くそっ、せめて……」
女が口笛を吹くことでおじさんの周囲から植物型のモンスターが飛び出してくる
おじさんから生えた女がモンスターを纏う
すると女は纏ったモンスターを吸収しているかの様でモンスターは肌に吸い込まれどんどん巨大化していく
おじさんの左腕が胸の中央に繋がったまま女は巨大に、より妖艶になっていく
◆◆◆◆◆
「想定外だが……どうやら悪くは無さそうだ」
おじさんがモンスター化するのを目の前にしながらもアイズはテイマーと思わしき女と交戦していた
しかし押されている
ロキをしてチートと思わせる付与魔法テンペストを使っても尚押し負ける速度と力
格上だと思い至るが打開策が無い
事態に気づいたロキファミリアのメンバーが駆けつけるがモンスターの胴体に繋がったおじさんを見て怪訝な顔をする
「なんでおじさんがモンスターの胸元に? まさか女ならモンスターでもお構いなしかい?」
「レフィーヤ、ありゃどうなっとる」
「説明がむずかしいです~~~!」
フィンは呆れながらもガレスと共におじさんの救出を試みる
「レフィーヤ、以前行った連携をやるぞ」
「はい! わかりました」
◆◆◆◆◆
「フィン! どうする!? あのままだとおじさん事ヤル事になるぞ!」
準備されている魔法、lv3のレフィーヤが放つ魔法に対しおじさんはlv2
耐久よりのステータスを持つおじさんだが火力特化のレフィーヤの魔法を受ければ間違いなく殺しきる
「ガレス、おじさんの左腕を斬れ! それが確実に助ける方法だ!」
「任せろ!」
ティオナ、ティオネが蔓を斬り、フィン、ガレスが駆け抜ける。
守るようにクロスさせた両手をフィンの槍が貫き、腕の動きを阻害する
全力で跳躍するガレスを阻む障害は無く、モンスターの胸元に埋まったおじさんの左腕と一緒にガレスの斧がモンスターの胸元を切り裂く。
甲高い悲鳴の様な奇声を上げながらより一層暴れ回るモンスターを後目に、腕を切り落としても意識が戻らないおじさんを回収してガレスが走る。
怒りを周囲にぶつけながら暴れる女型モンスターに対し、練っていた魔力を解放するリヴェリアとレフィーヤ
二人の魔法が発動し女型モンスターの全身を焦がし、引き裂く。女性らしいシルエットだった女型モンスターは全身がボロボロになり魔石があるであろう上半身を守る事で魔法を凌いだらしい。
状況が不利と理解し逃げ出す女型モンスター。
だがその逃走はティオネ、ティオナの二人に阻まれ体を縦に魔石事切り裂かれてしまう。
◆◆◆◆◆
女性型モンスターを討伐している頃、アイズはテイマーに追い詰められていた
あらゆるステイタスがアイズを凌駕しており、普段の戦法では対応しきれない状態
徐々に追い詰められついに手痛い一発を受ける事となる
血を流し壁に追い込まれたアイズに対し最後の一撃を放つ所でガレスがその一撃を受け止める
「どうやらウチの姫が世話になったのぅ」
「ちっ! その馬鹿力……lv6か……」
「正解じゃ!」
振り回される斧の威力に被弾を嫌がるテイマー
視界の端で女型モンスターが倒されるのを見て撤退を選択する
◆◆◆◆◆
テイマーには逃げられたが、その後おじさんは直ぐに目を覚まし左腕を再生させた
記憶の混濁は見られたが半日で意識がはっきりした所で冒険を再開
サポートしてもらいつつおじさんも普段以上の階層でモンスターを討伐
帰還した後のステイタス更新でLv3に至った
体を厭わない攻略の末におじさんはランクアップを果たす
次回、おじさんの買い物
心が張り裂けそうな時、ため込むより解放する事で前に進めるだろう