The Back Rooms Story 〜Fanmade〜   作:犬社長

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序章です。
この話は読み飛ばしても構いません。


0話<無題>

 

誰かが言った。

 

地球の人口は急速に増え続けていると。

 

誰かが言った。

 

このままではやがて人類が住める場所は無くなってしまうと。

 

誰かが言った。

 

ならば創ろうではないかと。

 

無限の世界を、無限の可能性を、我々人類の手で。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◇◆ ◇◆ ◇◆ ◇◆ ◇◆ ◇◆ ◇◆ ◇◆ ◇◆ ◇◆ ◇◆ ◇◆ ◇◆ ◇

 

 

20XX年8月10日 米国 某所

 

 

「つまり…その<なんちゃらシステム>を使えば無限の面積を持つ世界を作れると?」

 

昼なのに分厚いカーテンが降りているせいか暗い室内で何やら会話している人影が二つ。

 

一人は背広姿で高級そうなイスに深く腰掛けている。

もう一人は白衣に身を包み、背広の男に向かい合って立っていた。

 

「…二つ、訂正したいことがあります。」

 

まるで感情を感じさせない声で白衣の男が口を開く。

 

「まず、なんちゃらシステムでは無く<磁気空間歪曲システム>です。この計画が成功した暁には貴方には表向きのプロジェクトリーダーになって頂く予定ですので覚えていただきたい。」

 

背広の男が軽く肩をすくめる

 

「もう一つ、我々はその世界を作るのではありません…見出すのです。」

 

「…?、つまり?」

背広の男の頭の上に疑問符が浮かぶ。

 

「我々の世界をビルの中の一室だと考えて下さい、壁一枚隔てた隣には別の部屋がありますよね?我々がやろうとしている事はその壁をすり抜けて隣の部屋に行く事です。一から部屋を作る事はできない…。」

残念ながらね、と白衣の男が首を振る。

 

「何年も前からこの世界…私は<フロントルーム>と呼んでいますが…我々の世界とは異なる世界が空間の壁一枚隔てた先にある可能性について、研究が繰り返されてきました。」

 

うす暗い部屋に白衣の男の声だけが響く。

 

「しかし、当時の技術では異世界に渡る術が無かったのです。研究自体は盛んにしていましたがね。」

 

ふむ、と背広の男が呟いた。

 

「…なるほど、しかしそんな研究を国がしていたとはね…知らなかったよ。」

 

「知らないのも当然です、これは国の極秘事項なのですから。」

 

背広の男が微かに笑う。

 

「ふふ…いかんな、陰謀論者をもう笑えなくなったぞ?」

 

「あれはデタラメを言っているだけですよ。本当の陰謀は誰にも知られない…知り得ないものですから。」

 

それを聞いた背広の男が少し真剣な眼差しになって白衣の男に聞く。

 

「…この計画を知っているのは?」

 

「我々M.E.Gの職員31名と米国の上層部、ここの州の州知事…一般人枠では貴方だけです。」

 

それを聞いた背広の男が苦笑する

 

「一般人か……一応全米不動産市場No.1の会社の社長なんだがな…。」

そんな軽いぼやきに今まで一切表情を動かさなかった白衣の男の口元が小さく緩む。

 

「…今挙げた方々に比べれば、ですよ。<新世界>への扉が開いた時には貴方のその地位が計画に大いに役立つ事でしょう。」

 

「…新世界移住計画、か。」

 

 新世界移住計画。環境破壊、海面上昇、人口増加に伴う居住可能域の減少に対し、限りある地球上の陸地ではやがて限界が訪れるだろうとの予測がある。

 それの問題を解決するために米国が編み出したプロジェクトこそが、新世界移住計画なのだ。

 

 簡単な説明をすると限り無く続く無限の異世界にアクセスできる手段を開発し、其処に人類の新たな生存領域を作り上げる。

 成功すれば、もはや人類は限りある世界に縛られる事はなく、人類の未来には無限の可能性が約束される事となる…プロジェクトを進める者たちはそう信じて疑わない。

 

 

「では…そろそろ時間ですので失礼致します。」

 

腕時計をチラリと見て言った白衣の男は背広の男に軽く頭を下げると、部屋の出口へ向かう。

 

「ん、ああ、ちょっと待ってくれ。」

 

背広の男が部屋から出て行こうとする彼を呼び止めた。

 

「どうかされましたか?1時間後には第一回開通実験があるので何かありましたらその後に…。」

 

「いや、すぐ終わるさ。」

 

そう言った背広の男は少し姿勢を正して白衣の男を見つめた。

 

「正式な名前…決めないか?」

 

「…?何のことでしょう。」

 

「<新世界>のだよ。今のところ定まった呼び方がないって聞いたぞ?ほら、私がプロジェクトリーダーになるのだからそろそろ正式名称を決めようと思ってな。」

プロジェクトリーダーとしての初仕事さ、と背広の男が笑う。

 

「なるほど、確かに所内でも呼び方は人それぞれですからこの際定まった名前を付けておくのはいいかもしれません。」

 

「ちなみに私は一つ良いアイディアが思い浮かんだ。キミは何か思い浮かんだかい?」

 

白衣の男は小さく首を振る。

 

「いえ、私にはさっぱり…。」

 

背広の男の顔に笑みが浮かんだ。

 

「キミがこちら側の世界を<フロントルーム>…そう呼んでいるのを聞いて良い案が浮かんだんだよ。この実験が成功した暁には…私はその<新世界>にこの名を与えようと思う…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

< バックルーム>と。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

to be continue

 

 

 

The Back Rooms

 

 

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