【完結】フィジカルお化けおじさん、異世界へ行く2   作:タラバ554

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14 おじさんと最後

起きて、起きて

 

その言葉に目を覚まそうとするが猛烈に眠い

 

起きたいのに一秒すら目を開けれない

 

ずっと語り掛けられる

 

起きて、起きてと

 

何度繰り返しただろう

 

どれ位の間忘れていただろう

 

おじさんはやっと呼吸の仕方を思い出した

 

肺を動かす

 

空気を取り込む

 

当たり前の事が何と気分が良いのか

 

まどろみからまだ抜け出せないが近い内にこの瞼は開くだろう

 

◆◆◆◆◆

 

唐突だった

 

するりと瞼が開いた

 

辺りは暗く、だが目を開いた先には満点の星空が広がっている

 

あぁ、起きたのだと気持ちが良くなり直ぐに目を閉じてしまった

 

再び目を覚ましたら昼だった

 

広がる大空

 

雲が無く肌を風が撫でる

 

上半身を持ち上げる

 

周囲には花が咲き誇っている

 

白い花

 

少し甘い匂いが漂う中に水の音が聞こえる

 

音に近づくと川がある

 

水を掬い、一口二口と流し込む

 

喉を水が通る事が心地よい

 

そして声がかかる

 

『起きたのね……』

 

そこに居たのはモンスターから生えた女だった

だが禁忌感はない

疑問に思っていると女から抱きかかえられた、女は泣いている

 

『ありがとう、ありがとう。あの日、貴方のお陰で私は地上へと戻れた』

 

『貴方が居たから風を取り戻せた』

 

『貴方は私の最後の英雄』

 

◆◆◆◆◆

 

おじさんは思い出していた

自分が食われた事

テレポートでオラリオまで跳んだ事

オラリオを瓦解させた事

 

おじさんは汚れた精霊に食われた。そして精霊はおじさんを食らう事でおじさんの持つ魔法【テレポート】を習得。

精霊としての能力を使い単独のテレポートを集団にかける【テレポーテーション】へと昇華

直ぐにオラリオの蹂躙が始まった

 

分身体は大量の芋虫を地上に送り、力の無い者が最初に犠牲になった

直ぐに本体が地上を目指して移動を始め59階層で本体と合流

大量の種と共に地上へ降り立った本体とおじさんを取り込んだ分身体は上位冒険者を蹂躙しながら種を植え付けた

理性等何一つ残さず

ただ新しい同胞を手に入れる為だけに

人を殺し、冒険者を殺して次に神を殺した

そこかしこで神の送還が行われた

主神を守れなかった冒険者は即死んでいった

恩恵が切れ対抗できる力が無くなった途端に無力になった

例え抵抗されても分身体は体が千切れた端から再生し、肉の壁として本体を守った

異心同体である精霊に冒険者は蹂躙された

最後にバベルを焼いた

積年の恨みを晴らす様に念入りに焼いた

そしてモンスターが溢れた

過去への回帰

1000年前の再現だ

そして神も精霊も居ない

地獄が作られた

 

精霊は7日かけて世界を焼いた

町を、都市を、国を、地上のあらゆるモノを焼いた

 

最後に残ったのはモンスターと精霊だけだった

 

汚れた精霊を汚れていると認識する者は居なくなり

ソレが正しい在り方になった

 

そこからは只管時間が流れた

 

何事も無い、弱肉強食だけがある自然のルール

干渉する者が居ない実力だけの世界

いくつもの季節が廻り、星が廻り、時の果ての末に分身体の奥底からおじさんは浮かび上がってきた

刺激を忘れた精霊は思い出した

 

コレだ

コレが私に勝利を齎した

 

地上に戻り、欠けていた風を取り戻したのも

憎い蓋を取り払ったのも

コレが力を齎したからだと

汚れていた精霊は理性を取り戻していた

根幹が決定的に狂ったまま

 

『『『私の、私達の最後の英雄』』』

 

だからコレはきっと、オラリオを滅ぼしたおじさんへの罰なのだろう、

 

『『『もう一度貴方を食べさせて』』』

 

大きな口が降りてくる

 

◆◆◆◆◆

 

異世界おじさん(死亡時最終ステータス)

 

Lv.3

 

《基本アビリティ》

 

力:S903

耐久:S912

器用:C678

敏捷:D580

魔力:S999

 

《発展アビリティ》

激運:S+++

魔導:E

狩人:D

対人:D

耐異常:A 

 

《魔法》

【テレポート】

・対象を唱える

・対象へ跳ぶ

・派生詠唱【ワールドテレポート】

 ・世界を超える

 ・日に一度のみ

・派生詠唱【テレポーテーション】

 ・任意の人数と跳ぶ

 ・人数に応じて魔力消費増大

 

【トラベラー】

・荷物を格納

・貯蔵量により魔力消費量増加

 

【精霊魔法】New

 

《スキル》

【幸運脂肪】

・シボウを操る

・あらゆる害悪から体を守る

・害悪に対する自動カウンター(相手のステータス依存)

・同意がある場合に限り他者のシボウを操れる

・強制幸福

 

【庇護脂肪】

・シボウ操作した者のステータスを上昇(任意)

・最大10段階

・体質操作可能

・シボウ消費で超サイセイ

・庇護対象カンチ

 └庇護対象に関する行動時にステータス補正

・スキル使用時に魔力消費

 

【引継ぎ】

・シボウ時に同存在を呼ぶ

・スキル/アビリティ/ステイタス/記憶の継承

・トリガー【死亡】

 




数々の英雄譚、数々の神話

それらは勝ったものが継承する

彼らは勝てなかった

世界は精霊に委ねられた
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