The Back Rooms Story 〜Fanmade〜 作:犬社長
(╹◡╹)← 〈
ーーーーーーーコレは昔の記憶だ。
『見てママ!こんな奴に僕出会ったんだよ?』
自分が描いた絵を見せるとママは顔をしかめた。
『トム、なにそれ?怖い絵描いてるわねぇ〜。』
『コレは、お化け!暗い場所に住んでるんだよ!』
『お化け?トムはお化けに会ったの?』
『うん!怖かった!でも助けてもらったんだ!』
『…誰に?』
『
『あら、そうなの。でもコレに名前があるの?』
『うん!コレはねーーーーーーーーーーーーー
〈
◇◆ ◇◆ ◇◆ ◇◆ ◇◆ ◇◆ ◇◆ ◇◆ ◇◆ ◇◆
「うわあああああああああああっ!!」
暗闇の中、叫びながらトムは走っていた。
すぐ後ろから凄まじい殺気をビリビリと感じる。その殺気でトムは半狂乱になっていた。
(嘘だ!!本当にスマイラーが居るだなんて!!アレは子供の時の妄想だ、って思ってたのに!!)
振り返ることすらできず、トムは走り続ける。あの狂気的な笑顔は未だ彼を追いかけていた。
音も立てず、声も出さず、〈
(嫌だ!いやだ!イヤだ!死にたくないッッッッ!!)
トムは目につく通路全てに逃げ込んで何とか〈
(くそッッッ!!足が痛ぇ!!肺も痛ぇ!!でも、追いつかれたら…死ぬッッッッッッ!!)
もう長い間こんなに全力疾走した事なんかない。すでに体が限界を迎えていたが、迫りくる死への恐怖がトムの足を限界を超えて走らせていた。
……しかし、神はトムを見放したのかもしれない。
「ーーーーーーー!!痛っ!!」
足元にあった水たまりにトムは足を取られ、派手に水しぶきを撒き散らしながら転けてしまったのだ。
(マズい!転けた!!足がーーーーーー)
起き上がり走り出そうとするが、今の転倒で足のどこかを捻ったのか起き上がった瞬間また倒れ込んでしまう。
(くっ、めっちゃ痛い……これはもう…走れないッ!)
蹲るトムに不気味な笑顔を崩さず近づいてくる〈
(ーーーーーーーくそ!!こんな場所で一人で死ぬなんてあんまりじゃないかッッッ!!)
トムは最後の抵抗と言わんばかりに手に持っていた懐中電灯を迫り来る〈
それは放物線を描き〈
(こ、此処までかーーーーーーーーーーーーーーー)
トムは諦めて、目を閉じた。
…
……
………
…アレ?
いつまで経っても死の瞬間が訪れない事に訝しんだトムが目を開けると〈
見ると〈
(まさか、光に反応する習性があるのか?)
だとすれば、懐中電灯を持って走っていたのは愚行だったかも知れない。
(とにかく、アイツがこの場を離れた隙にーーーーーー)
トムは〈
因みに、充分離れたところから後ろを振り返ってみた時、〈
◇◆ ◇◆ ◇◆ ◇◆ ◇◆ ◇◆ ◇◆ ◇◆ ◇◆ ◇◆
闇の中、トムは手探りで這う様に進み続ける。
(懐中電灯がないと本当に暗いな…こんな時にまたスマイラーに襲われたら、アウトだな…。)
いつ、ヤツがまたやってくるかトムには分からない。ただこの暗闇の中でまた会わない様に祈るだけだ。
(でも、本当にそっくりだったな…小さい頃の想像と。…何であんなそっくりな奴が居るんだ?)
闇の中で、トムは〈
(まさか昔会って…いや、無いか。こんな世界、子供の頃に迷い込んだらトラウマもんだろう。)
…その割には昔会っている説が何故か心の中でしっくり来る。
(まぁ、良い。今はこの状況を何とかするのが先だ……電気もうつかないのか?流石にいつまでも暗闇の中では嫌なんだが…。)
場合によっては、この闇の中で手探りで箱を探して、また懐中電灯を見つける必要があるかも知れない…とトムが考えていたその時だった。
ーーーーーーーーーー不意に何の前触れも無く部屋中の電気がパッと点いた。
「うわっ?!眩しっ!?」
闇の世界から一転、白い光に再び照らし出された事で目が眩むトム。
目を開けると、全てが闇に包まれる前に元に戻っていた。
「……あぁ、目が痛いぃ〜〜急に電気点くのビックリするんだが?」
目を押さえながらそんな誰に向かってでも無い文句を言う。
「……でも、元に戻ったな。やっぱり、明るいと良いな…相変わらず不気味な場所だけど。」
周りを見渡してそう独りごちる。明かりがついただけで何だか安心感が何倍にもなった気がした。
「…よし、ちょっと休憩しよう。足を痛めたし、全力で走って疲れたからね。」
壁にもたれ、リュックから2本目のアーモンドウォーターを取り出して飲む。うん….やはり美味い。
(気のせいか、足の痛みも引いていく気がする…万能飲料か?コレ。)
ボトルを見ながらそう思う。そういえば、コレが何なのかよく分かっていない。最初はただ有難いと思っていただけだが、そもそもこんな世界に何故人が飲める食料だとか、懐中電灯とかの日用品が箱に入っているのだろうが?誰かが置いているのだとしたら、何故?何のために?
(考えても分かんないな…どんな理由だろうとココにある…それが全てで、意味なんかない気がしてきた。)
そういえば、この灰色の世界に来る前に見た夢の中で車掌みたいな人が似た様なこと言っていたか。
(この世界は…唯、在るだけ…そこに意味なんて無い…か。)
そうだとしたら、自分がこの世界に来たのには何か意味があるのだろうか?
それとも、やはり無いのだろうか?
この問いの答えは出ないまま、トムはもう一口アーモンドウォーターを飲む。
味は変わることなく甘かった。
◇◆ ◇◆ ◇◆ ◇◆ ◇◆ ◇◆ ◇◆ ◇◆ ◇◆ ◇◆
ーーーーーーーーあれから少し時間が経った。
足の痛みもだいぶ引いたので、トムはまた歩き出すことに決めた。
「…行こう…歩いてれば、何か新しい物が見つかる筈だ。」
その新しい物が自分にとって良しとなるか悪しとなるか、それは分からない。でも、何もしないよりかはマシだとトムは思い始めていた…アーモンドウォーターは気持ちを少々前向きにできるらしい。
ーーーーーーーそして、新しい物は直ぐ見つかった。
ソレは水溜りの近くで見つけることができた。足元に注意していなかったら見落としていたかも知れない。
「!!、コレは……人の……足跡?」
ソレはどう考えても、水たまりに入ってから出たと思わしき、人間の靴底の跡だった。少し時間が経っているのだろうか?ソレは乾いて掠れかけていたが、ずっと先の方まで続いている。
「これ…俺以外の人間がこの世界に居るのか?だとしたら…これは凄いことだぞ。」
自分以外の誰かがこの世界に居る。その証拠ともなる痕跡を見つけてトムの心の中に希望が出てきた。
(……この世界に俺独りじゃ無かったんだ!)
トムは足跡を辿り始めた。願わくば、良い人で在ることを…と思いながら。
〈
それはそれとして、次回トム・マクフライ君とジョン・ドゥ君がついに出会う予定!!仲良くできると良いね!
…そろそろヒロインが欲しいな…