ダンジョンにfateの英霊が居るのは間違っている? 作:静かなるモアイ
レベル7の猛者オッタル、騎士王アーサー、施しの聖者カルナは高みを見せられ追い付こうと再び冒険に乗り出した。まあ、その代わり3人仲良く巨大なウダイオスのドロップアイテムを担いで「えっさ、ほいさ」と深層からヘファイストス・ファミリアの工房まで運ぶ光景が見られたが。
円卓ファミリアのマダオ以外はレベル8という高みを見せられ、滾らぬ者など居らぬ!!と言いたげに冒険という情熱の炎に燃えてお互いを切磋琢磨に鍛え出す。
フレイヤ・ファミリアは滾ったオッタルは兎も角、他はヤンデレの巣窟なのでどうなってるかは分からないが…フレイヤからのゴーサインが出たら再び冒険に乗り出す事は間違いないだろう。いや、それ以前に此処はヘラ・ファミリアがかつて行っていたのと同じで構成員同社による実戦形式の訓練が毎日行われている。少なくとも全体的にレベルは上がるだろう。
では同じく最強派閥の1つ…ロキ・ファミリアはどうなっているのやら?勿論、変化は起きた。ギャラハッドによる発破を促すために『失望』という言葉を投げ掛けられ、その後にレベル8へのランクアップの発表だ。
先ず、ベートは痔に成った。うん、まあ、当然である。レベル8の圧倒的力から繰り出された浣腸。それはレベル5のベートの肛門に絶大なダメージを与えてしまい、ベートは痔に成った。しかもベートを慰める者は誰も居ない…まあ、仕方無いだろう…うん。
「うごごご……けっ穴がぁぁぁあ!!」
しかも異世界にはヘファイストス・ファミリアとオーディン・ファミリアの拠点以外にはウォシュレットは存在しない。故にベートはデリケートゾーンを抱えて生きていかなければ成らないのだ。
「おーい、ベート。休憩は終わりじゃ!早く出てこんか!!」
だが、ベート・ローガは此処で終わる男ではない。痔でお尻が大変に成っても終わる男ではない。確かにベートはオラリオ全体で見れば数少ないレベル5の冒険者であり、名声は全世界に響いている。だが、酔った拍子で駆け出し冒険者を笑い話にしてしまい…更にレベル8に論破されて圧倒的力を見せられた。
「くそが!!」
お尻の激痛をこらえ、ベートはトイレから出てきた。
終われない…終われるものか。此処で自分は第一級冒険者だからと高を括れば自分はこれ以上成長出来ないと認めてしまう。自分より強い冒険者は沢山居る…ロキ・ファミリアだけで5人、他を探せばもっとだ。
「ガレス!!もう一度だ!!」
「そう来なくてはな」
だが、変わったのはベートだけではない。最高幹部もそうだ。ガレスはベートと毎日、実戦形式の組み手を行ってはダンジョンに潜ったりしている。
「リヴェリア…俺は随分とカッコ悪い大人に成っちまったよ」
「シャルル…」
シャルルマーニュは自分が情けなくて仕方がなかった。自分達は何年もレベル6のままだ。良くこれで都市最強の派閥だと名乗れたものだ。しかし、ロキ・ファミリアは方針上…どうしてもかつてのゼウス・ファミリアやヘラ・ファミリア、フレイヤ・ファミリアと違って着実に下位の構成員を育てる方針だ。その分、新人は怪我なく育つが…劇的に育つことは少ないだろう。
「ママがシャルルと話してる」
「静かにするんだアストルフォ。聞こえるぞ」
「ああ、裸は良いものだ!!」
なにやらリヴェリアが我が子のように育てているアストルフォ、そしてアストルフォと仲の良いローランとオリヴィエが此方を見てるが…気にしてはいけない。
「こうしてる間に猛者や聖者、騎士王はギャラハッドに追い付こうと必死なんだろうな…俺は…」
そこで言葉を切り、シャルルマーニュは首を横にふる。その先を言えば自分は敗けを認めてしまう。それでは余りにも、情けな過ぎる。
「いや、まだ終ってない!!リヴェリア…俺はまだ終ってない筈だ!!」
「ああ、そうだ。お前も私も終ってない。行こうか、冒険に!!」
いざ…もう一度冒険へ。
当然、それは中層満足なロキ・ファミリアの構成員にも現れていた。
「アキ…俺は自分の冒険を諦めていただけなんすかね…」
「ラウル…」
ロキ・ファミリア所属のモブキャラに見えんこともない人物 ラウル・ノールド。そして猫耳が特徴的な猫人の女性アナキティ・オータム(愛称アキ)はギャラハッド失望事件から思うところが有ったのだ。
ラウルとアナキティは同期だ。あとギャーさんとも歳が近い。2人は門番に受け入れられ、無事に面接を受けられてロキ・ファミリアに入ることが赦された。しかし、ギャーさんは門番に面接を受けさせて貰えず、門前払いされ「貴様のような有象無象がロキ・ファミリアに入れると思うな!!」と告げられて追い出されたのだ。
ラウルもアナキティも英雄を目指した…いや、目指していた。だが、ロキ・ファミリアに入り…純粋に冒険を楽しんでいたのは最初の3年位であった。やがて自分達の才能を知り、ロキ・ファミリアが大きすぎる派閥と言うことも有ってか組織の維持を優先するように成ったのだ。
「私は英雄に成りたかったのに…どうしてこうなっちゃったのかな?」
最強のロキ・ファミリアだからと浮かれていた部分もあった。門前払いされたかつての少年はどうだ?たった1年でロキ・ファミリアの誰よりも強くなり、2年でレベル7に到達し、そして今年に英傑マキシム…ゼウス・ファミリアの団長と並んだのだ。
「私…もう一度冒険しようかな…いや!!する!!」
「俺もやるっす!!」
「頑張るのだぞ…お前達は伸びる!!」
もう一度冒険をすると決めたアナキティとラウル、そして2人を影から見守るノアール爺さんであった。
「ひぃぃぃい…なんであの白髪頭があんなに強くなるんだよ!!」
なお、ギャラハッドを門前払いした嘗ての門番 万年レベル3のシュピーネさん。ロキから「お前、5年前にギャーさん門前払いしたやんな?ギャーさんより強いってことやんな?」と脅されたとか。
一方のロキたん。
「さてと、ギャーさんの発破を受けてウチの子供達に良い刺激が入ったわ!!無理はあんまりして欲しくないけど、良い意味で変わって欲しいで!!」
ロキは珍しく優雅なドレス姿で出掛けていた。それも護衛も着けずにである。まあ、それには理由が有ったのだ。
「神の宴か…まあ、ガネーシャの所でやるって事は怪物祭に備えての根回しもあるんやろうな」
神の宴。ざっくりと言えば神が自分のホームで他の神々を呼んでパーティーを行うと言った感じである。神の宴では多くの神々が集まるので、情報収集や近状報告も出来ると言った感じなのだ。とは言え、神の宴は多くの神々が集まるので規模の大きなファミリアで無ければ主催は難しいだろう。
零細ファミリアは本拠が一軒家と変わらないし、中堅ファミリアでも大勢の神々を招き入れるのは難しく、主催と成れるのは経済力豊かで尚且つ本拠が大きなファミリアの主神で無ければ難しいのである。
「相変わらず…すんごい本拠やな」
そんなガネーシャ・ファミリアの本拠は御存知 アイアム・ガネーシャ。あぐらをかいたガネーシャを模した住居であり全高は30M。しかも股間が入口であり、アーディやシャクティという女性人もこの股間から出入りしてるのだ。なお、建築費はガネーシャに泣き付かれたカルナが深層で稼いできた。
『カルナぁぁ!!頼む!!』
『命令と有れば』
『ガネーシャ。カルナに泣き付くな』
『アッセイ!!』
と…こんなやり取りが有ったらしい。
「まあ、入ろっと」
そしてロキたんはアイアム・ガネーシャの股間をくぐり、中に消えていった。
ロキたんが潜ること、3分後。ベル君とギャーさんの主神であるオーディンがやって来た。勿論、パーティーに参加するために普段の店員衣装ではなく緑色のスーツ姿と成っている。
「ふむ…良いセンスだ」
アイアム・ガネーシャを見上げ、そう言ったオーディンはアイアム・ガネーシャの股間をくぐり…中に入っていった。
オーディンが潜ること約30秒後。なにやら、異世界では先ず聞く筈がないエンジンの音が響き渡る。やがてエンジンの音はどんどん大きくなっていき、それは直ぐに明らかに成った。
「ヘファイストス!!おろしておろしてよぉぉおお!!」
「あら、ただ飯食べたいってほざいたのは何処の誰かしら?」
エンジンの音を響かせているのは赤いオープンカーであった。なお、ヘファイストスのロゴが記されており、それを運転するのはギャーさんと共に日夜とんでもない代物を産み出していく神ヘファイストスことヘファイストスの姉御であった。
「てか、なんなのさ~ヘファイストス!!」
と助手席で抗議するのはツインテールなロリ巨乳の神様…ギャーさん曰くバイトの神様ことヘスティアであった。
「ギャラハッドと合同で開発したスポーツカーよ。エンジンはあの子が神秘で作ったアークリアクターよ!!」
神の宴は神様なら零細ファミリアでも参加できる。ヘスティアは神様でも有るので必要最低限の参加資格は満たしており、たらふくタダ飯を食べたいという希望を叶えるためにヘファイストスと共に宴に参加する事に成ったのだ。
「捕まってなさい!!ヘスティア!!」
「ヒィィイ!!お助け!!」
ヘファイストスの姉御は華麗にドリフトを決めて、アイアム・ガネーシャの前にスポーツカーを停車させる。その様子にアイアム・ガネーシャの門番は唖然としていた。
「やあ、門番君。私の愛車は何処に停めたら良いかな?」
「そこでお願いします…」
姉御は指定された場所にスポーツカーを停車させて、ヘスティア様と共にアイアム・ガネーシャの股間をくぐった。なお、よっぽどドライブが刺激的だったのか…ヘスティアの足は千鳥足に成っていたのだ。
「俺がガネーシャだ!!」
「「「イェーイ!!」」」
「アッセイ!!」
パーティー会場では主催者であるガネーシャ。そしてガネーシャの眷属の中でも中間層の構成員達が給仕を行ってくれていた。なお、その中に幹部の1人であるスパルタクスが混ざっているが、気にしてはいけない。
「ガネーシャ!!【筋肉】はいいから、アーディたん出して!!カルナさんでも良いぞ!!」
「俺がガネーシャだ!!」
「「「知ってるわ!!」」」
「アーディはオーディン・ファミリアの本拠に遊びに行ってて、カルナはダンジョンだ!!この場にはいない!!」
アーディたんはオーディン・ファミリアのバーに、カルナさんはダンジョンでモンスターを乱獲しているそうだ。故にこの場には居ない。強いて言うなら幹部の【筋肉】スパルタクスさんが居る位である。
「オーイ!!おにぃ!!おにぃも来たんかいな?」
立食パーティーを楽しんでいたオーディンであるが、ロキに声をかけられた。
「ロキ。妹よ、お前もか」
「せやで。まあ、この宴は怪物祭の根回しも含まれてるからな」
怪物祭。それは年に1度、ギルド主催で行われるお祭りであり…ガネーシャ・ファミリア全面協力で行われるお祭りである。怪物祭という名前からして分かる通り、ガネーシャ・ファミリアの調教師がモンスターをテイムするショーも行われるのだ。
「ふむ。所で我が家のギャラハッドが発破をかけたようだが、どうかね?」
「皆やる気バッチリや!!」
ベートは痔に成ったけど…とロキは言ったが、取りあえずロキ・ファミリアがやる気を出してくれたのは良かっただろう。ベートの尻が犠牲に成ったが。
「イエス!!お酒飲み過ぎだよ!!」
「そういう仏陀こそ、食べ過ぎじゃない?」
「ローマである!!」
なにやら愉快な神々が楽しんでいるようだ。情報収集を行っている。
「しかし、我が妹よ。なんで他の神々は俺に挨拶しかしないのだ?」
「ギャーさんが怖いんちゃう?ギャーさん、ウチら神々を神様ではなく一個人で見てるんやもん」
ロキの言葉で「そういや」と思い返すオーディン。
ギャラハッドはオーディンには「おっさん」呼び。ロキにはロキたんと愛称を付ける。ヘファイストスには姉御と親しみをつける。ゼウスにはジジイ呼び。
「おや、オーディンとロキではないか」
ふと、声をかけられる2人。そこには金髪碧眼で超巨乳の女神がたっていた。彼女の名前は女神ロンゴミニアド…かつてアルトリア・ペンドラゴンと呼ばれた者の成れの果てである。
「ロンゴミニアドか」
「ええ。ガネーシャにも伝えたが、貴殿達にも伝えておこう。私の直感が囁くが、怪物祭はなにかが起きる」
女神ロンゴミニアドはそう言って別の神々に挨拶に向かった。
「……当日、ギャーさんをダンジョンに潜らせたらアカンで」
「ああ。だが、ベル坊がもうすぐランクアップするかも知れんからな。ギャラハッドが短期合宿を行う危険性が」
その言葉を聞き、ロキは「ベルたんを門前払いした門番も問い詰めなアカンな…切腹物や!!」と言ったのであった。
次回!!ベル君とマシュのレベルアップ合宿!!
ギャーさん「2人でインファントドラゴンを倒せ。危険と判断したら助ける」
マシュ、ベル「インファントドラゴンを2人で!?」