申し訳ありません。
「ん……」
意識が目覚めると見知った天井が見えた。
くそう、「知らない天井だ」、て言えないじゃないか。
「起きたか」
横から声が聞こえる。
首だけそちらに向けるとルフが此方を覗きこんでいた。
「相当疲れてたのか? 庭で立ったまま寝るなんて…… ちゃんと休息をとれよ?」
「あー、そうかもな。 次からは気を付けるわ」
「その口調を聞くのは久しぶりだな」
「そうだっけか?」
言われて少し思い出してみる。
ああ、ロキを挑発するときにこの口調に変えてた…… か?
「まぁ、その口調も良い。 別の格好よさがある」
「ホモはお断りだぜ?」
「ば……! そんな意味で言った訳じゃないぞ!」
顔を真っ赤に染めて吠えるルフ。
赤くするなよ。 マジっぽいぞ。
その後多少雑談してルフは部屋から出ていった。
俺は再び寝転がり目蓋を閉じる
「……」
目蓋の裏であいつが嘲笑を浮かべていた。
…… やっはり、勝てねぇのかなぁ。
何度も挑み、その度に不様に負けて、精神壊されて、回復させられて、また挑んで…… この繰り返し。
しかも相手の攻撃すら未だに理解出来ていない始末。 理解出来たのは全部あいつが使った物を目の前に放り投げてきた時だけ。 酷い時は爪楊枝で全身串刺しにされるし
──これは爪楊枝だ。 継ぎ目すら無い綺麗なフォルムをしているだろう?
クッソ、腹立つ! 確かに爪楊枝は油断させやすくて俺も武器に使うがあいつ、どこぞの英雄王の如く打ち出してきやがって…… メラガイアーの嵐が爪楊枝五本に負けるってどういう事だよ!
「! っ……」
いかん。 興奮すると斬られた腕が痛む。
本当におかしい。 痛覚は遮断している筈なのに。
斬ったモノの能力を無効化したりするのか? いや、しかし腕は再生出来たしな
しかし…… あれは恥ずかしい。
いくら恐怖がカンストぶち抜いたからってあれは恥ずかしい。 穴があったら入りたい、そして埋めてくれ。
「……」
ま、まあ、あれだ。 あれは仕方無いんだ。 この世の全てを創りあげた神にああいう感情を抱くのは仕方無いな、うん。
一般人がアザトースと会ってしまったようなものだ。
「はぁ…… ま、言い訳ですね」
過ぎた事でウジウジしてても意味が無い。
私は布団から出て気晴らしに散歩に出掛けた。
「寝間着のままで行くのか?」
「おっと」
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
冥界に無断侵入し、その何処かの森をゆっくり歩いていく。
時々殴りあっているウンディーネとかを見かけたりシルフィードやイフリート達のお茶会を見かけたりと、色んなモノを目撃した。
案外珍しいモノを見つけますね、此処の森は。
「……」
現に目の前に
どうしましょう? かれこれ一時間程この状態なのですが……
「お前、何?」
…… ようやく口を開いたかと思えば、いきなり存在を問われるとは思いもしませんでしたよ。
「私は私。 神無月蓮夜です。
それ以上でもそれ以下でもありません」
「我、オーフィス」
知ってますよ。
それで、オーフィスは何用で私の前に現れたのですか?
「……」
ちょっと? 無視ですか?
なんだこの子……
そのまま口を閉じたまま動かないオーフィスに背を向けて歩き出す。
まったく、本当に何の用で…… っ!
本能に従って身体を思いきり横に飛ぶ。
何かが音を超えて真横を通り過ぎる。
直後に目の前の森が轟音と共に消し飛んだ。
「…… なんのおつもりで?」
怒りを抑えながら振り向くとオーフィスが拳程の石を振りかぶっていた。
さっき飛んできたのは石ですか…… っと!
再び投げられた石を手刀で切り落としオーフィスに肉薄して手刀で胸の中心を穿つ。
貫く直前にオーフィスは大きく後ろに飛び回避した。
「…… もっかい訊きますよ。 何のよーでごぜーましょーか」
「我、お前の力、気になった。 だから試す」
オーフィスは一気に距離を詰め力任せに拳を振り抜いた。
上体を後ろに反らしながら拳を上に受け流す。
振り抜かれた風圧だけで再び森が消し飛ばされる。
わお…… あっちウンディーネ達がいた方角じゃねーですか。
がら空きになった胴体に蹴りを入れてオーフィスを吹き飛ばす。
バク転を二、三回して更に距離を離してから飛んでいった方を凝視する。
木の残骸の中から無限の龍神はゆっくりと立ち上がった。
服に小さな傷が入ってはいるが身体自体には一切傷はついていない。
結構力込めたのですがね……
「…… お前、強い、と思う」
「そりゃどーも」
てか、今更だけど結界が張ってねーじゃありませんか。
危ない危ない、世界が終わるとこでした。
今張れる最大強度で結界を張っているとオーフィスの力が更に高まっていくのが感じ取れた。
「てりゃ」
気の抜けたかけ声とは真逆に恐ろしく速い蹴り。
魔力で身体を覆い衝撃を弱くしたにもかかわらず形容し難い一撃が私を襲った。
「っ…… !」
お、もた過ぎるでしょこの一撃。 あの狂犬超えてるってどういうことですか?
足腰に力を入れて後ろに滑る身体を止める。
込み上げてくる嘔吐感を無理矢理抑え込みながら何回も身体に強化魔法をかける。
最後にベホマをかけてから片手を空に掲げる
「太陽の光の槍」
雷を纏った神々しい槍が現れそれを掴み
「よいさっ!」
オーフィスに向かって全力で投げる。
オーフィスは避ける動作はせずに腕を横に振るった。
槍はそれだけで弾け飛び、周りの木に火を着けた。
「予想済み、ではあったんですが……」
こうもあっさり無力化されるとくやしーですね。
せっかく人が何度も死にながらやっとの思いで手に入れたのに…… ま、結晶槍の方が強いのですがね。
おじさん、なんで脱いでしまったん?
「ピリピリする」
「いちおー、雷の槍の最上級のやつだったんですがね…… はぁ、しゃーなしです」
身体を覆う魔力を消して心臓に魔力をかき集める。
「
自分の内側から鎖が外れる音が聴こえる。 それが三回鳴り、魔力と身体能力が爆発的に強化される。
うん、このくらいなら世界楽に取れるんじゃなかろーか。
「手加減、してた?」
「いや、そうゆーんじゃねーですよ。 確かに全力は出してましたよ。 暴虐呪の開放していない状態で」
オーフィスとまったく同じ様に肉薄してまったく同じ様に蹴りを繰り出す。
オーフィスは私と同じ様に防ぎ、同じ様に後ろに滑る。
「お返しですよ。 んでもって!」
メラガイアー、マヒャデドス、バギムーチョ、ドルマドン、イオグランデ、ギラグレイド、ジゴスパーク、etc.
「消し飛べ!」
全方向から最上級の魔法が殺到する。
「っ!!」
全ての魔法がオーフィスに直撃した。
少なくともこれでダメージは…… 入って、ますよね?
舞い上がる砂埃を睨んでいると砂埃の中心から暴風が吹き荒れる。
いって! 目に入った!
目を擦りながら暴風の発生源を見ると案の定オーフィスの姿。
「……」
だが、先程とは少し違い巨大な、オーフィスを包み込めそうな大きい黒い翼。
先端が鋭く尖った黒い角。
鞭の様にしなやかな黒い尻尾。
露出していた肌は所々黒い鱗で覆われている。
「我、少し本気だす」
そう言うとオーフィスは大きく息を吸い込む。
おお、胸が膨らんでいく、じゃなくて! ……やばくね?
「───────!!!」
雄叫びと共に
あまりにもデカイ、まるで壁が迫ってきているみたいだ。
「チッ! ジェノサイドブレイバー!」
此方も負けじと馬鹿デカイ砲撃魔法を放つ。
が、此方の砲撃は容易く呑み込まれてしまった。
無限の力ふんだんに使ったなチクショウ!
横に飛んで回避した後勢い良く近づき踵落とし。
「ん」
オーフィスは翼で防いで尻尾を薙ぎ払ってきた。
尻尾をギリギリで掴み思いきりぶん投げる。
距離が十分に離れているのを確認して自分の胸の中に手を突っ込む。
「っ……が、ぁ…… !!」
激痛を我慢しながら自分の心臓を掴み、引き抜く。
辺りに鮮血が飛び散り、地面を赤く染める。
ホント、これ嫌なんですよねぇ…… !
「我が鼓動、龍を穿つ」
言葉を紡ぐと心臓から更に血が溢れだし、その血は地面に滴ること無く棒状に形成される。
そして作られた一本の紅い槍。
槍の先端をオーフィスに向け、ゆっくりと構える。
オーフィスは不思議そうに首を傾げて
「なんで、死なない?」
「あぁ、神が勝手に改造しやがりましたからね。 心臓の欠落程度じゃ死なねーんですよ」
すっげー痛いですけどね。
「さて、この槍はサマエルを超える龍殺しの槍です。 少なくとも、動けなくなるダメージは受けてくだせーよ?」
何度目かの突撃。
オーフィスは再び咆哮を今度はノータイムで放ってくる。
それを横に薙いで消し飛ばし、オーフィスに向かって突きだす
「…… !」
オーフィスは完全には避けきれず腕に僅かに当たった。
「っ…… ぁ!」
そして初めてオーフィスが苦悶の表情を浮かべる。
かすっただけでも腕が千切れる痛みの約十倍…… らしいですからね。
てか、心臓使ったんだからそれぐらいじゃないと割に合いませんよ。
「っ!!」
オーフィスが凄まじい速度で爪を降り下ろし、それを弾いて心臓に向かって一突き、翼で弾かれお返しとばかりに尻尾を四角から振り抜いてくる。
身体を地面に這わせて回避、槍を振り上げる。
オーフィスはバックステップで回避。
僅かにかすったのか鱗が少し欠けていた。
「ホント、はえーですね」
息を整え再び突撃しようとして、小さな事件が起きた。
突然オーフィスのズボンが真っ二つになったのである。
下着は穿いておらず、大変な部分が露になっている
「っ……」
「ストップ」
飛び出そうとしたオーフィスに制止をかけ、槍をその場に突き刺し彼女に近づく。
「?」
首を傾げ、構えを解いた。
彼女の前でしゃがみ裁縫セットを取り出し、地面に落ちたズボンを縫い始める。
ロリコンとか思った人は夜の狼の鳴き声にご注意を……
オーフィスは横にチョコン、と座り此方を観察するように視線を向ける。
…… もうちょっと危機感をもちなせーよ。
大きなお友達やらはぐれ悪魔やらに襲われますよ? 性的な意味で。
ま、簡単に撃退出来るから大丈夫だとは思いますが。
「良し、完成」
縫い終わりオーフィスに手渡す。
彼女はズボンを穿き、まだ此方をずっと見上げている。
「…… はぁ、興が削がれた」
槍を引き抜いて心臓の形に戻して胸の中に埋め込む。
そしてベホマをかけて傷口を塞ぐ。
「ほら、オーフィスもこっちに」
寄ってきたオーフィスにもベホマをかける。
龍殺しによって出来た傷は瞬く間に癒えていく。
「貴女も早く家に帰りなさいよ」
そう言って転移を実行。
家に帰宅した。
何故かオーフィスもついてきてレオ達に小一時間問い詰められた。
ここの文面おかしいぞ。等がありましたらご報告してください。
闇魂の魔法はおかしいと思うんだ。
脳筋な私にもっと優しくして下さい。うん、関係無いね。
ゴミクズ運送してこよ……