【The back rooms】   作:T@ma

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【レベル Snow Globe η: 凍結した監獄】

いつの間にかRは、見知らぬ場所に移動して床に座っていた。

部屋とは言い難い場所であり、空間という概念があるという事が分かるぐらいだ。壁には歩いて通るには十分な穴が空いており、行先はそこしかなさそうだ。

 

この空間はとても寒く、Rは上着を着ていたがそれでも寒く感じる。

不意の瞬間移動だった為、上着以外何も手元にない。

少し不安ながらもその場で立ち、穴の場所まで歩く。

 

歩いている途中で分かったが、その先に見える場所も今いる空間と同じ色が広がっている。寒さに耐えながらもこの感じは何かと考える。

そして思い出した。Rが初めに落ちてきた、あの黄色い壁の空間と似ていると。行先は1箇所しかないのにどうしてなのか。

 

時という概念を忘れた人間が、寒くて出口もない空間という名の箱の中をさ迷った。

 

上着があるからまだ良いものの、ずっと同じような寒さが続く。体力は少しずつ奪われていく。

暖炉で暖まっていた時の事を思い出した。

 

あの部屋に戻りたいとか…もっとゆっくり眠っていたかったとか…

そんな事ばかり頭に流れてくる。

 

だが既に手遅れだ。

 

食べ物もなければ飲み物もない。体力は無限に続かない。

ジワジワと身体を蝕まれる体温。計り知れぬ恐怖。

疲れと寒さ、空腹が重なりRはその場にへたりこんでしまった。

目眩がする、頭も痛い…。

座る事もままならない。前に倒れるように姿勢が崩れ、身体全体が床に叩きつける。

 

肩で呼吸をするRは思い出してしまった。自分はこの世界で1度死んでいる事を。そして記憶を消され、同じルートを辿り、またこの世界に突き落とされた事実を。

あれ…これは2度目の世界なのだろうか…実はこの思い出しも無駄であり、そんな事実はなく、自身が正常な考えが出来ていないからなのか。

この真実は誰かが知っているわけがない。自分が辿った末路の真実がこれだったのは確かである。

 

考える事を…意識を保つ事も出来なくなったRは、ゆっくり視界が暗くなっていく。身体のあちこちが痛い…。

Rの目はゆっくり閉じ、微かに息をする為だけに動かしていた身体にはもう反応はなかった。

 

 

 


 

 

 

ログハウスの机の上に置かれていたスノードームの中の家の窓が、微かに光った気がするが、電球からの光でそう見えただけかもしれない。

窓から見える景色はいつでも猛吹雪だ。泣き止む事を知らないのだ。

遠い昔に誰かが住んでいたという形は残っているが、その時から進む事無く、ずっとそのままで置かれていた。まるで主人の帰りを待つ何かのように。

 

 

 

【隠しEND:リフリジレーション】

 

 

 

 

 

 

 

世界をやり直しますか?

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