The Back Rooms Story 〜Fanmade〜   作:犬社長

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遂にこの物語も10話です!ヤッタゼ(╹◡╹)←スマイラー




10話〈放浪者達は運命(さだめ)に導かれて出会う〉

 

 

人と人との出会いは何時だって突然である。

 

 

それはこんな世界(バックルーム)でも、言えることなのかもしれない。

 

 

 

 

 

 

◇◆ ◇◆ ◇◆ ◇◆ ◇◆ ◇◆ ◇◆ ◇◆ ◇◆ ◇◆

 

 

 コンクリートの地面に微かに残る足跡を頼りに歩き続ける。足跡は先に進むにつれて段々と濃く、はっきりとして来た。

 

「おーーーーーーい!!誰かいるんだろーーーっ?!」

 

……………………。

 

 足跡の続く先に向かって呼びかけてみるが、返事は来ない。しかし、もう声は聞こえるはずなんじゃなかろうか?

 

「…この感じ的にもう目と鼻の先にいると思うんだけどな…。」

 

 足下を見ながら呟く。既に靴の裏の凹凸まではっきりわかるぐらいのしっかりした足跡がそこに残っていた。

それは、20mほど先の曲がり角までずっと続いている。

 

(まさか、死んでたりしないよな…?)

 

 この世界で最初に目にする人間が死体だなんて嫌だ…と思いながらトムは角を曲がる。すると、ずっと向こうの方に蹲っている黄色い人影を見つけた。

 

(…居た!やっぱり人だ!!)

 

「おーーーーーーい!!そこのアンターーーー!大丈夫かーーーっ?!」

 

 トムはその人影に向かって叫ぶ。すると、人影が此方を見てビクッとした。…まぁ、無理もないだろう。どんな目にあって来たか知らないが、きっと怖い思いをしながら辿り着いたであろうこの場所でバックパッカーみたいな見た目の全身ジャージ男に声を掛けられたのだから。

 

ーートムはそんな驚いている人影に手を振って近づく。近くで見ると黄色い服だと思っていたものは、ダボついた古めかしい防護服のようなもので顔にはガスマスクのような物をつけているのが分かった。

 

「……き、君は…人間か?」

 

「おう。頭から爪先まで100%人間さ。」

 

信じられんと言った風にガスマスクの男が首を振る。

 

「……ほ、本当に人間なのか…この世界に人はいないと思ってた…!」

 

「俺だってそうだよ。まさか、人がいるなんてね。」

 

 ガスマスクの男がフラフラとしながらも挨拶に手を差し出してくる。トムはその手を軽く握った。

握り返しながら、ガスマスクの男が呆然と呟く。

 

「……夢じゃ無いみたいだな……誰だか知らないけど、俺を見つけてくれてありがとう…君、名前は?俺は『ジョン・ドゥ』、よろしく。」

 

ーーガスマスクの男改め、ジョン・ドゥとガスマスク越しに目が合ったトムは自己紹介を返す。

 

「俺は、『トム・マクフライ』。家で転んだら何時の間にかこの場所に迷い込んでたんだ。…アンタもかい?」

 

「あー…いや、ちょっと違うな…。」

「…?」

 

少しジョンが話すのを躊躇った気がした。

 

「えっと……その話をする前にトムさん…申し訳無いが何か食べる物とか、持ってないかい?もう身体がフラフラで限界なんだ。」

 

 …なるほど、確かにジョンは衰弱して今にも死にそうな雰囲気を醸し出している。

 

「…でもまぁ、そんな物都合よく持ってるはずがーー」

「持ってるよ。」

「持ってんのッ!?」

 

ジョンが勢い良く顔を上げた。

 バックパックからトムはアーモンドウォーターを取り出してジョンに渡す。

 

「はい、コレどうぞ。食べ物じゃなくて飲み物だけど…良い?」

 

「もちろん。もう口に入れられるなら何でも大歓迎だよ。」

 

 ボトルのキャップを素早く外したジョンは顔のガスマスクも躊躇わずに取ると、一気にアーモンドウォーターを飲み干した。

 

「……んぐ……ぷは〜…美味い!」

 

 あっという間に飲み切ったジョンが、口を拭って一息つく。

 

「美味しいでしょ?それ。」

 

「ああ、凄く美味い。どこでコレを?」

 

空になったボトルを繁々と見ながらジョンが訊く。

 

「そこら辺に落ちてた。品質はーーーーーー多分大丈夫さ。味が良いからね。」

 

「こんなのが落ちてたのか…何じゃそりゃ。まぁ水溜り啜るよりかは幾らかマシか…。」

 

 話している間にも、ジョンの顔色が良くなって来た。相変わらず凄い効き目だ。あと少しすれば、完全に元気を取り戻せるだろう。

 

 

 

 

<数分後>

 

 

 

 

 

「…で、ジョンさんは何故ここに?」

 

 ジョンが落ち着いたのを見てトムは話の続きを始めることにした。

 何となくだが、ジョンはただここに迷い込んで来ただけの人の様には思えなかったのだ。その黄色い奇妙な防護服とガスマスクがそれを証明している。

 トムがそんなことを思っていると知ってか知らずか、ジョンは少し憂いた様なため息を吐いて口を開いた。

 

「あぁ、そうだな…とは言ってもどこから話せば良いか見当もつかないんだが…まぁ最初からしっかりコトの顛末を話そうか。」

 

 そう言って、ジョンは話し始めた。自分たちはM.E.Gと言われる組織の一員である事。国からの命令で<バックルーム>と呼ばれる異世界を研究していた事。ピーターという仲間とこの世界にやって来た事。しかし、怪物に襲われて逸れてしまった事。エレベーターに乗ってこの灰色の場所にやって来た事。…今まで自分が経験した全てを彼は話した。

 

「…ってのが俺の話せる限りの全てさ。この世界がこんな場所だなんて思っても見なかった…分かってたら行かなかったね。」

 

一方トムは開いた口が塞がらない。

 

「………OMG(オー マイ ゴット)。何てこったい……まるで嘘みたいな話だな。…でも、信じるしか無いか…実際こんなところに居るんだから。」

トムは頭を抱えて唸る。

 

「うーーん…だとすると、だ。コレからまた誰かバックルームに調査って名目で入ってくるって事は有るのか?」

 

ジョンは小さく首を振った。

「いや、可能性としては低いと思う。俺たちが帰って来ないことに向こうも気づいてる筈だ。来るとしたら救助隊……只、俺としてはさっさと(ゲート)を閉じてしまった方が良いと思うけどな…俺たちを襲った怪物が現実世界に出て来たら大パニックだぞ…。」

 

「…でも、それじゃあよジョン。俺たち元の世界に帰れないぞ?」

 

「ああ。だが現実問題、俺もキミもバックルームの奥深くに入り過ぎた。それにこの灰色の場所に来た時に乗っていたエレベーターは()()()()()()()()んだ…もう戻れない。」

 

…なんか今凄い重要なことがサラリとカミングアウトされなかった?

 

「…マジか、下にしか行かないのか?」

 

「マジだ。ボタンが一個しかなかった。あれではどうしようも無い。」

 

そういってジョンは自嘲気味に笑う。

 

「へっ……つまり、ここが俺たちの新しい家って事だ。ヨボヨボの爺さんになるまで、ずっとこの世界を彷徨うことになるんだろうな。」 

 

「マジかよ……。」

 

呆然として、トムは黙り込む。ジョンもまた口を閉じた。

 

 少し前まで先に進めば何か新しいモノがーーーーもしかしたら元の世界に帰れるナニかが見つかるかも…と僅かな希望に必死にしがみついていたトム。

 ジョンに出会った事で孤独感は紛れたと思えば、今度は何をどうやっても帰ることができないと言う事実を突きつけられる羽目になってしまった。

 

(マジで何の方法もないのか?この世界から出る方法が…?)

 

考えても答えは出なかった…。

 

 

 

 

 

 

 その時、黙り込んだ二人の耳に何か()が聞こえて来た。

 

「…ん?なんだ…何か聞こえないか?」

辺りを見渡すジョン。

「…俺も思ってた…何だかどっかで聞いた気がする音…。」

トムも呟く。

 

 

この()()()()()()()と定期的に繰り返す響きはーーーーーー

 

 

 

 

「「()()()()…?」」

 

 

 

 

 

 

 

 





二章は次で終わる予定です。

因みに……実はここから先の展開を考えてません!!(ドヤ)

話のストックを使い切ってしまったので今から考えて来ます()
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