「えー、迷える子羊にお恵みを~」
「どうか、天の父に代わって哀れな私たちにお慈悲をぉぉぉぉ!」
「お兄ちゃん、あれ何?」
「シッ!見てはいけません!」
レオの目を塞ぎながら早足でその場を去る。
ったく、神の信徒がこんなところで何やってるんですか。レオの教育に悪いでしょう。
「レオ、ああいうのは無視するのが得策です。だから間違えても……あれ?」
レオ?何処に
「お姉ちゃんたち、困ってるの?」
「え?えっと……」
気づけばレオが信徒達の所に。話を聞いてませんでしたね……
「レ……」
「だったら、はい!」
ポケットから飴を取り出して彼女達に差し出した。
「これは……」
「困った人がいたら助けなさいって、お兄ちゃんが」
にぱっ、と一切の悪意が無い笑顔でレオは告げる。
いや、言いましたけど。怪しい人も助けなさいとは……
「……ああ、君は……」
青髪の子が何か言う前にレオは此方に戻ってきた。
「お兄ちゃん!」
「はぁ……勝手に行ったら駄目じゃないですか。ほら、行きますよ」
「はーい!」
レオの手を引きスーパーに向かう。今日はレオの好物でいいか
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目が覚めた。なにやら学校の方で結界を張ったような気がする。
「はぁ……」
あのカラス、また暴れてるのですか。怠いですヌェ。レオを起こさないように布団から
「……んぅ、おにーちゃん?」
無理でした。がっちりホールドしてる子を起こさないのは流石に無理でした。
「どこかいくの?……ぼくもいく」
「もう夜中ですよ。おとなしく……」
いや、待てよ?魔獣創造を使って……
「おにーちゃん……?」
「フフフ……レオ、おいで」
眠そうに目を擦るレオを抱き上げる。
さて、行きますか
「ルーラ」
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ルーラで駒王学園の入り口に転移する。突然上から降りてきた私たちに驚いて尻餅をつく生徒。確か、匙くん、でしたっけ?
「あ、あんた誰だ!?何処から」
「匙、どうし……レンヤさん?」
「おや、ソーナ嬢。お久し振りですね」
「ええ……でも、どうして貴方が此処に?それに、その子供は?」
「うにゅぅ……」
もぞもぞと腕の中で動くレオを撫でながら此処に来た理由を話す。
「どうしてそのことを……」
「ま、良いじゃないですか。それより、通して頂いても?」
「いえ、いくら貴方でもコカビエル相手では」
「その私より弱いグレモリーでは手も足もでないと思いますが?」
「それは……しかし……」
「大丈夫ですよ。いざとなればこの子もいますし」
「その子が?」
ソーナ嬢が怪訝な顔でレオを見る。
ま、こんな小さい子がどうにかできるとは思いませんしね、普通なら
「この子は魔獣創造を持っていますので。大丈夫です」
「魔獣創造……って、神滅具の!?この子が……」
驚いた顔で再びレオを見る。当の本人は関係無いといった感じに眠りやすいポジションを探していた。
「……でも」
「devil bad ghost!!」
一瞬の隙を見逃さずに二人を抜く
「え、ちょっ!?」
「しまっ……」
慌てた声を無視して結界に入っていく。
結界の中は既にぼろぼろのグレモリー眷属と何故か羽が少し戻っているコカビエルが。再生能力でもついているのですかね?
「く、うぅ……」
「ハッハハハハハハハ!いくら弱体化しているとは言え、貴様らには負ける筈も無いわ!!」
「おや、随分と強気ですね、コカビエル?」
「ハッ!?」
高らかに笑うコカビエルに声をかけると口を開けたまま動きが止まった。
今のハッ、て所何処かの野菜王子っぽいですよ。
「レンヤ、さん……?」
「君たちは……」
「き、貴様、何時の間に……」
やはり気づいて無かったんですね。つまらない
「言いましたよね?私は敵には容赦しないと。なんか生きていたのであればまた……」
「てき……?」
敵という言葉に反応したレオ。あ、ちょっと忘れてましたね。レオをゆっくり降ろし、しっかりと聞こえるようにレオに喋る
「ええ、敵ですよ、敵。あの飛んでいるカラスは私の敵です」
「てき……おにいちゃんの……」
「ええ、そうです。あいつはグレモリー眷属の、レオの、そして、私の敵です」
「てき……おにいちゃんの……敵!!」
レオは親の仇を見つけたような憎悪の籠った目でコカビエルを睨み付ける。
「
レオの影が生き物のように蠢き、学園中に広がっていく。
「これは!?」
「ヒッヒヒヒ……さぁ、お仕置きの時間だ」
「
──オオオォォォォォオオォォォォ!!!!!!
──アアァァァァァァァァァァアアアァァッッ!!!!
──■■■■■■■■■■■!!!!!!
影から三体の巨大な魔獣が姿を現す。
一体は辛うじて龍に見えなくもない化物
一体は大きな斧を持った牛の魔獣
最後の一体は他の魔獣とは比べ物にならないほどの巨人
「な、んだ……なんなのだ、これはぁ!?」
感じた事の無い威圧感にコカビエルは既に戦意は無くなっていた。
「レオ、せめて学園は残すように……て、聞こえてませんか」
「殺せぇ!!!」
龍は世界を焼く破滅の炎を
魔牛は全てを壊す暴虐の大斧を
巨人は天すらも落とす崩壊の拳を
小さな存在に放った
「───」
砂煙が巻き起こり視界を阻害する。それでもレオは攻撃命令は止めない
あー、止めなくても良いですかね?学園なら直ぐに元通りに出来ますし。グレモリー達は何時の間にか安全地帯に移動していましたし。
なんか私でも止められる気がしません
「死ね、死ね、死ねぇ!!!」
これですよ?止めたら此方に攻撃が飛んできそうでしょ?流石に殺す意思だけで創られた魔獣の一撃は私でも危険かも知れませんし
「は……は……」
「レオ」
終わったのか荒く息をつくレオに話しかけると此方に飛び付いてくる。
「おっと」
「お兄ちゃん。ぼく、お兄ちゃんのてきたおしたよ。えらい?」
「ええ、お利口ですね、レオは」
「ん……」
撫でてあげると更に抱き締める力を強くしてきた。そして不安そうに私を見上げる
「お兄ちゃんのてきはぼくがやっつけるから、だから、いなくならないでね?」
レオを安心させるように笑顔でその質問に答える
「ええ、私はずっと、レオの側にいますよ」
そう、貴方が生きている間は一緒に
私の答えに安心したのかふら、とよろめいた。抱き上げると直ぐに目を閉じて寝息をたてる。
「おやすみ、レオ」
「……レンヤさん」
リアス嬢が何が聞きたそうな顔でこちらを見ている。聞きたい事はわかりますが
「今は勘弁して頂けませんか?何時かお話ししますので」
今はレオを休ませてあげたいですし。
リアス嬢も理解して頷いてくれた。
「これは……凄いな」
「ルーラ」
え?何か?白い奴なんて見えませんでしたよ?
コカビー終了のお知らせ
レオくんはレンヤさんによって魔改造済み