ダンジョンにfateの英霊が居るのは間違っている? 作:静かなるモアイ
翌日。アストレア・ファミリアは金欠であり、現在借金が三億ヴァリス以上の赤字を叩き出してしまったが朝食はリッチであった。その食事はお隣のオーディン・ファミリアから出た廃棄パンである…そう昨日の売れ残りを唯でもらい、美味しく頂いたのだ。
「うぅ…廃棄パン最高!!これで作って貰ったフレンチトースト美味しい!!」
「あれ…おかしい。昨日の雑草汁と比べると涙が出てきた」
「モグモグ、持つべきは良き隣人だ」
「ええ、これに珈琲と紅茶が有れば完璧だったのですが…」
「廃棄パンってなんだか、コンビニみたいですね」
上からアリーゼ、輝夜、ライラ、リュー、美遊であった。持つべきは良き隣人。アストレア・ファミリアは5年前にギャラハッドに命を救われ、更に今…朝食も救って貰ったのであった。
「ええ、所で今日はギャラハッドから唯で手に入る食材の取り方を教わるのでしょ?」
アストレア様がお水を飲みながらそう仰った。そう、今日はギャラハッド直伝 誰でも頑張れば出来る!!唯で美味しい食材と食べられる雑草の取り方を教えて貰う日なのだ。
冒険者稼業には夢がある。金、名誉、女、全てが手に入る可能性が有り…歴史に語られる事がない冒険者が今日も夢を見てはダンジョンに潜っては夢を目指す。しかし、ダンジョン探索は言うならば収益が不安定であり、時には今のアストレア・ファミリアのように赤字を出してしまう時もあるのだ。
「「「「絶対…合法だけどヤバい気しかない」」」」
アリーゼ達の脳裏に…どや顔でニヤつく頭の可笑しいレベル8のヤヴェー奴の笑顔が浮かび上がる。ギャラハッドは確かに誰でも出来るとは言っていたが、雑草等の美味しい食べ方とも言っていた…つまりサバイバル関係なのは間違いないだろう。
そんな頭を抱える娘達から美遊に視線を移して、アストレア様は微笑み、話し掛ける。
「美遊。オラリオには慣れた?」
「はい…なんとか」
「良かった」
アストレア様は美遊がどんな世界から来たのか本人から聞いて知っており、場合によったら美遊の世界から追手がやって来る危険もある。だが、それでもアストレア様は美遊を受け入れた。
まあ、仮にその追手が来たら…ギャーさん、muscleオッタル、カルナさん等のオラリオ最高戦力が追手を文字通りに消し炭に変えるだろう。
2時間後。朝のモーニングタイムのラッシュが終わった頃、アストレア・ファミリアに所属する5人はギャーさんから「動きやすい服装、尚且つ汚れても問題ない服装で。靴は出来たら長靴だ」と言われたのでそのような服装に着替えて星屑の庭を出る。
「やあ、待っていたよ」
「皆さん、おはようございます!!」
そこには汚れても問題ない服装を纏い、長靴を履き、更には大きめのバケツと虫取網を人数分用意したギャラハッドとベルが居たのであった。
「それにしてもお前ら、良く下痢に成らなかったな?雑草って毒持ってる奴も有るからな?」
「「マジっすか!?」」
因みに雑草は毒を持っている物もあり、知らない雑草は絶対に食べないように!!知らない雑草を食べてもなんとも無いのはギャーさんとザルドだけだよ?
チャート1。オラリオに生えている食べられる雑草。
先ず、彼等がやって来たのはオラリオにある普通の公園だ。公園の為かこの時間から親子連れやオラリオ在住の子供達が元気に遊んでおり、嫌でも彼等は注目を集めてしまう。
「ママ~アストレア・ファミリアのお姉ちゃん達だ!!」
「お姉ちゃん達、どうしたの?」
「あっ!!レベル8の人だ!!」
オラリオでも有数のレベル5以上の第一級冒険者4人、オラリオ唯一のレベル8が1人、そしてレベル1の冒険者と恩恵持ちの少女が1人。彼等に共通するのは……長靴を履いており、虫取網を持っていることだ。
「世の中には食べれる雑草と…俺と親父(ザルド)以外は食べちゃいけない雑草があります。
食べれる雑草として有名なのはタンポポ。灰汁抜きをしてから野菜炒め、珈琲、色々と使えるぞ」
「「「タンポポって珈琲になるの!?」」」
ギャラハッドはタンポポを紹介し、そこら辺に生えているタンポポを抜き取ってはバケツの中に入れる。なお、そのバケツには『雑草用』と書かれており、収穫した雑草を入れるのだろう。
「後はノビルだな」
「「「ノビル?」」」
「野生のネギみたいな奴だな。パッと見…ニラに見えんこともない」
ギャラハッドはそう説明すると、そこら辺に生えている雑草をぶち抜いた。その雑草の根には小さな玉葱のような物が着いており…ネギ科の仲間である事が分かる。
「これがノビルだ。ネギの仲間だから料理にも使える」
「そこら辺に生えてる草にしか見えないけどな…。でもよ、私はこのそっくりな草食べて腹下した事有るぞ」
とアストレア・ファミリアの中でも最もサバイバル経験豊富なライラがそう言った。と言うのもこれには訳がある。確かにノビルは食べられるのだが、ノビルそっくりの毒性のある植物が存在するのだ。
「ああ、それはスイセンってそっくりさんだな。見た目は似てるが、簡単な見分け方がある」
しかし無知は罪なり、ノビルと良く似ているが毒を持つ雑草も有るのだ。その1つにスイセンと呼ばれる雑草があり、それは毒を持っており食べたら大変な事に成ってしまう。しかし、簡単に見分ける方法がある…それは…
「葉を手で軽く擂り潰す。するとネギの匂いがしたらノビル。しなかったらスイセンとかのそっくりさんだ」
「「「なるほど!!」」」
匂いで判断である。嗅覚に自信が無い人は専門家や知識のある人と共に雑草を採取しよう。
(なんだ…危ない事はないじゃないですか!!)
雑草の採取は簡単だ。手は多少汚れるが、そこまで労力は使わない。ベルは安堵したが…それは直ぐに誤られる事に成ってしまう。何故なら、まだメインディッシュを取ってないのだから。
「だが、冒険者は基本的に自分の体重分を2倍にし、キロからgに変換したタンパク質を取る必要がある」
そう、草だけでは生きてられず、肉類も必要なのだ。
「メインディッシュを取りに行こうか。メインディッシュは川の伊勢海老と森の大トロを取りに行こうか」
ニヤリと笑うグランド・セイバー。女の子にとっての地獄の始まりであった。
次にやって来たのは川。オラリオにも川は流れており、綺麗な川が流れている。だが、場所によっては工業地帯の排水が流れる場合が有るので、川で食材を選ぶ際は工業排水が流れていない場所を選ぶ必要があるのだ。
「ご覧の通りザリガニだ…良いか、ザリガニは海老だ海老!!高級食材伊勢海老と同じく海老なんだよ!!取り放題だ!!イヤッホォォォオ!!」
どうしてこうなったのだろうか?アストレア・ファミリア全員の感想である。アストレア・ファミリアは全員が女の子だ、美女だ、美少女だ、市民を犯罪者から守る正義の味方兼アイドルのような感じであり市民からの人気も高い。堅気の人間とは言い切れない冒険者と言えど、市民よりの冒険者達だ。
「ザリガニとったどぉぉお!!」
そんな彼女達の視線の先には我先へとザリガニを捕獲する頭の可笑しいレベル8の青年が捕獲したザリガニを天高く掲げていた。
「この大きさからしてウチダザリガニかな?少なくともアメリカザリガニより大きいな」
唖然としているベル、アリーゼ、輝夜、リュー、美遊の3人。だがしかし、1人だけ至って普通の乙女が居た。勿論、ライラであった。
「Gより旨そうじゃないか」
「旨いぞ。エビチリにしたら最高だ」
そう、ザリガニは旨いのだ。日本人はザリガニをあんまり食しないが、海外では常識であり…外国の方々はこうしてる間にもザリガニをたくさん食べている。
「ギャラハッドさん!!本当に食べるんですか!?」
「ベル。お前に1つ質問をしよう。なぜ、普通の海老は食べて、ザリガニは食べない?それでも冒険者か!!このゆとり世代がぁぁあ!!お兄ちゃん怒るで!!」
「冒険者の冒険の意味が違うんですけどぉぉお!!」
「うぅぅ…家を出たとは言え、名家の私がこんな事を…」
輝夜は涙を流し、網を川に入れてガサガサとザリガニを捕獲する。しかも汚れても良いジャージ姿でだ。だが、頑張らなければ今日のおかずは無きに等しい。乙女にはやらねばならない時があるのだ。
「うぉぉおお!!やるったら、やってやんよ!!やるしかないだしょぉぉぉ!!」
団長アリーゼ。覚悟を決め、ガサガサを結構する。アストレア様や美遊にこれ以上、野草の塩茹でをご馳走する訳には行かず、お姉ちゃんパワーで頑張るのであった。
「しかし…よくよく見たら美味しそうだ」
リューさん。料理も出来ないポンコツエルフであり、料理の才能はジョセフに匹敵するダークマター製造機2号…因みに3号と4号は豊穣の女主人で働く半神(この世界では)とフレイヤ・ファミリアの主神である。
「Gやネズミよりましか」
ライラ。アストレア・ファミリアの中で最もガサガサに適応した女傑。数多のザリガニを捕獲し、今日の…明日のタンパク質を捕獲するのだった。
「YouTubeで見たような気が…」
美遊。日本で見たYouTubeを思い出す。
「ベル!!躊躇するな!!ザリガニは繁殖力も高い!!とってもとっても増えるから気にするな!!」
「はっはいぃぃい!!」
だが、乙女達は知らない。このザリガニはまだジャブである事を。
デメテル・ファミリア。そこはざっくり言えば、オラリオの農家と言えるファミリアである。
そんなデメテル・ファミリアの敷地にやって来たギャラハッド達であったが、ギャラハッドは倒木の前で立ち止まる。
「さてと…大トロだな」
ギャーさんはナイフを取り出し、倒木を傷付ける。そして少し抉ると、何かを倒木から取り出した。
「コイツが旨いんだよ!!森の大トロとはコイツの事さ!!」
それは…クネクネと動いており女子ウケ0%の見た目をしている。クネクネと動き、白い姿。この大トロはカミキリムシの幼虫である。
「「「「いやぁぁぁぁあ!!」」」」
「火で軽くアブって食べると旨いぞ?ベル、試しに食べろ。お前が食べたらアリーゼ達も食べるだろ」
「なんで僕が食べるんですかぁぁぁあ!!嫌ですよぉぉお!!」
たっく、最近の子供は…
ギャラハッドはそう囁き、幼虫を軽く魔術でアブって食べてしまった。
「うん!!トロだトロ!!ほら、未々居るぞ?さあ、ベル…次はお前の番だ!!」
「ザリガニは食べれますけど、流石に幼虫はムリでぇぇえす!!」
デメテル・ファミリアの敷地に、兎の叫びが木霊した。
アストレア・ファミリアの本日の献立。勿論、作ったのはギャーさんである。
ザリガニのエビチリ。薬味としてノビル。
ザリガニの天ぷら。
ザリガニのチャーハン。
ノビルの根っこの酢味噌あえ。
タンポポの野菜炒め。
ノビルとタンポポの根の佃煮。
大トロ虫の炙り。
大トロ虫の炙り寿司。
普通に食べればザリガニのエビチリが一番美味しく、目を瞑れば大トロ虫が最高に旨かったのこと。
因みに淡水のザリガニは寄生虫が着いてる場合が有りますので、料理に使う際は絶対に加熱してください。ザルドパパとの約束だよ?
次回!!神の宴。影が普通に薄いオーディンのおっさんが宴に参戦!!
ガネーシャ「俺がガネーシャだ!!」