ダンジョンにfateの英霊が居るのは間違っている?   作:静かなるモアイ

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思いの外…長くなった。


もう止めて!!ベートのお尻は限界よ!!

ミノタウロス、上層出現事件から翌日。

 

「ベル。ザルドの知人が7年前にオープンさせた居酒屋が有るんだが今晩行く?」

 

ベルはギャラハッドから誘いを受けた。なんでもザルド…ベルとギャラハッドの養父の知人がオープンさせた美味しい居酒屋が有るのだという。開店してから実に7年、値段は少し高いがボリュームと美味しさから考えれば充分に安く感じられる所だそうだ。

 

「ザルドさんの知人?」

「ああ。ザルド達が現役だった頃のフレイヤ・ファミリアの団長だ。今は一線を引いていてな…可愛い女の子と共に御食事何処をオープンさせたって事さ。俺もアイズやアーディ達とたまに行くぞ」

 

その食事処の名前は豊穣の女主人。フレイヤ・ファミリアの元団長 ミア・グランド 二つ名 小巨人 が切盛りする美味しいお店である。

 

「お兄さん…なに女の子連れて行ってるんですか」

「こんな時だけお兄さんって呼ぶな」

 

なお、ギャラハッドの友人はヴェルフ以外では女性が多い。アストレア・ファミリアのメンバー、ガネーシャ・ファミリアではアーディ、ロキ・ファミリアで言えばアイズだったりと女性が多い。ギャラハッドが円卓ファミリアやロキ・ファミリアに仮にも入っていたら違っていたかも知れないが…タラレバは手遅れだろう。

 

むしろ、2人の義理の祖父であるゼウスは『ハーレムじゃ!!ハーレムじゃ!!』と喜びそうではあるが、そんな祖父には『ゴスペル』とささやく一撃が待っていることは間違いない。

 

 

 

オーディン・ファミリアの本拠から歩いて徒歩、10分以上。広いオラリオ故に店によっては結構遠い所も有るのだ。だが、そんな事も言ってはられないだろう。なにせオラリオは世界中から冒険者や神々が集まっている。人口密度もこの物騒な異世界とは言えかなりの密度が有るのだから仕方があるまい。

 

「此処が豊穣の女主人。金は気にするな、奢ってやる」

「でっでも」

「深層のフォモールを根刮ぎ乱獲したからお金は有り余っている。気にすんな、今なら城も買えるぞ(ナルカミとフクロウで合計5億ヴァリス消えるけど)」

 

原則的にモンスターから取った魔石を換金し、冒険者は生計を立てている。その魔石であるが上層に出てくるゴブリンよりも下の階層のモンスターの魔石の方が上質であり高額で換金してもらえる。つまり、ギャラハッドが乱獲したフォモールの魔石は量と質どちらを含めても普段ベルが乱獲しているキラーアントの魔石より遥かに高い金額で取引されるのだ。例えるなら、キラーアントの魔石が1つ千円ならフォモールはだいたい五万位である。

 

そしてベルはギャラハッドに連れられ、豊穣の女主人の扉を潜った。

 

「いらっしゃい!!おっ!!ベヒーモス討伐のお祝い以来だね!!元気だったかい!最新の英雄様の来店だ!!」

「よっ、ミア母ちゃん。今日は弟分を連れてきたぞ」

 

豊穣の女主人に入ると、年期の入ったドワーフの女性が出迎えてくれた。彼女こそ、この店の店主であり元フレイヤ・ファミリア団長であるミアである。常連客や店員のウェイトレス達は彼女の事をミア母ちゃんと呼んでいる。

 

「地元で一緒に育ったベルだ。まあ、弟のような感じだな。ベル、挨拶」

 

ベルに挨拶を促すギャラハッドであったが、肝心のベルは興味深そうに店内を見回していた。店員さんは全員が美少女!!もう一度言おう、美少女しかいない!!その上種族も人間(美少女)、人間(美少女)、猫人(美少女)、猫人(美少女)!!兎に角美少女が4人もウェイトレスをしてくれている!!我が家の糞ジジイ(ゼウス)からハーレムは良いぞと言ってはママに吹き飛ばされていた糞ジジイの言葉を思い出したベルは嬉しそうだった。

 

「ベル……ご覧の通り思春期でな。たらふく食べてお金を落とすから許してやってくれ」

「若くて良いじゃないか!!アンタも女の子連れて良く来るのに、人のこと言えないだろ」

「確かにな」

 

実はと言うとギャラハッドも人のことは言えない。アストレア・ファミリアの女の子と来るわ、アイズたんとアーディたんと一緒に来るわ、なんなら彼女ら全員と来るわ、ギャラハッドもベルの事は言えないだろう。来る度に男神と男性冒険者(脈無し)は血涙を流し、ギャラハッドを闇討ちしようとし…返討にあってアイアム・ガネーシャの鼻や広場で晒し者にされるとか。

 

「あっ!!すいません!!ベル・クラネルです!!」

「因みにベルは滅茶苦茶食うぞ。ザルドとイスカンダルの間ぐらい」

「えー!?」

 

ベル君…特盛確定。

 

店内は奥のテーブル席6つほど…大体30人ほど座れる席が空いているが、そのどれもが『予約』の立て札が置かれている。どうやら団体さんがやってくるようだ。

 

(何処の派閥だ?)

 

とギャラハッドは考えるが、他に空いている席と言えばカウンター位だ。他の席は何処も冒険者や御近所のお客様が座って料理や楽しんでおり、カウンターしか無いだろう。

 

「マジかよ…冠位ノ剣が来やがったぞ…」

 

「静寂の再来!!ヒッヒィィ!!」

 

「頭の可笑しいヤヴェー奴が来たぞ!!」

 

「オラリオに4人しか居ないレベル7の中でも頭がヤヴェー奴!!」

 

と…テーブル席に座っていた冒険者達が騒がしくなる。

 

「剣姫と象神の詩の二股交際やろう!!」

「いや、アーディたんとアイズたんの他にも…アストレア・ファミリアの冒険者複数とデキてる噂が…」

「「けしからん!!マジでけしからん!!」」

「お前ら、表出ろ。ケラウノス…いやガンマ☆レイの時間だ」

「「「「サーセンでした!!」」」」

 

 

此処には色んな冒険者が集まってくる。その為か、有名に成ってしまえば嫌でも注目はされてしまうだろう。有名に成れば、嫉妬や妬みも向けられてしまうかもしれない。特に男なら女関係や金関係なら尚更だ。

 

しかし、予約席とテーブル席が満席となると相席以外ではカウンター席しか無いだろう。カウンターは全部含めて8席でありケモ耳がある筋肉muscleな男が既に座っており、残りは7席しか無いだろう。豊穣の女主人で食べるためにはしぶしぶカウンター席に座るしかあるまい。その結果、ベルはmuscleな男の隣、ギャラハッドはベルの隣に座った。

 

「成るほど…お前が暴喰と静寂の息子、そしてギャラハッドの義弟か」

 

ふと…ベルは隣に座っていたmuscleの男を見る。その男はケモ耳が生えており、獣人…恐らくは猪人であろう。

 

「オッタル。新人を怖がらせるんじゃないよ。アンタ、唯でさえ口足らないし、背が大きいんだからね」

「背が伸びたのはアンタに飯を食えと言われたからだが」

 

ミアはそのmuscleに向けてオッタルと呼んだ。オッタル…ベルだってその名前を聞いたことがある。と言うか、立香から聞いた。ギャラハッドと同じくレベル7。ゼウス・ファミリアとヘラ・ファミリアがオラリオから去って以来…初めてレベル7に到達した猛者。二つ名は猛者と書いて「おうじゃ」である。

 

「冠位ノ剣。貴様、まさか至ったな?」

 

オッタルはハンバーグをツマミにビールを飲み干し、ギャラハッドに問う。至った…とはつまりレベル8にランクアップしたな?という事である。

 

「おう。公式発表まで内緒な?2ヶ月まえから成れたんだけどな」

「ベヒーモス討伐か。当然か」

 

オッタルは納得したように微笑み、灰色の髪をしたウェイトレスの少女に「シルお嬢様。おかわりを」と告げて空ジョッキを手渡した。

 

「ミア母ちゃん。取りあえず…レアステーキ、唐揚げ、マルゲリータ、飲み物は赤ワインで。ほら、ベル…好きな物を頼め。ただし、酒は飲み過ぎるなよ?酔い潰れたら置いていくからな?」

 

ギャラハッドはミアに注文を告げて、その流れでベルに好きな物を頼むように告げた。

 

「そういうアンタは極めてるな。まあ、当然か」

「7年も有ればな。お嬢様と同じく半神である施しの聖者、騎士王も似たような物だろう。後は試練だけだ」

 

メニューを見ながらベルは両サイドに居るギャラハッドとオッタルの会話を聞く。ベルは冒険者に成ったばかりであり、極める、至る、ランクアップの仕方とかは未だ良く分からない。

 

「坊主!!何が良いのか分からないなら、私がオススメをだそうかい?どうせギャラハッドの奢りだ!!たらふく食べな!!冒険者は食べて食べて冒険して、泥臭くても最後まで自分の脚で立ってたらそれだけで勝ち組さ!!」

「少年。泥臭くても良い、負けても良い、最後に立ち上がり勝利を掴めれば良い。俺も駆け出しの頃は敗北の繰り返しで何度も地面をなめた。冒険者は最後まで自分の脚で立って帰ってきた者が勝者だ。その勝利を積み重ね、やがて試練を越えれば強くなる」

 

とフレイヤ・ファミリアの元団長と現団長に激励の言葉を言われ、ベルは嬉しそうに笑みを浮かべた。

 

「あっベル。オッタルやミア母ちゃんは良い人だが……大半のフレイヤ・ファミリアはヤンデレの巣窟だから気を付けろよ」

「「それに関しては同意しかない」」

「マジっすか!?」

 

すると…店の扉が再び開かれる。新たなお客様がやって来たようだ。

 

「あっ!!ギャラハッド!!」

「ギリギリだな。本当に此処は繁盛している」

「アッセイ者よ!!汝を包容せん!!」

「猛者、ギャラハッドか。奇遇だな」

 

美男、美女、美少女、そしてmuscle!!ガネーシャ・ファミリアのメンバーであった。

 

「カウンターしか無いが…良いかい?」

「ああ」

 

美少女はアーディ・ヴァルマ。最近レベル6に成ったガネーシャ・ファミリアの実力ならNo.2。なお、憧憬一途持ちである。

 

美女はアーディの歳の離れた姉 シャクティ・ヴァルマ。見た目は完全に20代だが年齢はアラフォーである。レベル5であり、二つ名は象神の杖。

 

美男は白髪に長身スタイル抜群のイケメン。ガネーシャ・ファミリアが誇る最強戦力、実力はオラリオの上から数えて間違いなくトップ5に入る人材。レベル7 二つ名は施しの聖者。天文学的確率で産まれた文字通りの()()。その名をカルナ。

 

muscle?はい、ガネーシャ・ファミリアのmuscle=スパルタクスさんです。今日も元気にアッセイ!!

 

そしてアーディはギャラハッドの隣、シャクティはアーディの隣、カルナはシャクティの隣、そしてスパルタクスはカルナの隣に座ったのだが…スパルタクスがmuscleで肩幅がゴツイ為か…1人で2席分の幅を取ってしまっている。つまり、椅子は1つ空いてるがカウンター席は満席に成ってしまった。

 

「おおう!!少年!!久し振りだな!!所で圧政者に関してはどう思う?」

「圧政者って何ですか!?」

 

そしてベル君。約10日ぶりにスパルタクスとの遭遇であった。

 

 

「お前もか、猛者」

「お前もか、聖者」

 

「お姉ちゃん!!何食べるの?」

「私は…そうだな…」

「ギャラハッドは?」

「ステーキとピザ。あと居酒屋の定番 唐揚げ」

 

「少年よ!!アッセイ!!」

「アッセイ!?」

 

「そういや。この前…ウダイオスをソロで倒したら…なんかでっかい剣をドロップアイテムとして残したな。今頃はヘファイストスの姉御がフクロウにしてるけどな」

「「ウダイオスがドロップアイテムだと!?よし、ソロでやるか」」

「アーディ…お前はやるなよ?出来るのはこの3人と騎士王位だ」

 

と居酒屋での時間は直ぐに去っていくのだろう。だが、店の扉が開かれ…

 

「御予約のお客様にゃ!!」

 

予約の客…それはロキ・ファミリアであった。しかも遠征に参加した者全員だ。中でもアイズはギャラハッドがカウンターで飲んでると知ると、行こうとしたが…残念ながらスパルタクスさんのお陰で空席が使えないのと…ギャーさんの隣でアーディが居たためか…アイズはむすっと頬を膨らませる。

 

(ギャーさん…やるんやな?)

(ああ、切っ掛けが出来た瞬間にやってやるさ!!)

 

とギャラハッドとロキがアイコンタクトで会話を行う。

 

とは言え、今日は楽しい食事の場。ぶっちゃけ騒ぎは起こしたくない。それは誰もが思っていた…だが、ロキ・ファミリアのベート・ローガが事を起こしたのだ。

 

「ぷっはー!!」

 

お酒の席でつい楽しかったのだろう。ベートはそこそこ酒を飲んでおり、ラウルだったりノアールだったり、猫人の女性…確かアナキティだったか?ロキ・ファミリアで店にやって来た人の半分程は顔が赤くなってきている。

 

「はっはは!!聞いてくれよ!!俺達から逃げたミノタウロスがよ、最後の一匹がヒック!!上層まで逃げてさ、アイズがぶっころしたけどあからさま駆け出しなガキ2人にミノタウロスの血がぶっかかてさ!!トマトみたいに成ってよ!!傑作だぜ!!」

 

ベートが言う。ベートの言うガキ2人とは間違いなく、ベルとマシュの事である。

 

「なあ!!アイズ!!お前、あれわざとだよな?傑作だぜ!!あんな雑魚のお陰で俺達の評判が下がるってもんだよな!!」

 

ベートの言葉に同意するように笑うロキ・ファミリアのレベル4付近の現状維持で満足している冒険者の面々。

 

だが、酔ってるから気付けないのだろう。かつて弱者だった故に、弱者の気持ちが分かる猛者と…聖者と呼ばれる優しい太陽が恐ろしい形相でベート達を睨んでいる。まるで、これ以上続けてみろ…潰すぞ?と言いたげにだ。

 

「ベート。食事の場やで?飯が不味くなるわ」

 

最後の慈悲としてロキが告げるが、ベートはお構いなしだった。つまり…

 

「オッタル、アーディ。ベルを頼む。あと、ミア母ちゃん…前払いの迷惑両だ」

 

有限実行である!!

 

 

 

「煩い。その騒音を止めろ」

 

ギャラハッドは立ち上がり、ロキ・ファミリアの席に向かう。

 

「あっ!?」

「雑魚が雑魚雑魚と良く吠える。本当に入らなくて良かったよ…駆け出しを嗤い、酒の肴にする冒険者と一緒のパーティーに成りたくないからな」

 

因みに事前に言っておくが、ギャーさんによるロキ・ファミリア口撃計画を事前に知ってるのはロキとアイズだけである。

 

「てめぇぇ!!」

 

酔ったベートは乱暴にも立ち上がり、ギャラハッドの首筋に向かってハイキックを行う。いくら酒が入っているとは言え、レベル5の冒険者。一般人やレベル1のベルには見えない速度でギャラハッドの首筋に直撃する。首は御存じ弱点だ、首が折れたら大変な事に成るのは皆も御存じだろう。

 

「なっ!?」

「俺達の評判が下がるか…その程度で満足なら失望物だな」

 

ギャラハッドにダメージはない。それどころかギャラハッドを蹴ったベートは人ではなく…もっと頑丈…アダマンタイトやオリハルコンを蹴ったような感触を感じたのだ。いや、ベートだって本気で蹴ればアダマンタイトに亀裂を与えることが出来る…アダマンタイトやオリハルコンではなくもっと分厚い壁を蹴ったと錯覚したのだ。

 

「魔術もケラウノスもスキルも使ってないぞ?純粋に耐久だけで防いだ。それだけだ」

「バカな…いくらレベル7でもこんな事は…」

「誰でも最初は弱い。お前もそうだっただろ?お仕置きが必要だな」

 

ギャラハッドはそう告げ、ニヤリと笑みを浮かべる。

 

「我が家の鼻にぶら下げるなよ」

 

そして念のためにシャクティがビールを飲みながらそう言った。

 

二本貫手を重ね合わせる。人々はこれをこう呼ぶ、浣腸の構えだと。

 

「木の葉流体術奥義!!千年殺し!!」

 

ベートの叫びが轟き、ベートは疣痔になる未来が確定した。

 

「さてとロキ・ファミリア。正しくは今、此処で伸びてる哀れな痔の患者と成った酔っ払いと小人の勇者、エルフの王族、人間の聖王、ドワーフの重戦士、そして冒険という冒険を諦めたレベル4や3の大人達だ。

5年前、俺がオラリオにやって来た。そして4年前に疑問に思い初め…先日…遂に確信した。失望したよ、これで最強の派閥かとな」

 

失望…今、目の前の青年がそう告げた事に真相を知っているアイズとロキ以外のロキ・ファミリアの気配が変わる。

 

(やるんだな?ギャーさん!!今、此処で!!)

(ああ、やってやるさ!!)

 

ロキ・ファミリアの未来の為に、現状維持に甘えていた最強派閥に発破をかけるためにギャーさんによる口撃が始まった。




次回!!口撃からのギャーさんランクアップ公表!!オラリオに激震が走る。

番外編書くとしたら?

  • オラリオ野球大会!?
  • ギャーさんレコード(5年前)
  • アルフィアママの襲来
  • バイト女神ヘスティア様
  • ザルドパパの来訪
  • ギャーさんVS円卓VS保護者
  • オラリオ女子会
  • 将軍かよぉぉおお!!
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