ヤンデレ幼馴染から逃げたい未来の海賊王。なお、幼馴染は後ろからついてきている様です 作:ルウタはいいぞ~
後半はウタウタの実の覚醒に関してとなります
「ルフィさん。助けてくれてありがとうございます!」
「シシシ! 気にすんな!」
幼馴染から逃げたい一心でフーシャ村を飛び出したルフィは
「でもルフィさんはなんで海に出たんですか?」
「……」
しかし、コビーが何気なく聞いたその言葉はルフィのトラウマを刺激するには充分だった。彼の脳裏に封印していた記憶が蘇って来る。
『ルフィ! 遊ぼ!』
『ルフィ! 大好きだよ!』
『ルフィ! 私をお嫁さんにして!』
『ルフィ! ルフィとの子供が欲しい!』
『ルフィ!』
『ルフィ!』
『ルフィルフィルフィルフィルフィルフィルフィルフィルフィルフィルフィルフィルフィルフィルフィルフィルフィルフィルフィルフィルフィルフィルフィルフィルフィルフィルフィルフィルフィルフィルフィルフィルフィルフィルフィルフィルフィルフィルフィルフィルフィルフィルフィルフィルフィルフィルフィルフィルフィルフィルフィルフィルフィルフィルフィルフィルフィルフィルフィルフィルフィルフィルフィルフィルフィルフィルフィルフィルフィルフィルフィルフィルフィルフィルフィルフィルフィルフィルフィルフィルフィルフィルフィルフィルフィルフィ』
『ルフィ……。ずっと一緒にいようね?』
「……」
「る、ルフィさん!? 大丈夫ですか!?」
光の無い瞳で迫って来る幼馴染。最初の内は普通だった彼女も気づけば自分の後ろにいるような恐ろしい行動を取るようになっていた。そして、極めつけとして2年前にルフィは幼馴染ウタから夜這いを受けた。
『ルフィ……。一つになろう?』
『うわあぁぁぁぁぁっ!!!!!!』
一糸纏わぬ姿で迫って来る幼馴染に体中の熱が消えたように血の気が引き、気づけば猛ダッシュで逃げていた。そして村を出て山に逃げたルフィはそこで息を整えていた。しかし……
『ルフィ』
『ヒッ!?』
『逃げるなんてひどいよ……』
何時からそこにいたのか、ウタは目を見開いた状態でルフィの左隣にいた。それも至近距離で。再び逃げようとしたルフィをウタは細い腕からは信じられない剛力で以て押さえつけるとその体の上に跨り、欲情した瞳でルフィを見下ろした。
『う、ウタ……!』
『ルフィ。大丈夫だよ。星の数を数えている内に終わらせるから』
『だから本能に正直になってね?』
本能に従うのなら今すぐにでも逃げだす程ウタには恐怖しか感じなかったルフィ。この日以来ルフィは本格的にウタを避けるようになり、フーシャ村を出て逃げ出す事を決意した。そしてウタのストーカー行為が過激になった瞬間でもあった。
そんな地獄のような日々を思い出したルフィの体はバイブレーションの様にガタガタと震え、顔は真っ青になり口から泡を噴き出す。いきなりの惨状にコビーは驚きながらもルフィに声をかける。
「……」
そして、そんなルフィの様子を遥か後方から見ている人物が一人。彼女はルフィの様子を確認すると軽く息を吸って歌いだした。
「~♪」
「あれ? これって……」
「……」
コビーは何処からか聞こえて来た歌に驚くが直ぐに意識を奪われて眠ってしまう。それはルフィも同じであり、顔を青くしつつもその場に崩れ落ちるように眠った事で最悪の事態は脱する事が出来た。
「ふふ、ルフィったら何を想像したのかな?」
乗員二人が眠った小舟に少女ウタは降り立つとコビーを蹴り飛ばして船の端っこに追いやるとルフィの体を拭いていく。その手つきは優しく、まるで我が子にするかのような母性すら感じさせるものだった。
「……よし! これでルフィは大丈夫かな。あとは……」
ウタはルフィの体を拭き終わると小舟の中を確認していく。小舟にはアルビダから奪った食料や水が乗せられており、それらを一つ一つ確認していく。
「……うん。不足している食料や水はないみたいだね。本当はお弁当を渡してあげたいけどルフィったら食べてくれないから具材を渡すくらいしか出来ないんだよね~」
原因が自身にあるとは思っていないウタは少し悲し気に呟きながら小舟をチェックし、航海に不足している物がない事を確認すると最後にルフィの唇にキスをする。
「それじゃルフィ、また
ウタはそう言うと来た時と同じように小舟から離れて行った。眠った二人だけが残されたが二人は直ぐに目を覚ます事になり、可笑しく思いつつも次の目的地に向かって航海していく事になる。その後ろから
《おまけ》
ルフィが本格的に海に出る為に勉強を始めて居た頃、ウタは自身の力について考えていた。彼女はウタウタの実を食べた能力者であり、自身の歌を聞いた者を
「どうすればいいのかな……」
17歳の少女一人では考えられる事も少ない。いくら悩んでも分からなかったが、かつてシャンクスが言っていた事をふと思い出した。
『ウタ、悪魔の実には“覚醒”と言う次の段階がある。それは能力を更に飛躍させ、他者に影響を与える事が出来るようになる。お前のウタウタの実ももしかしたら覚醒出来るかもしれないぞ』
当時は大して気にも留めなかったその言葉だが今のウタはまさに天啓と言える言葉だった。
「覚醒したら現実世界でも使えるかもしれない!」
そう考えたウタは直ぐに能力の特訓を開始した。しかし、覚醒と言うものがあると分かってもそれをどうすれば出来るかは知らない。シャンクスもそこまで教えてくれたわけではなく、使えないと毒を吐きつつウタは悩みに悩んだ末に一つの結論に達した。
「そうだ! ウタウタの実を使い続ければいずれ覚醒するかも!」
こうしてウタはウタウタの実の力を毎日、毎時間、毎分の勢いで使用した。対象はもちろんルフィだ。ルフィには何も言わずにウタワールドにこっそりと引き込み、能力を酷使していく。同時にルフィの勉強の邪魔をしない為に勉強できる本やノートも作り出して。
結果、ウタはルフィの船出の前に覚醒に至った。音符に乗って宙を移動できた時には大喜びしてルフィに抱き着くほどだった。抱き着いた瞬間ルフィが気絶してしまったがウタは能力を使って生み出した濡れたタオルを生み出すと看病するという実験も行った。
こうしてウタはルフィのストーカーを出来る準備を整え、幼馴染の夢を見届けるために追いかけていく事になったのだった。
「ふふ、ルフィ。早くその麦わら帽子が似合う立派な海賊になってね? そしたら私が迎えに行くから……」
音符の上に乗り、ゆっくりとルフィ達の後ろを追いかけていくウタは
因みにもし気付いたら隣にヤンデレ状態のウタがいたらとか後ろからウタがささやいてきたらとか考えたら滅茶苦茶鳥肌が立ちました。ヤンデレはイケる派だけど流石に怖くなった……