朝から美少女の幼馴染と登校するというのは周囲の男子からしたら羨ましい限りだろう。今の俺はまさにその状況に置かれている。
普通なら喜ばしいところだが、小学校卒業以来会っていなかった俺にとってこの状況は非常によろしくない。
思っていた以上にリサと友希那の容姿が変わっていたのもあって正直どう対応するか戸惑っている。
男子三日会わざれば何とやらというが色々成長しすぎやねん。相手は男子ではないのだが・・・
リサ「いや~こうやって一緒に通学するのも久しぶりだね」
友希那「そうね」
雄「小学校以来やからな」
リサ「その喋り方は相変わらずかぁ~」
雄「なんやねん?」
リサ「いつになったら関西弁が抜けるのかなぁって」
雄「んなこと言われてもやなぁ」
リサ「いやいや、東京に住んでたら標準語になるでしょ普通。ね、友希那」
友希那「えぇ・・・そうね」
雄「あんまし興味なさそうやな」
友希那「今は他に集中したいことがあるから」
うん?友希那があまり社交的ではないのは知ってたけどここまで酷かったか?なんかやたら焦ってるような気が・・・
もしかして、親父達のバンド絡みか?ウチの親父は半分趣味みたいなモンやって割り切ってたけど友希那の親父さんはそうでもないやろな。
変に刺激すんのもよろしくないか。
リサ「うーん、ちょっと失敗だったかなぁ」
雄「友希那のことでか?」
リサ「それもあるけど、雄のこともかな」
雄「なんかしたっけ?」
リサ「数年ぶりの登校の割にあまり乗り気じゃなさそうだからさ」
この感じだと今の友希那と俺は対して変わりなさそうやな。流石にリサもやりづらいか・・・
雄「乗り気ではないというか・・何ていうんかな〜」
リサ「ん?」
雄「まぁ俺も思春期を迎えた男子でして〜周りの目が気になるというか~」
リサ「はは~ん。照れてるんだ〜」
雄「ッ!うるさいなぁ!」
図星を疲れて一気に顔が熱くなってきやがった!リサにこれ以上気を使わせたくなかったとはいえ!
友希那「雄でも照れるのね」フッ
雄「友希那ぁ!今鼻で笑いやがったなぁ!?」
友希那「そんな顔で怒っても何も怖くないわよ」
雄「ヌギギ・・・!!」
リサ「アハハ!昔の感じに戻ったね!」
小学校の時もこんな感じで二人から弄られながら登校したっけな。何回かマジ泣きしたことあったけど。
友希那「そういえば雄、眼帯なんてしてたかしら?」
リサ「もしかして遅咲きの厨二病ってヤツ?」
雄「厨二病言うな!これは仕事の手伝い中に頭から硝子を被った時に切ったんや」
友希那「はあ!?」
リサ「大丈夫なの!?」
雄「幸い皮を切っただけやから見えへんわけやないよ。見た目が悪いから隠してるだけや」
リサ「正直あんまり変わらない気がするけど」
友希那「寧ろ逆効果な気がするわね」
雄「そうか。んじゃ取ってみたらどない?」
眼帯を外してみて二人の反応を見ると見た瞬間に顔が引きついた。
友希那「こ・・・これは・・・」
リサ「う、うん。眼帯してた方がマシ・・・かな?」
結論。眼帯してもしなくても対して変わらんかった・・・泣きたい。
そんなこんなしてるうちに羽丘女子学園に到着した途端、周囲がざわつき始めた。女子校の中に男・・・それも大柄で眼帯した目つきが鋭いのが来たら当然だろう。
雄「分かってたけど帰りてえ」
そう言いながら踵を返そうとするがまたもや両脇から横槍が。
リサ「行かせないよ(ニッコリ)」
友希那「逃がさないわ(ニッコリ)」
雄「嫌だぁ!離せぇ!いくら知り合いがおるいうてもこの空気は無理やって!」
リサ「ここまで来たんだから観念しなよ!」
友希那「往生際が悪いわね!」
雄「裏切り者ぉぉぉぉ!!」
周囲の目を気にせず校門前で騒いでいたのもあり警備員がすかさず飛んできた。
警備員「ちょっと君たち!何を騒いでいるんだ!それにそこの男の・・子?ここ女子校だよ!」
騒いですいません警備員さん!見た目はアレかもですがれっきとした高校一年生なんです!ちゃんとした男の子なんですぅ!
?「朝からうるさいと思ったら香の言った通りね」
花咲川と同じようにまたもや助け船が・・・この人たち絶対分かっててやってるよな?
?「警備員さん。その子は今日から羽丘女子学園に通う生徒ですので大丈夫ですよ。見た目はアレですが」
うぐふぅ!!
自分で言うとそこまでだが他人に言われるとダメージが・・・。
?「おはようございます。私が羽丘女子学園の理事長、橘樹(たちばないつき)です」
雄「お、おはようございます・・・」
二人「おはようございます」
樹「他の生徒には昨日の入学式で貴方の事は話しておいたのだけれど、思ってた以上に騒がしくなっちゃったわね」
そりゃそうやと思います。だって新入生で男が来るってなっていざ来てみたらこの人相ですよ?そりゃ騒ぎもしますって。
樹「本当に分かりやすい子ね。顔に全部出ているわ」
言わんといて下さい。一応気にしてるんですから。
樹「フフッ。それじゃ全体朝礼前に神谷君は理事長室に行きましょうか。他の子たちはちゃんと自分のクラスにね」
リサ「分かりました」
友希那「雄、逃げちゃだめよ」
雄「この状態やったらもう無理やろ・・・」
〜理事長室〜
花咲川とは違い理事長と二人きりでの面談。なんかお偉いさんとタイマンやと少し緊張するんやけど。
樹「さて、貴方の編入についてだけど花咲川で聞いたと思うわ」
雄「ええ。少子高齢化が進んで共学化の案が出たけど下手に素知らぬ男子を入れるなら知り合いの男子を編入しちゃえが今回の内容ですよね」
樹「言い方は悪いけどその通りよ。実際のところ両校共にそこまで深刻な状況ではないけど、少しずつ影響が出始めているのも事実よ。ここ十年程のデータを洗い出してみたけどこのまま行くと5、6年後には共学化が必要になる可能性があるのよ」
そこまでか。花咲川ではそんな話聞いてないぞ?
樹「今ので大事な事は伝えたわ。他に聞きたい事は?」
雄「花咲川で聞きたい事は聞けましたので大丈・・・あ、そういえばトイレとか体育の時の着替えってどうしたらいいんですか?」
樹「トイレは増設予定だからその間は職員用か来客用のを使うしかないわね。着替えはどこか空き教室があるハズだからそこを使って」
要は自分で探せって事か。下手に鉢合わん事を祈るしかねぇな。
樹「それじゃあ全体朝礼も控えているしそろそろ移動しましょうか」
雄「分かりました」
樹「あ、それと・・・」
雄「?」
樹「眼帯はしときなさい。してないよりはまだマシだと思うわ」
雄「今言う必要ないでしょ!?」
〜講堂〜
ところ変わって講堂にやってきました。
何で女子校ってこんな講堂が多いんかね?体育館じゃあかんのか?
それも花咲川の講堂よりも上等な物を使ってそうだ。色合いとかが違うからそう見えるだけかもしれんが。
そして始まる全体朝礼だが、ここでも校長の話が長い!!始まって5分もしないうちに何人か寝始めとるぞ!?
1年生は必死に耐えてるが2、3年生組は約半分は寝てるしぞ!?はよ気付いてくれ校長!!
校長「おや?寝不足の方が多いみたいですね。今日はこの辺りで終わりましょうか」
なんでいい方向に勘違いしとんねん!
『続きまして理事長の挨拶になります』
樹「はい、皆さん起きてください!昨日の入学式でも伝えましたが羽丘女子学園にも共学化の為のテスト生が入学しました。今朝、校門前で見かけた人もいると思います。それでは神谷君、お願いします」
こっちに段取りとかなんも連絡なしはやめてくだせぇ!心の準備がまともに出来てないんだが!?
・・・ひとまず呼ばれたし出るしかないわな。
雄「皆さんおはようございます。理事長よりご紹介に預かりました神谷雄です。見た目はこんなですが新一年生と同い年なんで勘違いしないで下さい。花咲川女子学園の共学化テスト生を並行していますので月単位でいたりいなかったりします。宜しくお願いします」
『・・・・・・・・』
無難すぎたか?全くの無反応も困るんやけど・・・
『パチバチパチ!』
樹「神谷君からも話がありましたが、花咲川女子学園の共学化テスト生も並行しています。いない時期も明記しておきますので間違って欠席連絡が起こらないよう注意をお願いします。以上で全体朝礼を終わりますが他に連絡事項ある方はいらっしゃいますか?・・・いなさそうですね。それではこれで終ります」
以外とすんなり終わったな。ってそういえばまたクラスがどこか聞くの忘れた!!
〜全体朝礼終了後〜
クラスが分からんまま彷徨うかと思いきやA組の担任に保護(ほぼ拉致)されました。
ちなみに担任の名前は中川優佳というらしい。クラスに到着するまでに軽く挨拶しておいた。
優佳「それでは今日から一緒の組になりました神谷君です。それじゃあ神谷君、挨拶どうぞ!」
雄「共学化テスト生の神谷雄です。全学年中一人の異性なので色々とご不便お掛けしますが宜しくお願いします」
『パチバチ!』
優佳「それじゃあ神谷君の席ですが窓側の1番後ろですね」
雄「分かりました」
タッパがあるからいっちゃん前とか言われたら後ろの人たちに迷惑掛かるからめっちゃ助かった。
優佳「神谷君については朝礼でも言われていた通り、次に合うことになるのは5月からになります。来週からは普通に授業があるので忘れ物がないようにしてくださいね。それじゃあHRを終ります」
つつがなくHRも終わったことだしこの後どうしましょうかね。