今回は別視点、ウィルの同門の後輩のあの子の視点です。
中央トレセン学園、春のファン大感謝祭当日、4月1日。
私ことミホノブルボンは、契約トレーナーであるマスターから、1日のクールダウン期間……休暇をいただきました。
本来本格化中の、特にクラシック級の競走ウマ娘にとって、一秒一瞬という時間は決して失うべからざる自らを育成するためのリソース。
体を鍛え、技術を磨き、心を保ち、レース勘を培う。
それを以て私たち競走ウマ娘は、コンマ1秒でも早くレースに勝利できるように、ひたすらに自らを向上させ続ける。
それこそが、競走ウマ娘の最大にして最優先のタスク。
私たちはトレーナーの指示に従い、このタスクをループ処理する必要があるのです。
……しかし、何事にもイレギュラーは存在します。
その中でも最大のものは、疑うべくもなく、トレーニングスケジュールにおけるクールダウンの必要性でしょう。
ウマ娘の体は人間のそれと比べて強靭ではありますが、無尽蔵のスタミナを持つわけではありません。
むしろ競走ウマ娘に限れば、より大きな運動を行いエネルギーを消費する分、必要となるクールダウンの期間は人間のアスリートよりも多く、また長くなるかもしれません。
故に、トレーニングの合間には、体力を回復させるためのクールダウンの期間が一定以上必要となるのです。
このクールダウンは、大別して二通りに区別されます。
まず、短期的な疲労を回復する目的のもの。
30分から2時間に一度取られる、10分から20分程度の休憩。
マスター曰く、一度トレーニングを切り上げることで疲労を取りながらメンタルをリブート、高くなってしまったランニングコストを下げる。
これによって、私たちが起こす事故の発生確率を低下させ、下がってしまったトレーニングの効率を持ち直すことができる、とのことです。
そしてもう1つが、長期的な疲労を回復するための、1週間に一度から二度程度の、丸々1日を休暇に使うもの。
蓄積した重い疲労をリセットし、事故の発生確率を下げ、何より私たちの脚の寿命を縮めないようにするための措置……と、伺っております。
この2つの内、私がその日に頂いたのは、当然ながら2つ目の長期的クールダウン。
より正確に言い表せば、マスターは感謝祭に際して私のスケジュールを調整し、ここに1日休暇のタイミングを合わせてくださった、ということになります。
本来であれば、お祭りを見学することよりもトレーニングを行う方がタスクの優先度が高いため、今日も大感謝祭に参加することなく自主トレーニングにでも赴いていたでしょうが……。
マスターに「君の体力は完全に調整してある。ここで休むのが最高効率だ」と言われてしまえば、その合理性に頷かざるを得ません。
私のマスターこと堀野歩トレーナーは、ホシノウィルム先輩を無敗のままに三冠に導いた、確かな能力を持つ契約トレーナー。
そのマスターが、この数週間のトレーニングのデータを元に、「今日休むべきである」と判断している。
であれば私は、マスターに従うウマ娘として、その提案を呑むのみでしょう。
そういった事情から、私はトレーニングを中止し、休暇を取ることになったのでした。
……しかし、どうしたものでしょうか。
普段の休暇であれば、私は自室でレースや走りの教本の読み込みや、ステータスの健常化を図るための休眠に時間を使うのですが……。
ファン大感謝祭中は、原則として寮の自室の使用が禁止されているので、それは難しいでしょう。
そもそも大感謝祭は、トゥインクルシリーズを見てくださるファンの方々に対して、ウマ娘たちがアピールを行う場。
自室の使用制限は、ウマ娘側が自室に引きこもって休むようでは大感謝祭の原義に反する、という意図の制約なのでしょう。
なお、このルールは、厳密には守られていないものと推測されます。
同室のフラワーさんからは、自室の利用は名目上禁止されてこそいるものの黙認されているらしい、と伺いました。
大感謝祭中は普段と違い、学園の保健室は外来の方々への対処に当たることになります。
また、校舎やグラウンドにも外来の方々が来てしまいます。
そのため、体調を崩したウマ娘が休養する場が、自室の他になくなってしまう。
結果として、締め切りたくとも締め切れない、難しい状況になってしまっているそうです。
……しかし、事実上使用可能とはいえ、原則的に禁止された事項を敢えて犯す必要はありません。
よって、本日は大感謝祭終了まで、栗東寮の利用は不可能であると考えるべきでしょう。
しかし、他に腰を据えて本を読める場所や、十分に休養が取れる場所があるとは思えません。
ファン大感謝祭の間は、ウマ娘の寮を除く殆どの場所にファンの方が入ります。それこそ自室以外の場所では、ファンの方に目撃されてしまうでしょう。
そうなれば、自然と多くの視線がこちらに寄せられ、あるいは話しかけられてしまうことは想像に難くありません。
十全に心身を休めることは難しい、と認識した方が良いでしょう。
以上を以て私は、『オペレーション:休養』は困難であると判断。
大感謝祭の当日をどうして過ごすか、悩んでいたのですが……。
「ブルボンさん! もしもご予定がないのならば、この学級委員長と共に感謝祭を回りませんか!?」
……思わぬ方から、お誘いを頂いたのでした。
* * *
サクラバクシンオーさん。
綺麗な鹿毛の髪を持つ、自称、バクシン的学級委員長。
彼女は私と同世代であり、ライバルでもあるウマ娘。
私と同じく逃げの脚質を選ぶウマ娘であり、先日のスプリングステークスでも先行争いを行い、マスターから伝授された「先手必勝」のスキルによって勝つことのできた相手。
現時点では、極めて強力なウマ娘というわけではないようですが、マスター曰く「今はまだ開花していないが、スプリンターとしては抜群の素質を持つ子」であるとのことです。
……同時に、中距離や長距離にはあまりにも適性がないため、三冠レースではまず警戒する必要はない、とも仰っていましたが。
そして私は、以前から彼女とは度々交流を図らせていただいており、明文化したわけではありませんが、彼女とはいわゆる「友人関係」に当たる間柄であると推察します。
短距離からマイル向けの距離適性を持つ逃げウマ娘同士、時々コミュニケーションを図る仲、と表現するのが適切でしょうか。
彼女の「学級委員長的」思想は非常に複雑怪奇で理解の難しいものではありますが、その思想や行動自体は非常に行動的かつ善良。
共にあって大きな問題はなく、また多くの刺激を受けられる、有用な関係性であると推考します。
実際、念のためマスターに確認した際にも、「サクラバクシンオーは素晴らしいウマ娘だ。きっと良い学びがあるだろう。スピードボーナスとか」とのことでした。
「スピードボーナス」という言葉の意味は詳細不明ですが、恐らく走りの糧になるだろう、という意味であると推察できました。
そんな彼女からの申し出は、私の抱いていた「如何に休日を消化するか」という難題を解決し、同時に私の走りのヒントと成り得る可能性のあるもの。
私としては、断る理由はありませんでした。
そうして、大感謝祭当日。
「見てください、ブルボンさん! 『脚が速くなるかもしれない焼きにんじん』ですよ! 食べるだけでスピードを培えるとはなんたる僥倖っ!! 早速食してみましょう!!」
「サクラバクシンオーさん、調理過程を観察するに、あの焼きにんじんに脚が速くなる成分は入っていません。『かもしれない』という描写と併せて考察すれば、誇大広告であるものと思われます」
「ちょわっ!? つまりこれは詐欺ということですか!? 学級委員長的にそんなことは許せません、このような悪辣な商売は即刻やめるように一言言って来なければ!!」
「あくまでも脚が速くなる『かもしれない』焼きにんじんという意味では誤った表現は……サクラバクシンオーさん、推奨、やめてください。これ以上の干渉は営業妨害にあたると推定」
「止めないでくださいブルボンさん! 私は学級委員長として、不正を許すわけにはいかないのです!!」
「これ以上の言葉による行動抑制は困難であると推察。マスターからのエマージェンシーオーダー『トラブルは未然に防ぐのが第一』を実行するため、実力行使へとフェーズを移行します」
「なっ!? ま、まさかブルボンさんまでも悪の手に落ちたというのですか!? くっ……しかし、私は皆を助ける学級委員長! ブルボンさんのことも必ず救ってみせますっ!! バクシンバクシーンッ!!」
……計算外のトラブルはありながらも、私たちは『オペレーション:休養・感謝祭見学』を実行。
ウィルム先輩の出場する企画を見学したり、バクシンオーさんの友人がやっているという出店を訪ねたりして……。
多くの出店や企画を見て、時間を過ごしたのでした。
* * *
『オペレーション:休養・感謝祭見学』の開始から、3時間9分41秒が経過。
サクラバクシンオーさんの腹部から音が鳴ったことを契機として、私たちは昼食を摂取することとしました。
競走ウマ娘は本来、トレセン学園の食堂で食事を取ります。
ですが、ファン大感謝祭中はこの食堂が、一般の方々に開放されるのです。
普段から食事の供給が追い付かないこともあるこの食堂、外来の方に加えて普段通りにウマ娘にも食事を提供することは難しい。
そのため、大感謝祭中は学園所属の競走ウマ娘の使用が制限されています。
一応、事前に申請しておけば、学園の方からお弁当を出していただけるそうですが……。
多くのウマ娘は、出店での食べ歩きや外食で食欲を満たすそうです。
ウィルム先輩曰く、「お祭りムードの中で食べると美味しく感じるからね。実際はそうでもないんだけどさ」とのことでした。
私個人としては、目標達成のための走行が可能なだけ栄養が補給できれば、それ以上に求めるところはなかったのですが……。
私には「三冠達成」という目標と同時、父により「社会性の向上」というミッションが課されています。
何を以てどのようにこのミッションを達成すべきかは、未だ判然としませんが……。
社会性とは、社会集団の一員であるのにふさわしい性質。つまるところ、一般的なウマ娘の中に溶け込める、他と大きく違わない性質と言えます。
つまるところ、社会性の獲得とは、「他のウマ娘と大きく違わない性質」を身に付ける、ということ。
恐らくは私自身の意識の希薄さに起因すると思われる、私と他のウマ娘の間にある、差。
一般的なウマ娘と同じ行動を取ることは、これを埋める一助になると推察できます。
故に、私はサクラバクシンオーさんと共に、近くにあった屋台の焼きそばを購入、手近なベンチに座って摂取することとなりました。
芦毛のウマ娘が売っていたそれは、正しくウマ娘用というボリュームを持ち、十分なカロリーが補給できるという意味では理想的な食事でした。
しかし、十全にトレーニングを行おうと思えば、他にいくつか取るべき栄養素が多くあるのも事実。
後でいくつかサプリメントを飲む必要があるでしょう。マスターに相談しなくては。
そう考えながら焼きそばを頬張っていた私に、サクラバクシンオーさんは声をかけてきました。
「しかし先日のスプリングステークス、ライバルながら素晴らしいバクシンでしたね、ブルボンさん!
私も『更にトレーニングを積まなくては!』と改めて奮起した程です!」
キラキラと輝く瞳をこちらに向け、彼女は恐らくは賞賛と思われる言葉を口にしました。
他のウマ娘であれば、その言葉の意図を正確に聞いていたところでしょうが……。
データベースを参照するに、サクラバクシンオーさんの言葉に、他意というものは含まれないと予測できます。
では、こちらはどのような反応をすべきか……。
データベースの中から適切な対処法を模索。ヒット1件。
『誰かから賞賛を受けた時は、どんなことであれ、ひとまず素直に感謝すること』。
マスターから頂いた緊急時対処プロトコルを想起。
私はペコリと、サクラバクシンオーさんに頭を下げました。
「その賞賛はありがたく受け取らせていただきます」
「えぇ、どうぞ受け取ってください! この学級委員長が認めたのですから、あなたは間違いなく素晴らしい走りをしたのです!」
サクラバクシンオーさんはそう言って笑い、その手に所有していたパックの焼きそばを口に含みました。
……学級委員長。
時々、サクラバクシンオーさんが挙げるワード。
しかしながら、「学級委員長」というワードが指す言葉と、彼女の意図するニュアンスの間には、決して小さくないギャップがあるように感じます。
私はふと、それが何を意味するのか疑問に思い、彼女に対して尋ねました。
「サクラバクシンオーさんは、時折『学級委員長』というワードを発します。
その『委員長』とは、何を意味する言葉なのでしょうか」
その疑問を呈することで、三冠レースを有利に進められるわけではないでしょう。
しかし恐らく、社会性の向上というミッションにおいては、他者への理解を深めることは有益に働くものと思われます。
そのためにこそ、私は今の質問を口に……。
……いいえ、違う。
エラー。自らの論理の破綻を確認。
私は今、彼女にそれを尋ねた際、そのようなメリットを考えて発言したわけではありません。
ただ……何の意図もなく、ふと疑問に思ったことを、口に出した。
必要でない行動を……。三冠達成のためでもなく、社会性の向上のためでもない行動を取った?
何故私は、今、このようなことを……?
自らの非論理性が露呈し、内心で自問自答する私の横で……。
サクラバクシンオーさんは、「よくぞ聞いてくれました!」と立ち上がります。
それから彼女は、手の上の焼きそばを摂取することも忘れ、彼女の過去について話してくれました。
その内容については、非常に独自性の強い言葉と独特な特徴のある思考過程が見られ、完全な理解は困難を極めましたが……。
要約すると、以下の内容であったと記憶しています。
『私は、生まれた時から選ばれた者でした。すごく頭も良かったしすごく速かったのです』
『選ばれた者は、皆の規範となり導かなければなりません』
『即ち、皆を導く学級委員長こそが私、私こそが学級委員長なのですよ!』
…………???
確かに、サクラバクシンオーさんが速いことには、異論を挟む余地はありません。
中央トレセン学園に入学し、トゥインクルシリーズのG2レースに出走する。
統計的に見てもこれは決して容易いことではなく、間違いなく素質が必要となるもの。
故に、彼女が走ることについて才能を持っている、と。
この件に関しては、異論を挟む余地はないでしょう。
しかし、サクラバクシンオーさんが「頭が良い」かと訊かれれば、そこには多少の疑問が発生します。
データベースによれば、彼女の学業の成績は下の中といったところ。
普段の言動から類推するに頭の回転は決して遅くないと思われますが、直接的な記憶力や思考過程について「優秀」という形容が正確であるとは思い難い、という評価に落ち着きます。
選ばれた者、つまり能力のある者が規範となるべき、という言葉については、強く否定するべき部分はありません。
ですが、必ずしもそのようにある義務が発生するかと言われれば、それは否であると推測。
力ある者が力なき者を守護するのは美徳であるとインプットされていますが、必ずしも約束されている義務とは言えません。弱者の庇護は義務でなく、あくまで努力義務なのです。
更に言えば「学級委員長」というものは、おおよそ10人から30人程度の人数で形成される団体である「学級」において、選挙または指名を受けて選出され、特定の事項の調査や処理に当たる人物である、と認識しています。
彼女の言うように「サクラバクシンオー=学級委員長」という式が成り立つのであれば、彼女は常に学級委員長であることになり、選挙あるいは指名を受けて選出される、という部分が矛盾します。
総じて言えば。
サクラバクシンオーさんの言葉は疑問を感じるところの多い、ウィルム先輩の言葉を使えば「ツッコミどころ満載の」ものだった、と言えるでしょう。
どの疑問から問い質すべきか思考していると、サクラバクシンオーさんは再び口を開きました。
「どうやら私の学級委員長としての姿勢に感服し、言葉が出ないようですね!」
感服……感服?
私は今、感服しているのでしょうか。
私は昔から、感情というものに疎い。
故に、今感じているこれが、彼女の言う通り「感服」に当たる感情なのか、あるいはそれ以外の何かなのか、明確に定義できません。
論理的に考えて、サクラバクシンオーさんの話す言葉は他者を第一に考え、自ら行動しようとする立派なものであると思われます。
そこに感じ入り、感心する部分が一切なかったかと言われると、それは否……なのかもしれません。
このどこかもやもやとした、納得がいかないような、自らの意見を述べたくなるような気持ち……。
これが、「感服」なのでしょうか、マスター……?
「……そうですね。私は感服しているのかもしれません」
「そうでしょうとも! やはりブルボンさんの胸にも正義の炎は燃えているのですね! 素晴らしいことですとも、ええ!」
「? いいえ、特に胸が炎上しているという事実はありませんが」
「恥じることはありませんよ、ブルボンさん! 誰しもその胸の内には正義の炎を燃やしているのです!」
……??????
私はあくまで一般的なウマ娘であり、特に胸部に発火する機能は備わっていないはずなのですが……。
もしや、私のデータベースに記載がないだけで、ウマ娘は皆体内に発火機能を持つのでしょうか。
念のため、マスターに確認しておいた方が良いかもしれません。
明日、朝のミーティングで尋ねてみることとしましょう。
* * *
その後も、サクラバクシンオーさんの話は続きました。
「そんなわけで、優秀にして神童で神速であった私は、なるべくして学級委員長となりました。
そうして皆さんの規範となれるよう、誰よりも速いウマ娘としてバクシンを開始したのですよ!」
もはや完全に冷めてしまっているであろう焼きそばを片手に、「ふふんっ!」と不思議なポーズを取るサクラバクシンオーさん。
その言葉には難解な部分が多いですが……ひとまず、理解できたことが1つ。
「要約すると、あなたは自らが決定した『学級委員長』という目標に近付くために走り始めた、と」
そこに関しては、私にも理解できるところがあります。
ミホノブルボンというウマ娘は、幼い頃に父と共に見た、そして今はマスターと見ている、「三冠」という夢を叶えるために走っています。
それと同じように、サクラバクシンオーさんは「学級委員長」という夢に近づくために走っている、と。
彼女は非常に難解な精神性を有しており、簡単には理解を図れないでしょうが、少なくともそこだけはよく理解できた……と。
私は、そう思ったのですが。
「はえ? 違いますよ?」
サクラバクシンオーさんはキョトンとした表情で、こちらの言葉を否定しました。
「違う?」
「ええ。先程も言いましたが、私は既に学級委員長ですから。今更目指すものではありませんよ?」
そう言って、サクラバクシンオーは小首を傾げました。
既に学級委員長、という言葉の意味は理解できませんが……。
彼女はもう、その目標を叶えている、と。
……であれば。
であれば、何のために……?
「では……サクラバクシンオーさんは、何のために走っているのですか?
既に最大の目標を、夢を叶えてしまい……至るべき頂に立った後、あなたは何故、何のために走っているのですか?」
知らず出た言葉は、どこかその矛先が自分を向いているようで、息苦しさのような不可思議な感覚を検知します。
しかし、思わず眉をひそめてしまった私に対し……。
サクラバクシンオーさんは、どこまでも快活に笑って答えました。
「そんなことは決まっていますよ! 私が嬉しく、何より誇らしいからです!!」
……それは。
私には、ミホノブルボンには、理解し難い感覚でした。
「嬉しい……誇らしい?」
「ええ! 皆を導く最速の学級委員長である自分が、私は好きなのです!
だから走る! 誰よりも速いスピードを以て駆け抜ける! バクシンする!!
それがこのサクラバクシンオーが、トゥインクルシリーズを走る理由なのです!!
ですから、次のレースではブルボンさんにも負けませんよ!? バクシンバクシーンッ!!」
そう言って、彼女は拳を握って突き上げ……。
その手の上にあった、焼きそばのパックをひっくり返したのでした。
次回! 次回で絶対に別視点ラッシュはおしまいです!
いや本当に全然展開進まなくて申し訳ないんですけど、次回でようやく各陣営の情報が出揃います。
そうすればいよいよ、大阪杯や皐月賞は目の前!
……いやはや、主人公が多すぎると扱いが難しいですね。
次回は3、4日後。別視点で、ホシノウィルムの弱点の話。
(追記)
誤字報告をいただき、訂正させていただきました。ありがとうございました!